こんなことを思ったり。ぼちぼちかんげき。

保護猫と同居人と暮らすアラフィフがビンボーと戦いながら、観劇したものなんかを感激しながら記録。

メディアミックスで見る『スカーレット・ピンパーネル』の面白さ。

タカラヅカ・レビュー・シネマ第三弾「スカーレット・ピンパーネル」を見に行ってきた。
第一弾の「ソロモンの指輪」は舞台を見ておらず、第二弾の「太王四神記ver2」は一度きりの観劇であったことを思うと、この「スカーレット・ピンパーネル」は三度舞台を見に行き、更に販売DVDも購入している、ということで、最も映像によるリメイク、を楽しめた作品となった。

基本的に私は舞台で見るときは、全体を見ていることが多いのだな、と改めてこの映画を見ることによって気づかされた。
とにかく面白かったのがオープニングのマダム・ギロチン。
暗い照明の中に浮かび上がる薄汚れた民衆の蠕動とギロチンが交互に映し出され、パリが暗い時代であることをはっきりと印象づける。

アーティスティックな「ソロモンの指輪」や、SF大河ドラマ的だった「太王四神記ver2」と違って、この作品は正当派ミュージカル。だからか、歌終わりの拍手もカットしていない部分も多く、それはそれとして興味深い演出でもあった。
ただ、素材が元からある舞台映像しかないので、本来、映画ならば歌とオーバーラップで映像を流す部分で、パーシーとマルグリットが出会い、恋愛して、結婚にいたるまでの画像だともっと効果的だったところを、そう出来なかったのは残念だと感じたし、感じさせるくらいなら、オーバーラップをさせない方が良かったのではないだろうか、と思う部分もあった。

一方で「目の前の君」などは、霧矢大夢の圧巻の歌唱力の元、横顔のみを映し出す手法で、大変面白く見れるシーンもあり、1つの作品をさらに分解して演出する面白さ、というものを多いに感じ、楽しめた。

なんと言っても、これは本当に作品が良い。
映像では舞台では見えにくい細かな表情が大きく映し出されるので、よりパーシーとマルグリットの感情のすれ違いを再びヒシヒシと感じ、切なくなったり、喜びに溢れたりしながら鑑賞。
正直なところ、作品が完成されているので、ショーの部分はなくても良かったかなという気はしたけれど、ファンとしてはショーも見れるのは嬉しかったり、とかく大満足の二時間半だった。