こんなことを思ったり。ぼちぼちかんげき。

保護猫と同居人と暮らすアラフィフがビンボーと戦いながら、観劇したものなんかを感激しながら記録。

芸のプロたちの本気の学芸会@はなしか宝塚「風と共に去りぬ」

5月7日(日)18:30〜 繁昌亭

配役/ジェンヌ名
レット・バトラー 逢坂夕陽(桂あやめ)
スカーレット・オハラ さざ波の乃(林家染雀)
スカーレットⅡ 美園章(笑福亭生喬)
メラニー・ウィルクス 高原らな(笑福亭生寿)
アシュレ・ウィルクス 新まち穂(はやしや香穂)
ピティパット 小石川みや美(桂春雨)
ベル・ワトリング 絹越うの(月亭天使)
マミー 百貫で舞(桂三金)
プリシー 片平京(笑福亭松五)

浪曲/青年ルネ/エルシング夫人 阿倍野こぶし(真山隼人)

もはや、ジェンヌ名あたりからおかしいことになっています。
(浪曲の方は本名の方が宝塚の芸名みたいだ!)
そんなおかしいことだらけの「はなしか宝塚」はまずはちゃんと落語から始まりました。

月亭天使/夫婦の花道
笑福亭松五/大安売
桂春雨/代書屋
笑福亭生喬/ヅカタツ

だったらしいです
元ネタは全く分からなかったのですが、全員宝塚歌劇にかけた創作落語なので、大変楽しかったです!
特に笑福亭生喬さんは普段は創作落語は一切やられないとのことで、創作落語を聞けるのはこの「はなしか宝塚」の場だけらしいです。
いやあ、面白かった。
ぼくはもうロミオ〜じゃない♪
タツオや!

が忘れられません笑

でも本業のこちらは今日はあくまでも前座。
本来落語4本で一時間半くらいあるのだそうですが、キリッと40分で終わらせる潔さ笑
どれだけ、後の舞台に本気か伝わります。

ところで、私、風と共に去りぬは勉強いらない、と豪語していたのですが、よくよく考えたら、宝塚の風共を生で見てるのは2回だけなんですよね
⑴1994年雪組のスカーレット編(バトラーは麻路さきさんをチョイス、というかこのバトラーを見たくて行った)
⑵2014年月組

しかもこの2回の間に20年の時が流れているのを今、書いて知りました。恐ろしい!

それなのに、今回「はなしか宝塚」で使われた曲全て歌えてしまった自分が怖いです。若かりし頃の宝塚洗脳も恐るべし!

ということで、オープニングは南部の歌からすかあれーっと、すかあれーっと♪で始まりました。
そして、この歌の最中にスカーレットから衝撃の事実を告げられます。

ここからは写真撮ってもいいのよ♡


マジですか!
ということで、ちょいちょい撮らせていただいた写真とともにご紹介。

オープニングが終わるとなんと、浪曲でストーリーを紹介!

これめっちゃ良いアイデアです!
もはや、宝塚もベルばらとかこうしたらいいのに、とさえ思いました。
ザーッと歌で物語紹介しちゃって名場面だけして、ショーはちゃんとある、とか面白いと思うんですけどね。
そんなわけで、スカーレットとレットの出会い、アシュレとメラニーとの関係、スカーレットの最初の結婚後、夫は戦死まですっきり分かりやすく紹介してくださいました。
そして、場面は、アトランタへ移ります。


桂あやめさんのバトラーが普通に格好いい!
写真でしか見たことないけれど、麻実れいさんのバトラー風味でちっちゃいけれど、風格たっぷり、色気たっぷりです。ステキ

そして、汽車からスカーレットが降りてくる、
はずが、なかなか汽車が出てこないw
大きく作りすぎたそうです。
多分、舞台稽古が出来なかったのかなあ、というハプニングはさまざま(スカーレットがアシュレにキスをしようと襲い掛かり、抵抗したアシュレの軍服のボタンにスカーレットのカツラが引っかかってなかなか取れないとか)ありました。
なので、初日と千秋楽では結構ちがったかもしれません。
でも、そのハプニングを全部即座に笑いに変えるところに落語家の真髄を見ました。
そうです、宝塚芝居は素人でも、彼らは芸のプロなのです。
客席を楽しませることについてはプロ中のプロ。

バトラー登場で揺れるスカーレットは宝塚のお約束、分身の術で、あなたと私は裏表を歌います。
の予定が、落語があったために準備が遅くなってるスカーレットⅡの笑福亭生喬さんが出てきません。
ここで普通につなぐスカーレットが素晴らしい!
なんとか、化粧も出来上がって、スカーレットⅡが登場。

はじめて、裏表の振りが結構難しいんだなと知りました笑

2人のスカーレットはとても演技は上手です。
というか、噺家ですから当たり前なんでしょうけれど、セリフが明瞭。言い方が上手い。宝塚の生徒さんたちも頑張ってもらいたいです。

でも、アトランタの娘たちが登場すると、女のコって可愛いなー、と思いました、すみません

特にお三味線を弾いていた金髪の彼女は、普通に娘役さんでもかなり可愛いレベルです!

そして、ここからは、有名な「金貨で150ドル」のシーンです。ここは外せませんね。
金髪の可愛い彼女を差し置いて、スカーレットが150ドルです笑

ところで、私、風共でやるならベル・ワトリング、てくらい彼女が好きなんですが、このベル・ワトリングを演じた月亭天使さんが素敵でした!
写真がなくてすみません。

そして、アシュレのはやしや香穂さんがマジイケメン
(因みにはやしや香穂さんは噺家ではなく三味線の方)

普通に宝塚の男役さんのようです。
本当にファンなんでしょうね。ポーズとか動き方も限りなく本物に近い。
そして、星組の天寿光希さんに似てます!
席が近かったので、そのイケメンっぷりにドキドキしました!

この辺りで私は悟りました。
やっぱり宝塚メイク、女性の方が似合う。
バトラーもステキだし、アシュレは格好良くてスカーレットの憧れの王子様という意味がとても良くわかるし、バトラーが情婦としてベル・ワトリングを選ぶのもわかります、色っぽいもの。

そんな中で、見た目にはあれなんですが、笑福亭生寿さんのメラニーが、ほんっとにメラニーだったのです。ちゃんと娘役声を作っているので、高く細い声なのに、セリフは明瞭なのが凄すぎます。
そして、メラニーの清らかさ、優しさが全身から伝わってきます。

この舞台の真髄が出たのが、戦場と化したアトランタを馬車で逃げ出すシーン。
狭いため、馬車のセットはありません。
でも椅子だけで、それをそれと見せるのは、噺家さんたちの「見立て」の技を見ました。

弱っている演技をしながら、ちゃんと揺れる生寿さんのメラニーに釘付け。凄いです。

ということで、すっかり呑まれて一幕があっという間に終わりました。

そして、休むもなくすぐに二幕が始まりました笑

二幕はタラの畑で働くスカーレット、アシュレのシーンからカーテンドレスのシーンへ。
そして、再び浪曲の登場です。
スカーレットとバトラーの結婚のくだりまでザッと歌ですっとばして、場面は揺れるアシュレとスカーレットになります。
「お聞きになった♪」があって、メラニーの死へ。
ここの生寿さんの演技も素晴らしかったですねえ。ちゃんと笑いを繰り返しながらも、メラニーとして死んでいく塩梅が、ため息しかありません。
そして、マミーがまた素晴らしいです。
宝塚だと、マミーの逞しさを出そうと無理が出たりする場合があるんですが、やりすぎ感のないさらっとしたマミーでステキでした。
プリシーは逆にもっとやり過ぎても良かったかも。公式で英真なおきさんがあそこまでやってるので、どこまでやっても大丈夫だと思うのですが。(分からない方はぜひ、1994年のTMP音楽祭をご覧ください)

そんなこんなで、あっという間にスカーレット2人の融合と「階段滑り」があって、ラストシーンはバトラーの「さよならは夕映えの中で」で幕がおります。
ここの桂あやめさんはさすがのトップスターオーラ!バシッと宝塚への愛満開で幕が閉じました。
そして、フィナーレ前のちょっとしたショーもちゃんとあるすごさ笑
本当どこまでやるんだ!笑いすぎて疲れました

ところで、前に宝塚ファントークと落語の会を聞きに行ったとき、はなしか宝塚を見て、宝塚歌劇を見に行ったという方がいた、と聞いたのですが、その意味が分かりました。
確かにこれは、元ネタ見たくなる!
元ネタ知っていても、確認したくなってしまって、帰宅してすぐに1994年のTMP音楽祭を見てしまいました←選択肢としては間違っていないと思うw

そうそう、前述のファントーク会に出演されていた立川らく次さんも飛び入りで汽車から降りてくる男Aで登場!
劇場から出たら、出演者の皆さまがメイクのまま迎えてくださったのですが、らく次さんは出演者たちから少し離れた場所でお見送りされていたので、写真をお願いする方が多数。
そして、亜美じゅんさんポーズ(私は世代的に花組ポーズとは言わないぜ!←変なこだわり)をしてくださってるところを便乗してパチリさせていただきました。

いやあ、兄さん、左手のポーズにこだわりを感じます笑
そして、宝塚メイクすると、イケメンで驚きました。いや、普通でもイケメンだと思うのですが、宝塚メイクすると、イケメンレベルがアップしていて、宝塚メイクのすごさをまた感じてしまいました。

そんな、らく次さんと生寿さんの宝塚ファントークの会が大阪で再演が決まりました。

絶賛公演中の「幕末太陽傳」の元ネタもやってくださるとのこと。
楽しみです♪

そして、来年の「はなしか宝塚」も楽しみにしております。来年は「スカーレット・ピンパーネル」じゃないかと睨む私
さて、当たるでしょうか。