こんなことを思ったり。ぼちぼちかんげき。

保護猫と同居人と暮らすアラフィフがビンボーと戦いながら、観劇したものなんかを感激しながら記録。

極上の幸せ@杜けあき40周年記念コンサート

8/17(土) 18:00〜 ヤマハホール

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出演者

杜けあき

ゲスト

南風まい/尾上五月(五月梨世

海峡ひろき/紫とも/鮎ゆうき/はやせ翔馬

 

杜けあきさまの芸能生活40周年ということで開かれた1日だけのコンサート。

昼の部と夜の部とあったのですが、客席数300強のヤマハホールでのチケットは即完売。

ヤマハホールの天辺からではありましたが、夜の部だけでも見られたことに感謝したい、すばらしいコンサートでした。

 

わたしは杜けあきさま(杜ちゃん)のファンなので、もう感激しかありません。

そんな感激の一部始終を書き残しておきます。

 

第一部

パラダイス・トロピカーナ

 

杜ちゃんトップ4作品目のショーの主題歌です。作・演出は酒井澄夫先生。90年7、8月の作品でした。公演中に杜ちゃんのお誕生日(7/26)があったこともあり、その日芝居、ショーともにバースデーアドリブがあって、すごく思い出に残っています。

杜ちゃんトップ時代唯一のラテンショーで、テレビ放映されなかったショーでした。

けれども本当に美しくて、楽しいショーだったので、大好きで大好きで、いつか再び見られる日が来るといいなあと思っていた、そんなわたしたちの気持ちを汲んでくださったのでしょうか。

OGショーなどでも歌われたサビの部分ではなくて、なんと幕開きのところを歌ってくださったのです。

29年前の光景が一瞬にして蘇りました。

 

基本的に海峡ひろき(ミユ)さんとはやせさんはダンサーとしてご登場。衣装もダンス用のシャツとパンツスタイル。

今ご自分のダンススタジオを運営なさっているはやせさんは男役そのままに、そして一般人に戻っていたことなんかチラリとも感じさせないミユさんのダンスもステキで、本当に感激でした。

 

杜ちゃんは今年還暦を迎えられたとのことで、赤いフワフワの生地のドレス燕尾服でご登場。

この衣装にネーミングされていたのですが、ちょっと聞き取れず残念。

ご挨拶のあと、宝塚時代の曲がメドレーで送られました。

 

【宝塚メドレー】

ブライト・ディライト・タイム

これは杜ちゃんトップ3作品目、90年のお正月公演のショーでした。作・演出は三木章夫先生。

ここも幕開きの部分を歌ってくださいました。

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当時銀橋の真ん中に立つ杜ちゃんだけにピンスポットがあたって、今回歌われたフレーズのあと、本舞台の幕が開いて、金色のスパンコールの衣装を着た雪組生たちが舞台を埋め尽くし、照明もいきなり明るく輝き、あまりのまぶしさに「うおおおおおーー!」と心の中で叫んだことを昨日のことのように思い出した瞬間でした。

 

ラ・パッション

杜ちゃんトップお披露目公演のショー主題歌です。89年の2、3月公演だったのかな?作・演出は岡田敬二先生。

これはテレビで見た限りですが、歌は6月の吉崎寺田コン

 

stok0101.hatenablog.com

でも聞いたばっかりだったので、ちょっと落ち着きを取り戻しました。笑

 

永遠の愛(ムッシュ・ド・巴里)

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これが杜ちゃんトップお披露目公演のお芝居の方で、わたしがテレビ越しに杜ちゃんに一目惚れした作品でした。

作・演出はかつて宝塚で演出家をなさっていた太田哲則先生。

この主題歌

♪あなたに憧れて、夢に見て

 見つめる瞳は輝いて

 なぜこの心はときめくの

という歌詞はもちろん杜ちゃんの役が相手役さんに向けて歌うものなのですが、まるでファンの気持ちそのもので、大好きな曲でした。

思わず口ずさんでいたら、ここで鮎ゆうきさん(アユちゃん)がご登場。

ものすごく美しくて、キラキラしていらして、杜ちゃんがアユちゃんの手を取って、アユちゃんが杜ちゃんに寄り添った瞬間、杜ちゃんもキラキラ輝いたんです!

ああ、これか。

これが杜ちゃんがアユちゃんを相手役に選ばれた理由なんだなあと涙しながら実感しました。

実力派のトップスターには、圧倒感はあっても派手さはなくて、そこをアユちゃんが本当に補ってくださっていたのです。

当時はお二人で登場されることが当たり前すぎて気づかなかったけれど、アユちゃんの輝きは周りもキラキラ光らせることを、それが杜ちゃんをもっと魅力的に魅せていたことに心から今さら感謝したのでした。

 

黄昏色のハーフムーン

杜ちゃんトップ4作品目のお芝居。90年の7・8月公演。作・演出は今はショー演出家の方を主にやられている中村暁先生。中村先生の大劇場デビュー作品で、軽いコメディーでした。

残念ながら作品としては良作とは言えず、あまり客入りもよくなかったことを覚えています。

おかげで夏休み中の中学生だったわたしは当日券がカンタンに買えて助かりましたし、軽くてかわいいコメディーは中学生のわたしには楽しく、大好きな作品の1つでもありました。

ここもアユちゃんとデュエット。

とはいえ、アユちゃんは残念ながら芸の方はそれほどではなくて、特に男役から娘役に転換したこともあり、高音域の歌は苦手でいらっしゃいました。

そんなわけでデュエットといっても、ほとんど歌う部分がないのが今さらながら残念。

でもこの作品のアユちゃんは本当にかわいくて、この時もやっぱりかわいくてキレイで、眼福のひとときでした。

 

この恋は雲の涯まで

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これが杜ちゃんトップ時代7作目の一本物。

92年の4、5月公演で76期生(瀬奈じゅんさん、貴城けいさん、大空祐飛さん、檀れいさんたち)の初舞台公演でもありました。

源義経チンギス・ハーンである、という仮説を基に作られた作品で、再演物でした。作・演出は植田紳爾先生。

トップ娘役のアユちゃんが、6作目で退団なさったので、ここで満を辞して紫ともさん(トモちゃん)が相手役に。

色気と実力を兼ね備えた相手役さんが来てくれて本当に嬉しかったことを思い出します。

トモちゃんとはデュエットもしっかり。

またトモちゃんは現在ジャズシンガーでもあるので、当時よりさらにパワーアップした歌声を披露してくれました。

 

スイート・タイフーン

杜ちゃんトップ時代5作目の洋物ショー。海外公演の試作ということで、日本物ショー「花幻抄」、二番手の一路真輝さん主演の短いお芝居「恋さわぎ」とともに上演されました。91年2・3月公演で、作・演出は三木章雄先生。

正直ほとんどプロローグしか記憶がないのですが、そのプロローグを模した布陣でミユさんとはやせさんが踊ってくださり、感動。

 

清く正しく美しく

宝塚の記念式典では必ず歌われる曲ということで、南風まいさん(マイマイ)が美声を轟かせてくださいました。

お昼の公演でまちがったホール名を言われたらしく「このヤマハホールヤマハホールで歌えて光栄です」とお話ししていらしたら、杜ちゃんが黒スパンコールのタキシード風お衣装で再登場。

めちゃくちゃマイマイに突っ込んでらしてました笑

 

ここで早月さんを除く出演者、演奏者全員の紹介があり、今回は南風まいさんと杜ちゃんのデュエットがないことを早々に告知。

おふたりのデュエットはディナーショー待ちってことでしょうか。残念。

そして次のコーナーからお芝居混ざりで当時を再演という形になりました。

 

【メモリアルin宝塚】

ヴァレンチノより

★アランチャ

★ラテン・ラバー

小池修一郎先生のバウデビュー作ですが、わたしが見ているのは再演のほう。

トモちゃんが相手役だったので、それだけでも見られていてよかったなあとしみじみ。

アランチャを少し歌って、ザクっとヴァレンチノのストーリーをセリフ形式で紹介。

「ある女性との出会いが人生を変えた」と今回のために作ったセリフがあり、ルディがジューンに歌う「アランチャ」がはじまります。

セットはもちろんありません。小道具は杜ちゃんのもつオレンジの枝だけ。

トモちゃんのセリフ間違いに杜ちゃんのツッコミもありました。

それでも、わたしが見たルディとジューンがそこにいて、というか、むしろジューンは今のトモちゃんの方がジューンにそぐわしくて感涙。

「チャオ、ジューン!」と劇中のセリフのままに去っていくルディ。

そして続く「ラテン・ラバー」。完ぺきでした。

 

天守に花匂い立つより

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★相合傘

天守に花匂い立つ

ここは先に杜ちゃんがアユちゃんとともに再登場。

90年お正月公演だったこの作品。先日お亡くなりになられた柴田侑宏先生の作・演出でした。柴田先生の作品としてはけっこうレアなアテ書き娯楽作品だったのではないでしょうか。

柴田先生のお名前で本日深紅のバラの花束が届いたことをご紹介、そして、柴田先生の思い出話しがありました。

この作品の頃から柴田先生の目はかなり見えなくなってきていたとのこと。「忠臣蔵」のときはすでに全く見えない状態だったそうです。

でもそんなしんみりしたエピソードのあと、おちゃめなエピソードをアユちゃんがご紹介。

この作品の主人公は杜ちゃんの故郷・仙台藩の藩主の嫡子で「加納真之介」という名前だったのですが、これが杜ちゃんの本名「狩野」から取られたということは当時から有名でした。

そうなるとアユちゃん演じる「ゆき」はどこから?というお話になりました。

真之介のセリフがすごく「ゆき」に対してまっすぐ愛を語るものが多かったので、杜ちゃんが「当時高嶺ふぶきちゃんがユキちゃんって言ってたんですけど、彼女が自分のことだと言い張ってたし、『ゆき』という名前のファンの方からよくありがとうございます、って言われた」というエピソードをご紹介。

アユちゃんはアユちゃんで「鮎ゆうきのゆうきを短くしたのかも」と思われていたそうです。

でも昨年杜ちゃんがパーソナリティをつとめられていたラジオ番組に柴田先生が登場されたのを聞かれてはじめて、「『ゆき』は柴田侑宏の『侑』からとられたことを知った」とのこと。

「どうりで先生、おけいこ中『照れるわー』てよくおっしゃってたはずだよね」と杜ちゃん。

わたしはラジオを聞いていたのですが、今さらながらこの作品の真之介のセリフは「柴田先生が自分が女性だったら言ってもらいたい言葉集」だったのかもしれないということに気付きました。

そんな柴田先生の愛が詰まったこの作品は、ラストシーン前の真之介とゆきのラブラブなセリフからはじまるということで、「今日客席に(アユちゃんの)旦那さん来てるけど大丈夫?」なんて杜ちゃんからの絡みがあって、懐かしくも愛おしいセリフから「相合傘」へ。終わって主題歌へと続きました。

 

小さな花がひらいたより

★夕焼け小焼け

★小さな花が開いた

★もう涙とはおさらばさ

何度か再演されている作品ですが見たことがなく、一度見なきゃなあと改めて思いました。

これも柴田先生の作品。山本周五郎の「ちいさこべ」が原作です。

これの81年星組版にマイマイが出演されていて、新人公演ではヒロインを務められたこともあり、マイマイは大好きな作品のようですね。

ここには杜ちゃんは登場せず、マイマイが作品の説明をされて、子どもたちの役をミユさん、トモちゃん、はやせさんが演じられました。

マイマイも歌唱も演技ももちろんさすがでしたが、トモちゃんの子役がかわいくて!

声もこまっしゃくれた女の子なんですよ。

(同じ柴田先生作品「大江山花伝」のふじこ役を思い出させるかわいさでした!)

ミユさんもはやせさんもかわいい子供たちを違和感なく演じ切っておられました。

 

そして杜ちゃんとアユちゃんの再登場。

「稽古はじめた当初はどうなるかと思ってたけどみんなすごい!全員人生半世紀以上も生きてるなんて信じられない」と一言(笑)

アユちゃんはデイジー風のヘアスタイルにチェンジされていて、お二人にとっても大事な作品について語られました。

 

華麗なるギャツビーより

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★デイジー

★朝日の昇る前に

杜ちゃんのトップ時代6作品目にして、アユちゃんのサヨナラ公演でした。

作・演出は小池修一郎先生。91年8・9月公演でした。

以前スカイステージで「演出家と語る」という番組に小池先生と杜ちゃんが出演なさったときに、バウデビュー作「ヴァレンチノかギャツビーか」と提示して、結局「ヴァレンチノ」になったとお話しなさっていました。

そのお話しをここで杜ちゃんからご紹介があり「よくギャツビーを待ってくれた。アユちゃんを待ってくれてたんだよ。アユちゃんだから、(ギャツビーの)セリフにウソがないのよ!」と力説。

謙遜するアユちゃんでしたが、こちらも心の中でその通りだなあと思っていました。

「君は薔薇よりも美しい」という名セリフがあるんですけれど、見ているこちらも「その通り」と頷くしかなかった美貌のデイジー

その全く衰えない美貌のままのデイジーがいて、初演から今までに宝塚と東宝で一度ずつ再演がありましたが、やっとホンモノのデイジーに再び出会えた、と思いました。

このお話しの前にも「映画を見てどう思った?」というトークもあったのですが、杜ちゃんは「これやるのかー。ロバート・レッドフォード、カッコいいな」という軽い感想。

対するアユちゃんは、デイジーが空虚で純粋で傲慢で、女性の内面の全てを持っていて、そのまま演じると「ヒドイ女」になってしまう、宝塚のヒロインがこれでいいのだろうかとかなり戸惑ったとのこと。小池先生が宝塚風に柔らかくしてくださってよかった、とおっしゃってました。

でも小池先生の柔和したところは原作と比較してもそこまで違えた訳ではなくて、最後墓参りに行くか行かないか、が1番違ったくらいだと思うんですよ。

だからあのデイジーの魅力はひとえにアユちゃんの美貌と努力の結晶だと思います。

 

再現シーンは、デイジーが事故を起こした後の2人の銀橋の場面。

運転していたのはぼくだ、というギャツビー。

そうしたらあなたが犯罪者になってしまうと嘆くデイジー

少しの間とちょっと切ないトーンを帯びてギャツビーが少し笑みを浮かべながら「裏街道にはなれているんだ」という。

デイジーには告げたくなかった真実。

わずかのセリフの間とトーンでその心の内を表現してしまう杜ちゃんの演技のすばらしさ。

今さら信じてもらえないかもしれないけれど、あなたが好きよ、と告げるデイジー

言う瞬間にはデイジーにはウソはないのでしょう。だって身代わりになってくれるのだから。

これからの自分の人生は空虚だけど変わらず豪華で贅沢なものだから。

そのデイジーの言葉をまんま受けたギャッビーが、このコンサートだけのセリフとして「ぼくは銃弾に倒れることになった。でもぼくは幸せだ。ぼくはこの死によって永遠に彼女の中で生き続ける」みたいなことを言ったのです。

当時見ながら、ギャツビーは幸せな最期をむかえたと感じていた自分は間違ってなかったんだと改めて思いました。

杜ちゃんがそういう気持ちでギャツビーを演じていたことがわかってよかったとともに、「ギャツビーってバカだ。本当にバカだ」と「朝日の昇る前に」を聴きながら涙せずにはいられませんでした。

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だって確実にデイジーはギャツビーを忘れるからです。

都合の悪いことは忘れるんです。

デイジーにとってギャツビーはちょっと大き目の自分が足蹴にしてきた石の1つでしかないから。

摩利と新吾」のエピソードの中で、戦争未亡人が「バカも貫きとおせば本物になるんですよ」というシーンがありました。

バカを貫き通したギャツビーの人生が、あまりにも鮮烈で、本物の愛だったとギャツビーだけが信じているのが哀しく愛おしくて、だから今でもずっと捕らわれているのかもしれません。

 

戦争と平和より

★生命こそ愛

ここはマイマイのソロ歌唱。

素晴らしいの一言。

 

忠臣蔵より

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★花ひとつ

★花に散り雪に散り

杜ちゃんのサヨナラ公演でかつ、旧宝塚大劇場の最後の作品でした。92年11・12月公演。

作・演出は柴田先生。

再度、杜ちゃんとトモちゃんがご登場。

当時の思い出がいくつか語られましたが、印象的だったのは、大石内蔵助役のとき、組子から稽古場の外でも「ご家老」と呼ばれるのだけが抵抗あったとのこと。今までも役によって「殿」とか呼ばれたけれど、スーパーで会ったときに下級生から「ご家老」と呼ばれたときは「本当、外でご家老だけはやめて」とお願いされたそうです。笑

「花ひとつ」はトモちゃんとのデュエットだったのですが、この作曲が今回ピアノで参加されていた吉田優子先生の大劇場2、3作目の作品ということが紹介されました。

吉田優子先生も杜ちゃんと同期入団とのことで、吉田優子先生の芸能生活40周年記念でもありました。

忠臣蔵」という男っぽい作品の中で、仇同士の男女が一夜をともにした後の歌であるこの曲が匂いたつように色っぽくお好きだそうです。

大石内蔵助がトモちゃん演じる間者のお蘭に名前をきくくだりからセリフの再現があり、この曲が歌われました。

アユちゃんとは、もともとデュエットがほぼない作品ばかりだったので、トモちゃんとのデュエットを堪能しました。

そして主題歌へ。

杜ちゃんの宝塚人生とともに一部が終わりました。

 

第二部

オーバーチュア(音楽演奏のみ)

祭り

深川(舞踊)

「祭り」は先述した「花幻抄」の中で使われた曲で杜ちゃんは客席からご登場。

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二階席だったのでほとんど見られなかったのが残念ですが、その分歌声と楽器演奏を楽しみました。

そして同じ作品の中から「深川」を同期生の尾上五月(五月梨世)さんと踊られました。

当時の公演では松本悠里先生が踊られたパートを現在日本舞踊の教師をされている五月さんが踊られました。

チャキチャキしたリズミカルな舞踊なので、個人的には松本悠里先生よりも元々男役だったという五月さんの方が、踊りの性質上とてもあっていたと思います。

杜ちゃんも気楽なのか伸び伸び踊られていました。

 

Here's To You

あなたを見つめると

お着物での舞踊だったためここからはマイマイが二曲続けて歌ってくれました。

「あなたを見つめると」はスカーレット・ピンパーネルの曲でなのですが、すごかったです。

マイマイの声って楽器のように響くんですよね。もちろん情感もたっぷりで、ステキなマルグリットがそこにいました。

 

ここでミユさん、トモちゃん、アユちゃん、はやせさんも登場。

それぞれに杜ちゃんとの思い出話がありました。

アユちゃんは相手役あるあるの、キスシーンで杜ちゃんの鼻の頭に赤い口紅をつけてしまったお話しでした。

トモちゃんの思い出話がなんと「はばたけ黄金の翼よ」の新人公演のときのことで、そうかこの2人が新人公演のヴィットリオとクラリーチェだったのかと感慨深く聞きました。

ミユさんのお話しがユキちゃんのお名前も出てきたのですが、忘れてしまったのが残念。

というかミユさんの「華麗なるギャツビー」のトム・ブキャナンが大好きだったので、ミユさんも交えて再現シーンもほしかったとか贅沢なことを考えてたからぽこっと抜けているのかも(^◇^;)

そして杜ちゃんが大好きな曲をみんなで歌いますってことで次の曲が歌われました。

ビューティフル・ラブ

マイマイのソロ歌唱から次々歌い継いで、最後コーラスになるんですけれど、マイマイの声量に他のみんながついていけないため、マイマイがグッと声量を押さえたのがすごかったです。

きっと宝塚で歌ってらしたときは、ソロ以外はいつもそうされていたんでしょうね。

 

杜ちゃんが白いドレスに着替えてご登場。

この道を

これは小田和正さんの歌で、一目惚れならぬ、一聴き惚れされた曲だそうです。

 

大根役者

これは当時バウホールでのシャンソンコンサートで、割り当てられた曲だったそうなのですが、すごく「役者バカ」な曲で、とても杜ちゃんらしいステキな歌でした。

 

That's Life

前述の「ブライト・ディライト・タイム」のフィナーレ大階段で歌われた曲。

この頃は今のようにショーのフィナーレテンプレートがなくて、杜ちゃん時代の雪組はデュエットダンスはなくて、杜ちゃんの大階段ソロ歌唱で終わって、階段降りになる流れでした。

三木先生のつけられた歌詞がステキで、わたしも当時ラジオを録音して、辛いことがあったら部屋に閉じこもって何度も何度も聞いて、がんばろうと立ち上がった曲ですが、杜ちゃんにとっても大事な一曲で、サヨナラショーやCDはじめ、今も歌い続けられている曲です。

この曲の中で

♪夢を捨てるやつ、拾うやつ

という歌詞があるのですが、聞いていた当時は「夢を拾うやつ」になるために命燃やして立ち上がって生きていくんだ、と思っていたのに、結局「夢を捨てるやつ」になったなあと感慨深かったです。

 

ここで全てのセットリストが終了。

でももちろん拍手は止まなくて、アンコールで歌われたのが、これからずっと歌っていきたいと紹介された曲でした。

My Life

なんと萬あきらさんの訳詩だそうです。

 

現役時代、杜ちゃんがあまりに厳しくて組子がついていけないというウワサは聞いていましたし、実際にラジオとか聞く限り、難しそうな方だなあと感じてもいました。

でも40周年にあたって、同期生はともかく、相手役さんお二人に下級生お二人が出演してくださって、さらに上級生の訳詩の歌を歌われる杜ちゃんを見ながら、杜ちゃんが心血をそそぎ、最上級のパフォーマンスを魅せるために本当に努力されていたんだなと思いました。

だから時間が経っても、当時の近しい人たちが集まってくれる。

時間が経ったから、かもしれませんが、あの頃には見えていなかった杜ちゃんの姿が見えたような気がした最高の時間でした。

杜ちゃんが「身体が動くうちにできてよかった」とおっしゃっていましたが、本当に生きていてくださって、歌える声が出て、コンサートをやり遂げられる体力があるときにこの時間をくださったことに、ただただ感謝しかないひと時でした。