こんなことを思ったり。ぼちぼちかんげき。

保護猫と同居人と暮らすアラフィフがビンボーと戦いながら、観劇したものなんかを感激しながら記録。

ブラッド・ブラザーズ

4月17日(土)12:00~ @シアター1010
ミッキー 武田真治
エディ 岡田浩暉
リンダ 鈴木亜美
ミセス・ジョンストン 金志賢
ミセス・ライオンズ 杜けあき
ナレーター 安崎求

ロンドンで見たのはもう11年も前のこと。今よりももっと英語が不得意な状態で見たので、何が何やらさっぱり分からず、大人が演じる子供の違和感とナレーターの天使のような悪魔のような佇まい以外、何も残らず、劇場を後にした。
さて、11年後、日本語で見る「ブラッド・ブラザーズ」はどうだったかというと、何はともあれ初見の印象というのは正しいのだな、と思った。
言葉が分かるとか分からないとか超えて、ガツンと来るものは来るし、そうでないものはそうでない、ということが分かったのだ。
「ブラッド・ブラザーズ」は悪い作品では決してない。寧ろ佳作くらいのものだと思う。そして、1年とちょっとという短い期間とは言え、英国に滞在した身から見て、どこがどうというのではないのだけど、もうとにかくとても「英国的」な作品なのだ。英国のソープオペラの切り取られたあるストーリーを見ているような感じで、これがロンドンで今もなお愛されている作品だということが、改めて納得できた。
だから、逆に、共感できるところもなく、まさしくナレーターと同じ視点で物語を見てしまう。するとそれは、なんともさらっと通り過ぎてしまう。運命に踊らされて可哀そうにね、くらいで終わってしまう。それがどうも残念な気持ちになった。

ロンドンで見た時よりも良かった点は、断然武田真治のミッキーだった。いや、この作品は大人が少年を演じる、というところに見どころがある、というのは分かってはいるのだけど、私がどうしてもヴィジュアル重視派なので、ヴィジュアルで無理がない、というのは割と有難い要素。そのため、本当は若いWキャストの方を希望していたのだけど、チケットが上手く入手できず、今回のキャストになったのたけど、武田真治は少年時代もびっくりするほど無理がなく、ほっそいむき出しの足がまさしく少年、という感じで、だから、その成長過程がスムーズに見れたのが良かった。全体に日本人ってやっぱり子供体型なんだなあと実感。だから、この作品はある意味あっているのかもしれない。鈴木亜美がものすごく努力の後が見えて健闘していたのも良い印象。二人の母親は過不足なく、がっちりと物語の骨組みを支えていた。