こんなことを思ったり。ぼちぼちかんげき。

保護猫と同居人と暮らすアラフィフがビンボーと戦いながら、観劇したものなんかを感激しながら記録。

エンターテインメントとしての可能性@SWITCHインタビュー「王子たちのここだけの話」

フィギュアスケート、というカテゴリーも作ったほうが良いかもと思いはじめた今日この頃。
グランプリファイナルが終わって、残すは世界選手権ですね。
というくらい、私の中にフィギュアスケートに対するナショナリズムはありません
まあ、今は割と好きな選手がアメリカに寄っているので四大陸は見るかもですが、全日本にはあまり興味がありません。
(それよりもヨーロッパ選手権を見たい!女子だけならロシアの国内大会を見たい!強豪ひしめき過ぎて面白いだろうなあ)
そんな私が唯一好きだった日本人選手、それが高橋大輔さんです。

 

 



とは言え、好きになったのも遅く、トリノオリンピックの後からぐらいな記憶があります。
高橋選手がモロゾフコーチについていたときのショートプログラム「ヒップホップ白鳥の湖」あたりで完全にやられてしまいました。



このリズム感。もはや演技というより「ダンスパフォーマンス」の域です。
高橋選手が「踊る」のを見るのが好きでした。
音楽とリズムに取りつかれて酔っていくような姿を見るたび、踊りというのはこういうことをいうのだろうなあと感じていました。

去る12/10(土)、NHKの「SWITCHインタビュー」で井上芳雄さんと高橋大輔さんが登場しました。
http://www.nhk.or.jp/switch-int-blog/258312.html
井上芳雄さんと言えば、ミュージカル界のプリンス。
とりあえず私もデビューの東宝エリザベート」ルドルフ役も見ていますし、その他の主演舞台も少なくはない数を見ています。
一方の高橋大輔さんは、試合にかけつけたこともなければ、アイスショーに行ったこともなく、生でその姿を拝見したことはない状態。
なのに、この2人が並ぶと、高橋大輔さんの方にテンションがあがっている自分がいて、改めて高橋さんが好きな自分に気づかされました。
(舞台上の井上さんは特にファンというわけではないのですが、井上芳雄のしゃべりは好きな私
 この人、面白い、と思ったのは「ウエディング・シンガー」初演のトークショーを聞いたときでしたw
 この番組でもやっぱりトークが面白くて、新納さんと一緒にトークショーとかやってくれないですか、ダメですか、王子的に)

その高橋大輔さんが仰ったなかで素敵だったのが、「どうしても曲のリズムに合わなくてジャンプできないところがある」というような言葉。
ああ、やっぱりこの方はスポーツとして点数をとるためだけじゃなくて、曲に合わせて「踊る」ことを無意識にやっていたのだなと納得。
だからこそ、あれほど「魅せられる」パフォーマンスだったのだと思います。
番組中に流れたのがバンクーバーオリンピックの時のプログラム。



これももちろん好きでした。
この後、世界選手権で転倒もない完璧バージョンを踊られるわけですが、パフォーマンスとしてはこのバンクーバーオリンピックバージョンが転倒ゆえに私にとって完璧でした
最初は転んでいた道化師がどんどん成長していく過程が明確に見えて、とてもいいショーの一幕のよう見えたのです。


高橋大輔さんがこの番組で今後の夢として、カンパニーみたいなものを作りたいとお話しされていました。
その理由の一つとして「ジャンプは苦手でもそのほかの点でいい選手はいっぱいいるから」ということを挙げておられたのですが、本当になあと思います。

現在私が好きな選手にジェイソン・ブラウンさんというアメリカ人男子の方がおられるんですが、彼なんかはまさしくそうですよね。



この4回転時代ゆえに彼も今シーズンから果敢に4回転に挑んでいて、気の毒だなあと思うのです。
リズムを取れない選手、上半身が動かない選手がたくさんいる中、彼は音楽とリズムを全身で表現できて、さらに180度開く美しいバレエジャンプもできる。けれど、それは取り立てて大きな点数にはつながらないわけです。
まあ、フィギュアスケートは「スポーツ」だからしょうがないわけなんですが、見ているとそんなに「ジャンプ」ばっかり優遇しなくても…て気についついなってしまうのです。

だから高橋大輔さんが「スポーツ」以外の「フィギュアスケート」のあり方を作ってくださるのを楽しみにしています。
アイスショー」もいいけれど、バレエ団のように「演目」を作っても面白そうですよね。
「白鳥」なんかは本当に氷の上の方が魅せてくれます。



↑大好きだったオクサーナ・バイウルのサン・サース「白鳥」

マシュー・ボーンの「スワンレイク」並みのアダプテーションと振付と演出があれば、衝撃的な新しいエンターテインメントでかつアートなパフォーマンスが生まれそうです。
今後の高橋大輔さんに期待!
けれど、そんなものを作られたら見に行きたくなる…、てかきっと見に行ってしまう…。
ますますお財布の中身と闘わないといけなくなるのか。