こんなことを思ったり。ぼちぼちかんげき。

保護猫と同居人と暮らすアラフィフがビンボーと戦いながら、観劇したものなんかを感激しながら記録。

トニー賞2010を見ながらつれづれと。

先週の日曜日、ふと、トニー賞の放映は今日だったんではないかと思い当たる。
昨年、衛星放送が映るようになったとアパートの掲示板に出ていた記憶が蘇り、テレビをごそごそしてみたら、BSチューナーがあって、そちらに差し替えてみると、無事、衛星放送が映った!
ということで、トニー賞を慌てて録画しつつ、見ていたら、やめられなくなって、一日家で過ごすことを決める。

とは言え、不況下のアメリカで、新作も目立つものが出ず、全体に地味な印象。
それでも、見せるものがあるのだから、やっぱりすごい。
賞レースに絡んだ新作のうちでは、個人的に「American Idiot」が印象的だった。
洋楽オンチなので、よくは知らないのだけど、ロックバンド、グリーン・デイの曲がベースのミュージカル、とのこと。
ヘアーやRENTに似たパワーを感じる分、新鮮味は感じないのだけれど、それでも何故これだったかというと、パフォーマンスされたセットがこれが一番面白かったから、なのだ。
埋め尽くされるテレビというヴィジュアルが、ミュージカルというちょっと古いものが題材となることが多い枠中では新鮮。

南アフリカが舞台の「Fela!」もカラフルで力強く、魅力的だったけれど、私が好きな「洗練」とは離れている感じが、好き好き分かれそうだなあ、とか、やっぱり「ラ・カージュ・オ・フォール」の曲大好きだ、しかも、日本と違って衣装がシンプルでかつ可愛い、感動、とか、何やかんやと一人で楽しむw

今回のトニーの注目点というか、いつもと毛色の違ったところというと、やっぱり、映画スターが多くノミネートされて受賞したところじゃないかと思う。スカーレット・ヨハンソンデンゼル・ワシントン、キャサリン=ゼタ・ジョーンズ。欠席していたけれど、ジュード・ロウも。
まあ、舞台を見ていない身として、これらのスターたちがどのくらいの実績だったのかは分からないけれど、とにかく、キャサリン=ゼタ・ジョーンズがキレイで堪能。
歌もちゃんとしていたけれど、何といってもその姿形の美しさが一番目を引いた。
古典的な白いドレスに身を包んだキャサリンはそりゃあもう美しかった。
多分、生で見たら、歌とか聴くまでもなく、私はその見た目の美しさに吸い込まれたんじゃないかと思う。
http://www.youtube.com/watch?v=FUGkjNTRoNo
セットや照明の美しさもあって、まるで絵画のよう

キャサリンが主演したミュージカル「リトル・ナイト・ミュージック」は随分昔に一度日本版を見たことがあるのだけど、ソンドハイムの難しい大人な演目がさっぱり分からず記憶もあやふや。
だから、役としてキャサリンが美しいことがプラスなのかマイナスなのか分からないけれど、美貌の映画スターが出演する意味、というのは、ヴィジュアル的にも興行収入的にもまあまあ利のあることかもしれないなあ、と思う。

そんな中、トニー賞を5回も受賞しているアンジェラ・ランズベリーという大舞台女優のスピーチが一番心に残る。
まあ、トニー賞の主宰、American Theater Wingの宣伝を兼ねたスピーチだったから、そうなるのは当たり前とは言え、その当たり前、のことが日本では出来なかったりするので、より心に響く。

演劇を志す人はまずは技術を学ぶことを考えるといい。

英国で演劇学校に通っていた彼女は、大戦の影響でアメリカにやってきて、芝居の勉強なんてもう出来ないと思っていたところに、American Theater Wingの手配した奨学金でニューヨークでも演劇学校に通えたんだそうだ。それが彼女の女優としてのキャリアを助けてくれたとのこと。なので、American Theater Wingの提供している技術向上のためのプログラムを利用しましょう、という意図のスピーチの中の言葉だけど、本当にねえ、と思う。
http://www.youtube.com/watch?v=SGqTLCEppU0
まあ、そういうベースがあるかないか、の違いも大きいし、ロンドンも小劇場演劇活動をする人たちのためのサポート・ソサエティがあって、登録さえすれば、安くでレッスンや講義を受けれたり、どう考えても日本の状況は遅れているし、苦しいのは分かる。
だけど、とりわけ舞台では、芝居は技術なしでは成り立たない。
そして、そういうことを気づけない状況もまた問題だったりするのかなあ、と思う。

と、こういう問題提起を書いてみるたび、何か出来ないか、と思うのだけど、熱意も努力も行動力も伴わない自分を反省したりしてみたり^^;

ところで、トニー賞で紹介されたこのドラマ↓↓↓相当見たいんですけど!
http://ja.wikipedia.org/wiki/Glee

パフォーマンスの中でもこのドラマの紹介のところ、ショーって感じで楽しくて良かった!
http://www.youtube.com/watch?v=AlPZjWLLcYQ
この辺、ショー好きの所以かも。
こういうオーソドックスショーでいいのになあ。