3月16日(土)13:00~ シアター・ドラマシティ
エル 神田沙也加
エメット 平方元基
ワーナー 植原卓也
ポーレット 樹里咲穂
ヴィヴィアン 新田恵海
ブルック 木村花代
キャラハン 長谷川初範
セリーナ まりゑ
マーゴ 美麗
ピラー MARIA-E
イーニッド 武者真由
演出 上田一豪
初演時「言霊がかなった!」と喜んだキューティーブロンドの再演です。
そして前回「再演があるならメルパルクホール以外で」と書いていたら、なんとシアター・ドラマシティで再演になりました!いや、ほんと、言霊、すごい。
(あ、ストーリーとかは前回書きましたので、よろしければご覧ください)
もう初演に比べると同じような後ろの方の席でしたが、圧倒的に見やすいですし、初演のとき音響が悪すぎて聞き取れなかった歌詞もしっかり聞き取れました。
(ポーレットとエメットの過去もきっちり把握できた!くらい前回聞き取れなかったんです涙)
結果、大好きなこのミュージカルの音楽も堪能!シアター・ドラマシティさすがです。
そして本当に音響が悪かったんだなと痛感したのが、歌詞以上に聞き取れてなかったセリフも多かったことに気づいたことです。
その分、結果としてセリフがいろいろ気になるという欠点が見えてきました。
一番気になったのが語尾。
終わったあとに「久しぶりに現代もののミュージカル見たかも」とおっしゃっていた方がいたのですが、そうこの日本版ミュージカル「キューティー・ブロンド」では、エルはスマホを持ってるし、大学院の授業はPCで受けていたりする現代なんですよ。
そして女性がバリバリ活躍するミュージカルです。
なのにどうして語尾が古い映画の吹き替え版みたいなザ・女言葉「〇〇なのよ!」とか「〇〇されているわ」とかにしちゃったのでしょう。
その辺がはげしく残念。もっと普通の女性の話す言葉、語尾に気をつけて訳してほしかったです。
もちろん初演で嘆いた「Bend and Snap」の訳も変わっていませんでしたし、他にもちょいちょい「エロ本」とかもう少し柔らかく訳せただろうなという言葉があったのも残念でした。
この「キューティー・ブロンド」もきっと再演するたび見に行く作品になると思うのですが、同じ再演されるたびに行っちゃう「ラ・カージュ・オ・フォール」はそういうところがすごくうまく訳されているのだなと思いました。
初演より今回が良かったのは、やっぱりエメットでしょうか。
逆「プリティ・ウーマン」みたいなシーンがこの作品にはあって、それがまたこの作品の好きな部分なんですけれど、エメットがそこでちゃんと「変身」して格好良くなったのが嬉しかったです。
エメットが変身で格好良くなった分、ワーナーの動き方の未熟さがちょっと際立ってしまって、そのあたりは上流階級の男性として洗練された動き方を研究してもらいたいなと思います。
そこへいくと、神田沙也加ですよ!
もう完ぺきなんです。
もちろんエルとしても、歌も踊りも文句つけるところないうえ、初演に比べていい感じに肩の力も抜けて、余裕もできていたから、芝居の間もいい。
そのうえで、きっと彼女以上にできないだろうなというのが、動き方なんです。
いちいちかわいい。
この「いちいちかわいい」というのがエルという役をやるうえで重要だと思うのです。
とりわけ終演後のあいさつの後の舞台のはけ方がすごいんです。
すんごくかわいく歩いてお辞儀したあと、くるんとまわって、片足あげて投げキッスですよ!
こんな感じ↓↓↓↓↓の足上げに投げキッスつきですよ!
リアル・ミニーマウスな動き方を軸もずれずに自然体でかわいくやっちゃうんですよ!
もう本当、神田沙也加、すごすぎます。
さて初演から一年しか経っていないのですが、その間にずいぶんと女性が権利を発言する世の中になってきました。女性差別にも目がむけられるようになってきました。
女はこうでなければというのが薄らげば、男がこうでなければというのも弱まっていって、男性と女性の境目があいまいになって、そこに区分けなどなくなればいいなあと個人的には思っています。
「キューティー・ブロンド」はそれを夢見させてくれる作品なんです。
プレゼントもプロポーズも「したい方」がすればいい。
受け取る方も「かっこう悪い」とか「それは男の役目じゃない」なんて思わないでほしい。
「ラ・カージュ・オ・フォール」の感想のときに書きましたが、「え、昔は男同士のカップルって差別されたの?」という世の中にいつかなるといいというのと同じくらい、近い将来この「キューティー・ブロンド」を見て、「え、昔は女だからってだけでこんな扱い受けたの?てかキャラハン教授のやってることって、今じゃ普通に犯罪だよね」と言われる世の中になっていることを願っています。
ところで、今回から作品のグッズ監修が神田沙也加ちゃんになりました。
つまり本当に「思わずほしくなっちゃうもの」が並びました。
しかも作品中でエルが使っているのと同じモデルのボールペンとか、スマホアクセサリなんかも並びました。
そしてそれをご本人のインスタで紹介。
各公演分で数量を調整していたのもあるのですが、結果、入場とともにグッズ売り場に長蛇の列。そして、ものの20分くらいでほとんどのグッズが売り切れてしまったのです。もちろん、わたしも10年ぶりくらいに公演グッズを買いました(ギリギリ変えて良かった・・・)。
ということで、グッズ、改めて本当にちゃんと考案すべきだと思いましたね。
グッズの売り上げがどのくらい公演に貢献するかわかりませんが、少なくとも観客には「グッズを見て買う」というオプションの楽しみが増えるのはうれしいです。
そして今どきなので、できればカード決済もしてくれるようになることを心から待ち望んでいます。