こんなことを思ったり。ぼちぼちかんげき。

保護猫と同居人と暮らすアラフィフがビンボーと戦いながら、観劇したものなんかを感激しながら記録。

ラ・カージュ・オ・フォール

2月4日(土)17:30~ @梅田芸術劇場

アルヴァン(ザザ)市村正規
ジョルジュ 鹿賀武史
ジャン=ミッシェル 原田優一
アンヌ 愛原実花
ジャクリーヌ 香寿たつき
ダンドン夫妻 今井清隆森公美子

1999年度版、2008年度版に続き三度目の観劇。
演出は2008年度版と変わらないし、キャスティングもメインキャストはジャン=ミッシェルとアンヌのみの変更なので、殆ど変わらない舞台と言えよう。
指揮者が1999年度と同じ塩田先生になり、観客もこの「ラ・カージュ・オ・フォール」を愛しているのをヒシヒシと感じる熱い空間に身をおけたことが本当に幸せだった。
塩田先生が客席を乗せて、客席が乗ると出演者も乗って、その結果、カーテンコールを含めて終演時間が30分も押す結果となった。
その分、やりすぎ感や間延びした感はもちろんあったけれど、だからといって、この作品が損なわれるということはない。
笑い、心打たれ、本当に楽しい舞台で、改めてこの作品が大好きだと思う。

前回も書いたけれど、私がこの作品を最も好きな部分はアルヴァンとジャン=ミッシェルの関係なのだな、と改めて思った。
と言うのも、前回の山崎育三郎はとても可愛くて、その笑顔一つで全てを通してきた感じがとても納得できて楽しかったのだけど、逆に今回原田優一がそれほど容姿に恵まれたタイプでなかっただけに、アルヴァンに十分に愛されて育った子だからこそ、あれほど自分勝手に振る舞えるのだ、ということを山崎育三郎より痛感させたのだ。
だから、甘ちゃんのおぼっちゃまであるジャン=ミッシェルが、一連の騒動を経て、アルヴァンに謝罪するところはしみじみ感動的だった。
親子のつながりや信頼や愛というのは、血のつながりではないのだ、と。
そして、色々を越えて、あのアルヴァンとジョルジュのラストシーンにつながるカタルシス
あのシーンのアルヴァンの美しさ、可愛らしさは本当に素晴らしく、やはりこれは市村正規の代表作だと痛感した。
アンヌ、愛原実花は全体に堅かったけれど、とりあえずアンヌの最大の条件であるくるくる回れるは満たしていたし、お嬢様らしさはあった。ただ、最初のジャン=ミッシェルの歌の中での登場はもう少し夢のように軽やかな存在でいてほしかったとは思う。