こんなことを思ったり。ぼちぼちかんげき。

保護猫と同居人と暮らすアラフィフがビンボーと戦いながら、観劇したものなんかを感激しながら記録。

オトナの社交場@ジャズバー

BLUE GIANT SUPREME(1) (ビッグコミックススペシャル)
石塚真一
小学館

という漫画を借りて読んでいます。
あ、もちろん、日本編の方から読みました。
生のジャズを一度聞いてから、ジャズの虜になった主人公・大。
いつか世界一のジャズ演奏者になることを夢見て毎日河原でサックスの練習を重ね、一歩一歩、夢を叶えていくようすが描かれた作品です。

そのドイツ編が今も続いているのですが、個人的に涙なくしては読めなくて。
ジャズ奏者を目指してるのに、なんでドイツに行ってるんだ、とかその辺りは漫画にしっかり描かれていますので、良かったら読んでみてください。

そして、そういえば昔ジャズバーも行ったなあということを思い出しました。
そこは漫画の主人公・大が衝撃を受けたのとは正反対の、静かなオトナの場所でした。

音楽ジャンルとしては、実はジャズとボサノバが一番好きなので憧れの存在だったジャズバー。
でも好きなだけでちっともジャズを知らないし、音楽に精通しているわけでもないので、敷居が高いなあと思っていたのです。
けれど元宝塚雪組トップ娘役・紫ともさんが出演されるということで行ってまいりました!

(これはのちに発売された紫ともさんのCD「cheek to cheek」です)
場所は六本木の「All Of Me Club」。
(お値段とかはリンク先よりご確認ください)
普通のマンションの2階に鎮座ましましている小さなバーでした。
タカラジェンヌが歌われるということで、もっと女性客が多いかなーと思っていたら、私たちが駆けつけた22時30分スタートの3rdステージは本当に一般のお客様ばかり。
年齢層もぐっと高く、接待で来られているグループもありました。
この辺りが「ファンとして音楽を聴きに行く場所」なビルボードと違うところかもしれません。
まちがいなく、当時34才だった私か、隣席のオタク青年っぽい人が一番の若造。ちょっと緊張。
でもスタッフの外国人の女性がとっても気さくで明るくて、ちょっとほっとしました。

そうこうしている間に、バンドのおじさま3名(ドラム、ピアノ、ベース)が登場して、軽く一曲。そして、歌姫を迎えましょう、ということで、お目当ての紫ともさんの登場。
私が紫さんを見るのは、1993年以来のことなので、20年近くぶりでした。
まだ宝塚100周年前のことだったので、OG公演もそんなにさかんじゃなかったのです。

宝塚時代から、色気のある大人っぽい雰囲気の方で、大好きだったのですが、宝塚時代はあれで20代の半ばくらいだったのかと思うとすごいです。

セットリストは
・慕情
・Fly Me To The Moon
・What a Wonderful World
・Lover Comes Back To me
・???(タイトル忘れました…)
・Night and Day
イパネマの娘

と、対してジャズに詳しくない私でも知っているスタンダードな内容で、とっても耳に心地良く、楽しめました。
最後の「イパネマの娘」は、バンドのおじさまに「じゃあ、ともちゃん、ちょっと踊ろうか」と言われ、すぐに「OK」と言って、軽く踊れるところがそりゃあもう格好良くて!!!

歌も宝塚卒業されてから、ジャズをしっかり勉強されたんだろうなあという、とてもとても格好良い声と歌い方で、うっとり。
何より、あれから20年近く経っているのに、全く変わらない美しさ。
むしろ、あの頃の色気に今の実年齢が合ってきた感じがあって、細いのだけど、腕も背中も綺麗に美しく脂肪がついて、完成し熟成された「大人の美」に圧倒されました。
相変わらず頭は小さく、肌は白く、つるつるぴかぴか。
品と色気、大人の余裕と落ち着き、そして味わい。
もうまさにカクテルで言うと「マンハッタン」そのものの美しさ。
ジャズバーで歌う紫さんは本当に宝塚時代よりもずっと見た目にも声にも魅力的で、本当にその存在に魅せられた夕べでした。

その上ライブが終わった後、紫さんは1テーブルずつ回ってくださって、声を掛けてくださったのです!
ファンのこちらからすると、そんなフェアリーがこちらに降りてきてくださるなんて、て感じだったのですが、接待グループとかもいたことを考えると、こういうところが「オトナの社交場」なのかもしれません。
心地よい生の音楽とお酒&食事を一緒に楽しみながら、仕事を作っていくのでしょうね。
でも普通にど素人で、単に出演者のファンてだけでもなんの問題もなく入れましたので、何かきっかけがありましたら、ぜひ一度お試しください。

ところで隣席にオタク青年っぽい人がいた、と先に書いたのですが、絶対紫さんのおっかけだなと信じていたら、なんと劇団四季で「ライオンキング」に出演されている俳優さんだと紫さんに紹介されてしまいました
失礼極まりない
舞台やられている方はいろいろつながりがあるんですね。
でも、本当にオタク男子、な格好だったの
小さく所在なさげに座ってらしたので、まさか俳優さんだったとは

ほんと東京は本当に色んなことが起こる面白い場所でした。
そして日本の外は、もっと色んなことが起こる場所でした。
そういうところが「ブルージャイアント SUPREME」に泣かされるのかもしれません。