こんなことを思ったり。ぼちぼちかんげき。

保護猫と同居人と暮らすアラフィフがビンボーと戦いながら、観劇したものなんかを感激しながら記録。

ミスを笑いに昇華させる技@花詩歌タカラヅカ「エリザベート」名場面集

7/16(月)18:00〜 喜楽館

神戸・新開地に新しくできた寄席「喜楽館」のお祝いの一環としての催し物だったのかなと思われる花詩歌タカラヅカエリザベート名場面集」。
ものっすごい面白かったです。

まずはいつもの通り落語からはじまります。
染八「狼講釈」
生寿「タカラヅカ詣り」
染雀…後ろ面「エリザベート
松五「大安売り〜ヅカ版」
あやめ「男装エレジー
だったそうです。

生寿さんの宝塚落語を聞くのはかれこれ3回目になるんですけど、個人的には今回の「タカラヅカ詣り」が1番好みでした!
大阪駅から宝塚大劇場の客席に着くまでを「四天王寺参り」になぞって案内していくだけと言えばだけなんですけど、わかる人には「あるあるー」で、もう景色が目の前に見えましたね笑
しかしこれ、落語ファンは楽しいのだろうか。
そういう意味では、花詩歌タカラヅカ・トップスター逢坂夕陽さまこと桂あやめさんの「男装エレジー」が、宝塚を全然知らない方でも面白いだろうなという創作落語で、さすがの一言。
アラフォー女性にも希望の持てるハッピーエンドなオチも最高でした!

ということで、バタバタと40分間で落語は終わり、中入り(休憩時間)20分を挟んで、エリザベート名場面集がはじまりました。

まずはいつものように、浪曲でザッとエリザベートのストーリーを紹介。

真山隼人さんこと阿倍野こぶしさんはそのままルキーニ役で、地獄の裁判シーンがはじまります。

トートはここは林家染雀さんことさざ波 の乃さん。
今までも歌唱力には定評がありましたが、このトート役は最高です。本気で上手い!
やはりオーストリアミュージカルってクラシックよりの音楽なんだなと改めて思いました。
写真は緑色のトートの剣ですが、七色に変わって、それも面白かったです笑
そしてまさかのシシィ肖像画から飛び出す若きシシィ場面も!


なんですかね、違うことはわかっているのに、なんか生寿さんこと高原らなさんが可愛い、悔しい!
「パパみたいになりたい」はカット。続くシシィの綱渡りシーンがサイコーでした!

まさかのパペット!!
「愛と死のロンド」

が終わったあとは一気に、月亭天使さんこと絹越うのさんのフランツィとシシィのデュエットに。

歌の途中でネックレスをつけるのってけっこう難しいんだなあーとしみじみ。
ここから鏡の間がまた素晴らしかったですね。

トートもかっこいいですが、黒天使たちがダンサーさん&あやめさんの娘さんが通う高校の演劇部のみなさんで、まあ若い!ピチピチ!肌が輝いてる!若さの輝きにクラクラしました。
そして、やってきました、ゾフィーとの対決。

生寿さんの師匠の生喬さんこと、美園 章さんです。嫁姑対決が師弟対決に笑
しかし生喬さんのゾフィーは前回のシスターマーマに続いて完璧すぎましたね。
そして名曲中の名曲「私だけに」に移ります。

のに、小池版エリザベートでは大事な小道具、ナイフがない!
焦って探すシシィに裏から飛ぶ「ないんや。ないものはない!そのままやれ!」という指令に爆笑!
さらになんとか歌いきったシシィに対して、トート閣下出てくるなり、「音はずしまくりやで」のダメ出し笑

さてここで再び浪曲でのあらすじ紹介が入って、一気に「ミルク」へ行きます。

さらに場面は飛んで、1幕ラストシーンの見返りシシィへ。

あれ、シシィもフランツィもいきなり老けた?笑
そうです、なんとシシィが今度はトートをやられていた染雀さんに、フランツィはゾフィーだった生喬さんに性転換!そして、トートはあやめさんです。
ここで一幕終わり。

そして息つく間もなく二幕の始まりです。
まずは「キッチュ」から。
やりたい役とおっしゃってた一幕でシシィをやられていた生寿さんが今度はルキーニに。

そんでもって世界の美女たちがまたいいんですよ!

さらに舞台は飛んで子ルドルフのシーンへ。

なんと子ルドルフ、まさかのあやめさんの娘さん!トートと子ルドルフ、親子共演です!

さて生喬さんは今はフランツィですから、ゾフィーにはなれません。
ということで、まさかのゾフィーがこんなことに。

パペットです。
笑福亭鶴笑さんという方が素晴らしい「パペット落語」というジャンルを作り上げておられているのですが、即座にそのお名前を出してこられるところは落語ファンへのサービスでしょうか。

ということで、この密談のあとはもちろん「マダムヴォルフのコレクション」なのですが、マデレーネ役桂春雨さんこと小石川 みや美さんが、袖で必死に用意されている様子が見える席だったので、それが面白くて連写してしまいました。すみません。



最終的には無事出られて良かった!


ちなみにマダムヴォルフはリピート山中さん。
なので当たり前だけど素晴らしい歌声でした。

さて、エリザベート名場面集と聞くと誰もが思い浮かべるだろう「精神病棟」のシーン。
もちろんあります。

ヴィンディッシュ嬢の松五さんが演技がやりすぎなくて良くて、シシィの染雀さんの歌も演技もいいものだから、ここは今まで見た「エリザベート」の中でも、個人的にはかなりクオリティが高かったです。

さらに名場面集というとここは外せない「闇が広がる」

囃子方のはやしや香穂さん。やっぱりカッコいい!
がしかし、死のシーンで大事なピストルがない!!ここでまた「ないものはないんや!続けるんや!」の声のもと、芝居を続けるのですが、ここで、トートがあやめさんから春雨さんに交代。
謎のトート2人シーンができました(笑)

そしてルドルフが死んで嘆くエリザベートの元にそっと忍び寄る死(トート)。

あれ、棺桶に寝そべってるはずのトートが棺桶運んでる(笑)
そして一連のシシィとのやりとりが終わったら棺桶を片付ける律儀な春雨トート。


そうこうしているうちに物語はクライマックスに近づきます。
「夜のボート」です。

これはね、本当いいです。
横浜にぎわい座公演もこの「エリザベート名場面集」だと聞いていますので、ぜひその目と耳で味わってくださいませ。

そして、シシィの死から昇天へ。

ルキーニのナイフを傘でかわそうとするものの殺されるシシィ。そしてトートの歌の後に登場。

あれ?衣装喪服のまま?と思っていたら、シシィ自ら「白い衣装を下に着忘れたのよ!」と告げられました(笑)

とりあえず新しい劇場とのことで、いろいろ皆さん慣れていらっしゃらなくて、小道具がないとかでとちるとか、たくさんあったのですが、それを全部笑いに変えてしまうのがこの花詩歌タカラヅカの醍醐味です!!

もちろんフィナーレもありました!

すみません、座席的にJKの美しく若々しいおみ足を狙って撮ったような写真になっています(^◇^;)
でも本当JKたちはかわいかった!
そして噺家のみなさんの芸も堪能させていただきました。

残念ながらさすがに横浜にぎわい座公演は追いかけていけないので、関西から成功をお祈りしています。