こんなことを思ったり。ぼちぼちかんげき。

保護猫と同居人と暮らすアラフィフがビンボーと戦いながら、観劇したものなんかを感激しながら記録。

妖しの美を堪能する@南座「三月花形歌舞伎(松プログラム)」

3/17(日)15:30~ @京都南座

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〈乍憚手引き口上〉(はばかりながらてびきこうじょう)

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↑左のゆるキャラ南座マスコット「みなみーな」。初めて知りました。

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近松門左衛門歿後三百年
近松門左衛門 原作
近松半二 改作
中村鴈治郎 指導
心中天網島
一、玩辞楼十二曲の内 河庄(かわしょう)
紙屋治兵衛 尾上右近
粉屋孫右衛門 隼人
丁稚三五郎 吉太朗
河内屋お庄 菊三呂
紀の国屋小春 壱太郎


二、忍夜恋曲者(しのびよるこいはくせもの)将門
傾城如月実は滝夜叉姫 壱太郎
大宅太郎光圀 隼人

 

Jホラー歌舞伎ですっかり大好きになった中村壱太郎さんの美しい滝夜叉姫が、SNSに何度もPRが表示されて「これは…行くしかないか」となった花形歌舞伎。

今回は松プログラムと桜プログラムが用意されていて、でもお目当ての滝夜叉姫は壱太郎さんシングルキャストだったので、演目よりも日時で選びました。

そうしたら開演すぐに壱太郎さんが客席から登場してくださって、いろいろグッズのアピール(筋書を「プログラム」と言ってらしたのも好感)やら、演目の解説やらしてくださって、最後に写真撮影タイムまであって、テンションマックスになったのがいけなかったのでしょうか。

一部の「河庄」、セットもキレイで壱太郎さんの遊女もかわいかったし、近松門左衛門なので、あるあるの「遊女と男の心中物」になりかけるまで、のお話しで面白かったのですが、途中で寝てしまいました・・・本当にすみません・・・。

(一応目覚めたところから見ても話の筋はきちんと分かりました。同行人に聞いたところ、治兵衛がアクシデントでちょっと見せ物みたいになるシーンがあったそうです。)

そんなわけで途中、寝ていた身であれこれ言うのもなんなんですが、右近さん演じる「治兵衛、とんでもねえヤツだな」って感想になってしまいました・・・。

(妻と子どものいる身で遊女と心中しようってのがもうなんか許せない)

春ちゃんに「そんな男のどこがいいんだよ!」と思わず言いたくなる上方歌舞伎ならではのダメ男っぷり。

でもそんな治兵衛でさえマシだという「こいつに身受けされるくらいなら死んだ方がマシ」となるお客をとらなきゃいけない遊女の身の上が本当に切ない。

最後ずっと泣きっぱなしの小春ちゃんが可哀そうで可哀そうで、イヤホンガイドお得意の「この先に〇〇があるのですが、それはまた次の機会で、今日はここで幕となります」的なことを言われたときに、久々にこの続きを見せてくれ、と思いました。

 

で、お目当ての二部です。

なんと客電が全部落ちて現れたセットが渋くて格好良い!

そして江戸時代さながらのろうそくの炎だけに照らし出されて、スッポンから浮き上がってきた滝夜叉姫のなんとも妖しく美しいこと!

滝夜叉姫は平将門の娘という設定なのですが、平将門平安時代前期の人であることを始めてきっちり認識しました・・・。

基本的に義太夫が語り、滝夜叉姫と大宅太郎光圀の舞踊がほとんどなので、ただただその美に酔いしれることができて、後半は引き抜き、派手で身体能力を堪能できる立ち回り、さらにセットの大仕掛けと歌舞伎の醍醐味が45分に詰め込まれたいい作品でした。

壱太郎さん、遊女は普通なのに、なぜかこういう妖しい役のときの色気がすごいし、こういう役になるとなぜか「美」が輝くのです。

対する隼人さんは普通に体格のいいイケメンなので、絵面も大変よく楽しみました。はじめて歌舞伎の人にもきっと楽しい!のでオススメです。

私が寝てしまった前半の芝居もぜひ楽しんでください・・・。

ちなみに桜プログラムは前半が「女殺油地獄」なので、歌舞伎の演出のエンターテインメント性を感じるには、桜プログラムの方がいいかもです。

というのも「忍夜恋曲者(しのびよるこいはくせもの)将門」のラストシーンの舞台写真がほしい!もう「これは絵か!」くらいの、素敵なビジュアルで幕だったのですよ!

(ブロマイドと登場シーンの滝夜叉姫の舞台写真はしっかり買いました!

アクスタはもうワンサイズ小さかったらほしかったのだけど、持ち歩くには大きなと。壱太郎さんはトイレに飾ってくれてもいいっておっしゃっていたけれど、持ち運んで写真撮りたい派なので、松竹さまご一考ください)

舞台写真は終演後は売っていなかったっぽいので、通販はじまったら再度確認したいと思います。

SHOCHIKU STORE | 松竹ストア松竹歌舞伎屋本舗/歌舞伎ブロマイド/2024年3月 南座 三月花形歌舞伎グッズ・ブロマイドSHOCHIKU STORE | 松竹ストア

目に見えない「心」を見せるために@世田谷パブリックシアター「う蝕」

3/9 17:00~ @兵庫県立芸術文化センター 中ホール

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スタッフ
【作】横山拓也
【演出】瀬戸山美咲
【美術】堀尾幸男
【照明】齋藤茂男
【音響】井上正弘
【衣裳】髙木阿友子 

キャスト
坂東龍汰 近藤公園 綱啓永正名僕蔵 新納慎也相島一之

 

う蝕とは虫歯のこと、らしいです。
けれどこの作品で登場する「う蝕」は、虫歯のようにいつの間にか大地を蝕み、陥没させ、上にいた人間を落としてしまう災害のことでした。
何であれ「命が失われること」に私たちは心に傷を負うのかもしれません。
それが自然災害であると、何も出来なかった、自分だけ安全な場所にいた、さらに失われた命に遠隔的にでも自分が関与していると感じてしまう場合、罪悪感が押し寄せてくることがあると想像します。
2021年の朝ドラ

の前半で描かれたのも、言葉にできない「罪の意識」だったような気がします。
朝ドラの主人公が、どうしても言葉にできなかった思い、その思いが出来上がるまでの思考回路を演劇という形で言葉にしたような作品だと、私は受け取りました。

「う蝕」が起こった本土から離れた「コの島」で、せめて災害死した人たちを特定し、遺族に戻そうと島の歯科医が、その作業を手伝ってくれる歯科医を要望して、そこに二人の歯科医がやってくる。その後、2回目の「う蝕」が起こる。見つかっていた遺体も、カルテも何もかもが土の下に沈み、それを掘り返し、改めて作業をしたいと願い、土木作業員を要請するものの、やってきた役員はどこか不自然で不気味。さらにもう一人、先に来ていた歯科医に「コの島」行きを変わってもらったという歯科医が、状況を確かめるためにやってくる・・・。

冒頭の緊迫感のあるアナウンス台詞から続く不気味な音、その後の暗転による暗闇からはじまるのですが、深刻な災害が起こったとは思えないほど、鷹揚な会話が多い作品でした。その言葉の中に「何があって、何がないのか」という会話がありました。
「目に見えないもの」を「ある」とするのは何なのか。「愛」という言葉はあるけれど、その存在証明はできない。「死」はある、けれど「死後の世界」はあるかどうか分からない、では「心」はどうだろうか。
そんな会話を聞いて見ながら考えているうちに、「目で見えていること」を「ある」ことにしていた自分に気づかされる展開になったのです。
宝塚版「ロミオ&ジュリエット」を思い出させる問いに、さらに「リトル・ショップ・オブ・ホラーズ」でサディストの歯科医を演じていた新納さんが、その役を思わず思い出させてしまうようなやり取りをするシーンもあるのに、「Next to Normal」と同じ仕掛けに気づかなかった自分が悔しいし、さらに仕掛けがわかった後にもう一度見たかったと思います。
そして改めて「人の心」というのは解明されていない闇で、それを表現するのに演劇というか、舞台というのは割と有効な手立てなのだなと思いました。
ただそこに囚人を登場させて「人間の尊厳」の話が絡んでいくよりも、どちらかということ「心の問題」だけにフォーカスした方が、もしかしたら、より興味深い作品になったような気がしています。

作品の中で「考えるのをやめたいから祈る」というような言葉があって、それが個人的には衝撃でした。
私は、このような哀しい災害、事故、事件、他国での戦争などについて、自分に直接被害がなく、できることが見当たらないとき、唯一のできることとして募金とともに「祈り」を捧げてしまいます。
祈る、という行為は「できる」けれど、「祈り」という「念」は存在証明のできない、無力で何にもならないことなのかもしれない、と思ってしまいました。
けれども多分「祈る」ことは、心を癒す、ことはあるような気がします。ただ癒してくれるのは祈っている自分だけで、そうすると、こういった他者の悲劇に「祈る」のはどうなんだろうか、という私の中の「問い」を見つけた作品でもありました。

 

セットは割と大がかりなのですが、一度だけ、1回目の「う蝕」後のシーンになって、他は変わらないので、あそこまで大きなセットを作る必要はあるのかなと思いましたし、何を表現したくてあのセットになったのかが、私は受け取ることができずに残念です。もしセットをシンプルに出来て、チケット価格が抑えられるのなら、この公演は2回見てもらう仕掛けの方がいいと個人的に思いました。
衣装の方はシンプルだったのですが仕掛けが分かりやすくしてあって、だから衣装で気づけなかった自分もまたちょっと悔しくなってしまいました。(あと新納さんの衣装がめちゃくちゃ可愛くてお似合いだったので、ファンとしては嬉しかったところもあります!笑)
キャストについては、近藤公園さん、正名僕蔵さん、相島一之さんの手堅い芝居に、多分セリフのテンポも間も一番難しかっただろう坂東龍汰さんがよく頑張っていたな、という印象でした。そして綱啓永さんはこの公演をきっかけに、舞台に立つ上での身体の動かし方というところを意識してくださったらいいなと思います。
役と本人は別物で、本人の経歴なんてものは観客には関係ないことなんですが、今回、災害によって心の痛みを抱える役を新納さんが演じていたことは、少なくとも私にはより響くところがありました。
新納慎也さんは19歳のときに神戸で「阪神・淡路大震災」を体験されています。
それがどのような体験であったかは存じませんが、大阪に暮らしていた私とは違う景色を見て、違う体験をされたことは、この時のブログから推察しています。

ameblo.jp

ameblo.jp

その新納さんが語る「心の持っていきようのなさ」は、多分、必要以上に重く私に届いてしまったとは思っています。
しかも私が見たのは「兵庫県立芸術文化センター」で、これが建つ西宮市は阪神・淡路大震災で大きな被害を受けました。それから10年後に復興のシンボルとして作られたのがこのホールだったのです。

8月号 芸術文化の発信拠点 兵庫県立芸術文化センター10年のあゆみ|西宮市ホームページ

阪神・淡路大震災25年事業 西宮市歴史資料写真展「まちが変わる まちを変える」|西宮市ホームページ

私は残念ながらこのホールが出来る前の西宮北口を知りません。
このホールが出来てから、よく訪れるようになった場所で、そこそこの数の作品をこのホールで見てきましたが、このホールができる前、のことを考えたのは、この作品が初めてでした。
そういう意味でも、この作品をこの「兵庫県立芸術文化センター」で上演した意味はあると思います。
そして、東日本大震災から13年目を迎えた今日、限られたことでも、小さなことでも、自分にできることをしていきたいと思っています。

和希そらによせて@宝塚雪組「ボイルドドイルオンザトイルトレイル」「FROZEN HOLIDAY」

12/6(水)13:00~ @宝塚大劇場

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Happy“NEW”Musical
『ボイルド・ドイル・オンザ・トイル・トレイル』
-Boiled Doyle on the Toil Trail-
作・演出/生田 大和

※11月10日~30日、12月7日11時開演、12月8日~10日の公演は中止。

わたしがこのとてつもない日に大劇場で観劇したのも、そもそもが元々の11月の観劇日が全て中止になり、最後に残った12月の観劇日がお取次ぎなし、となったためでした。

しかしながらお取次ぎなしの日も最終的に公演中止となり、観客側としては最後のお気楽な気持ちで見られる大劇場公演だったのか、と思うとなんとも言えない気持ちになります。

そんなわけで感想を書くつもりもなかったのですが、2/11に無事東京公演の千秋楽を配信で見て少し安心したこともあり、簡単に記録しておこうと思います。

キャスト

アーサー・コナン・ドイル 彩風 咲奈    
ルイーザ・ドイル 夢白 あや    
シャーロック・ホームズ000 朝美 絢    
ハーバート・グリーンハウ・スミス 和希 そら
ウィリアム・ブート 諏訪 さき
シドニー・パジェット    眞ノ宮 るい    
ウォルター・パジェット    咲城 けい
ビアトリス・エリザベス・B・ハリスン 音彩 唯
ミロ・デ・メイヤー教授    縣 千
アーサー・バルフォア    華世 京            
チャールズ・ドイル 奏乃 はると    
メアリ・ドイル    妃華 ゆきの    
ロティ・ドイル    野々花 ひまり    
コニー・ドイル    華純 沙那        
雑誌売りの少年(ノエル)    愛羽 あやね    
シャーロック・ホームズ001(老人)天月 翼    
シャーロック・ホームズ002(老婆) 愛 すみれ
シャーロック・ホームズ003(牧師) 叶 ゆうり
シャーロック・ホームズ004(水夫)    紀城 ゆりや
シャーロック・ホームズ005(阿片窟の男)    蒼波 黎也        
シャーロック・ホームズ006(馬丁)    絢斗 しおん        
シャーロック・ホームズ007(物乞い) 夢翔 みわ        
シャーロック・ホームズ008(司祭)  霧乃 あさと        
シャーロック・ホームズ009(配管工) 風立 にき        
シャーロック・ホームズ010(船長)  苑利 香輝  

プログラムに「宝塚は四世代が楽しめるものでなくちゃならない」という大先輩の言葉から、「あるべき楽しさを追い求めて」この題材を選んだ、と書かれていたのですが、それって本当に難しいのだな、と痛感した作品でもありました。

肩書きに「Happy」と入れてあるのだから、「ベイジルタウンの女神」のように、「Happy」に徹した方がよかったような気がします。

つまりドイル家の事情はばっさりカットして、せっかくシャーロック・ホームズが11人もいるのだから、それぞれの活躍シーンを作って、「シャーロック・ホームズ」のエピソードの見せ場をショー的に見せながら、読者がキャーキャー言っているようなシーンの方が見たかったなと思ったのです。

そしてそんなシャーロック・ホームズたちに翻弄されながらも、最終的に和解するコナン・ドイル、くらいの軽いストーリーでよかったと思うのですが、ドイル家のシリアスな状況や、シャーロック・ホームズに狂乱するファンたちをしっかりと描いたために「Happy」になり切れなかったな、という印象でしたし、なにより11人いるシャーロック・ホームズがほぼモブで、いる意味がないのが、本当にもったいなかったように思います。

それでも衣装もセットも可愛らしかったし、シャーロック・ホームズたちの登場シーンのショー感、コナン・ドイルがワトソンくんであり、最終的には物語に入ってモリアーティになるという使い方も大変興味深く、味付けとして面白いところも多々あっただけに、毎回生田先生の作品は同じ感想になって申し訳ないんですが、「惜しい」。この作品に限っては「たいぶ、惜しい!」と思ってしまいました。

それでも和希そらの卒業公演として繰り返してみるには苦にはならないくらいの出来だったので、大劇場でそれができなかったのは、ただただ残念です。

 

そんな芝居よりも時期的にもっと残念だったのがショーでした。

Winter Spectacular
『FROZEN HOLIDAY(フローズン・ホリデイ)』
-Snow Troupe 100th Anniversary-
作・演出/野口 幸作

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中詰めまでずっとクリスマスメドレーなんですよ。本来11月初旬から12月半ばまで聞くには楽しかったと思いますし、わたしなんかはどんぴしゃの時期に見たので、それなりに楽しく見れましたが、東京公演の特に後半くらいはもう季節が節分からバレンタイン商戦に動く時期なので、この前半戦はかなりキツイんじゃないだろうか、と思ってしまいました。

中詰めで正月が来て、そこから急に雪組100周年の内容になるのもぶった切り感があって、ううーんという感じだったのですが、最後の「人生のメリーゴーランド」の作り方が素晴らしかったので、終わり良ければ総て良し、な力技を発揮したショーだったなと思います。

何より和希そらの餞別シーンは本当に素晴らしかった!歌もダンスも素晴らしくて、その上で「泣かないで」とか歌われても泣くわ!状態でした。

なので、そこから急に正月な中詰めになっても気持ちが切り替わらない!

泣いたまま正月迎えた気分でしたが、まあそれはそれでしょう。

 

さてわたしが和希そらという名前を知ったのは「ハッスル・メイツ」の頃でした。東京の友人が彼女のダンスのファンで、バウホールまで遠征してきていて、そうか、そんなダンスの魅力的な人がいるんだ、と思ったのが最初です。

でもなかなか宙組を見に行くことはなく、「アナスタシア」を見たときは中年の女性の役だったので、男役としての魅力には気づかないまま「夢千鳥」スカステ上演を見て、その逸材ぶりに驚きました。

そうこうしているうちに、雪組に組替えになって、3番手になった頃、宝塚の人事のことなんて何も知らないわたしは夢を見ました。

和希そらが雪組のトップスターになってくれるという夢を。

朝美絢さんの下で二番手として美味しい役をする和希そら。満を持してトップスターとなって、魅力的に輝く和希そら。

96期という重荷を、その実力ではね返し、「これでもか!」と魅せつける和希そらを見る未来があると思っていました。

でも残念ながら、彼女は卒業公演で清々しいほどの魅力を放ちまくって、これ以上もないくらい自然体に、爽やかに、笑って、笑わせて、鮮やかに巣立っていきました。

彼女が卒業しなければトップスターになれたのかは分かりません。

でも彼女の未来は彼女が決めるもので、年齢などの節目節目に考えるところではあるだろうし、何かのタイミングや出来事で、こっちの道を行こうと思うこともあるでしょう。

卒業後の彼女がどのような道を歩くのか分かりませんが、どんな形でもいいから舞台に立つことを選んでくれたら嬉しいなとは思います。

そして未練たらしく、彼女の「ヴァレンチノ」が心から見たかったことだけ、最後に書き残したいと思います。

野々花ひまりちゃんのジューン(ボニクラのカップルぶりが実力者同士で大好きだったので)で、ルディを演じる和希そらを見たかった。本当に見たかったよ。

 

【3月1日追加】

とりあえず何かしらの活動はしてくれるみたいです、和希そら!嬉しい!

和希そら オフィシャルサイト

気持ちを盛り上げるリズムってなんだ@宝塚星組「RRR × TAKA"R"AZUKA ~√Bheem/VIOLETOPIA」

1/13 15:30~ @宝塚大劇場

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RRR × TAKA"R"AZUKA ~√Bheem

スタッフ

脚本・演出 谷 貴矢
作曲・編曲 太田健/高橋恵
オリジナル振付 Prem Rakshith
装置 國包 洋子
衣装 加藤 真美

キャスト

コムラム・ビーム(アクタル)    礼 真琴        
ジェニファー(ジェニー)    舞空 瞳        
スコット    輝咲 玲央        
キャサリン    小桜 ほのか        
ジェイク    極美 慎
シータ    詩 ちづる        
マッリ    瑠璃 花夏        
ラッチュ    稀惺 かずと

原作はこちら。

RRR

大変話題となっていた映画ですが、わたしは未見で、運よくこのチケットが手に入り、初日からの感想を見ていると「映画を見ていった方が100倍楽しめる」という意見が多かったので、予習として映画を見ました。

映画、最初人物の見分けがつかない・・・と戸惑ったのですが、途中から大興奮。

大変に面白かったです。

この「RRR」は1920年のイギリス植民地時代のインドを描いているのですが、ビームもラーマも史実上の人物だということを初めて知りました。

とはいえ内容はフィクションです。

cinemore.jp

そんなわけで映画は長いものの、映画らしいド迫力のアクションと、人海戦術な歌と踊りでパワーに満ち溢れたエンターテインメントでした。

これを舞台化したものを見るのか、と思ったとき、まあとは言え物語要素はシンプルなので、1時間半強にまとめられるだろうし、インド現地の踊り「ナートゥ」を披露するシーンは普通に映画と同じく盛り上がって楽しいだろうなと思ったんですが、映画全体でかつ前半最大の見せ場のビームとラーマが初めて出会って、少年を助けるド迫力のアクションシーンはどうするのだろうかと、そこを一番の楽しみにしてしまったのが、私の見る側としてのミスだったかな、と思います。

そんなわけでRRRについては、こんないい作品に盛り上がれない可哀想な人もいるんだな、と生温かい目で感想を読んでいただけると嬉しいです。

そして大変に面白かったという方はそっとこのページを閉じてください。

 

というのも、私が最大に盛り上がったのが、この始まる前の映像だったからです。

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これ、時々鹿やら、虎やらが通って楽しい!

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そしていろんな要素が割とごった煮な映画はそこが混沌としてカオス味があって面白いのですが、舞台ではそこはキレイに整理されて、物語は分かりやすく提示されていました。

でも逆にカオスの中にあって混乱しつつも、文句なしに盛り上げてきた「ナートゥ」が、私は舞台ではいまいち盛り上がれなかったのです。

歌って踊っているのは宝塚きってのマルチプレーヤースターだけど特にダンスが素晴らしい礼真琴さんですよ!一緒に踊る暁千星さんだって、宝塚の中では「ダンサー枠」。そんなダンスが得意な二人が「ナートゥ」を歌って踊るのは訳ないわけで、まあ普通に見ていて楽しい。でも何かこう「ここ見せ場!ショーでいうところの中詰め!文句なしにワクワクしてくれよな!」感がなかったというか、「ショーの中詰めって本当によくできているんだな、どういう構成にしたらとりあえず盛り上がれるのだろう」ということを「ナートゥ」を見ながら考えてしまいました・・・。

映画でもジェニーも踊る「ナートゥ」ですが、ジェニー役の舞空瞳さんなんて、本当にかなりのダンサーなので、もっともっとジェニーも一緒に踊るところを入れてもよかったと個人的に思います。

あと今回衣装をクレジットしたのは、「ナートゥ」のシーンの衣装がジェニーはいいとして(てか、あのジェニーの衣装はぜひ「宝塚ステージスタジオ」に入れてください)、せっかく宝塚でやるのだから、映画同様、英国側はもっとバラエティ豊かに「魅せる」ものだったらよかったのに、と思ったからです。

今回タイトルに「√Bheem」とあるのが、最も宝塚バージョンなところなんですが、ビームが主役でトップスターなので、ビームだけヘアスタイルも衣装も、仕方ないのですが、なんか、その、浮いている・・・。まあ服のキラキラは「1789」も同じ現象が起こるのですが、全体に宝塚版の「RRR」が映画に忠実ながらも、すごくシャープにシンプルにまとめてある中で、ビームだけが絵面が違うのが変に気になってしまったのです。

ド迫力のアクションシーンは、まあそうだよね、な感じになっています。映画は再現できない。そしてド迫力にもできない。それであれば、シーンとしての意味合いを「ビームとラーマの共同作業からの出会い、友情」の方へ振り切った方がよかったなと個人的には思いました。

先述したように踊れる二人なので、中央に少年をおいて、炎部隊、水部隊で踊りで少年を翻弄する。その水部隊と炎部隊を、ビームとラーマで協力して操り、踊りながら治めて、少年を保護するみたいな、コンテンポラリー風のペアダンス的な踊りで魅せたバージョンを個人的には見たかったなと思います。

(追記:

「眠らない男」のときに、本舞台からゴンドラで銀橋に移るというシーンがあって、そんな銀橋への渡し方があったか!と驚いたので、二番煎じだけど、ビームが綱もってゴンドラ乗って、銀橋の男の子を助けに行く、でも面白かったかなとも思いました)

それから鞭打たれるビーム(礼真琴さんが鞭打たれる姿、見過ぎて既視感汗)が、それでも耐えて自分たちの誇りを歌う、というシーンは実にミュージカル的で、しかも礼さんは歌もうまいし、声もいいのに、ここもなぜか気持ち的な盛り上がりに欠けてしまったのはなぜだろう、と思ったのです。

舞台全体のリズム感、盛り上がり。前作の「元禄バロックロック」のことも思い出すと、物語はキレイに描くけれども、そういったところがちょっと谷貴矢先生には足りないかなと私は思ってしまいました。きっと谷先生は脚本はうまい。今回も映画では出番の少なかったジェニーやシータもちゃんと最後まで活躍するのです。これは大事なポイント。でも舞台の緩急というか「見せ場」を作る、つまり役者に対する演出とは別の、舞台全体を魅せるという演出の部分では個人的に弱く感じたのが残念でした。

ただ本当に物語はキレイに整理されているし、なんなら映画よりも分かりやすかったので(ただ舞台での見せ方と時間の関係上、映画のビームより知的です。映画のビームの本当に何も知らなくて純粋なところがかわいかったので、仕方ないけどちょっと残念)映画で予習はいらないと思いました。前知識なしの「ナートゥ」がどう見えるか、を見たかった!

とはいえ、最後は楽しいので、気持ちよく幕間を過ごせます。これも大事。

幕開きという重要なシーンで可愛くキレイに歌を響かせたマッリ・ 瑠璃花夏さんもステキでしたし、主役たち含めそれぞれとてもバランスよく、役者にはあまりストレスなく見られたのもよかったです。

 

で、そんな話題の「RRR」に押されて、なんとなく存在の薄かったレビュー「VIOLETOPIA」ですが、こちらは逆に何も期待もしていなかったのがよかったのか、個人的にはめちゃくちゃハマりました!

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スタッフ

作・演出 指田 珠子
装置 二村 周作
衣装 有村 淳

このレビューが、いいレビューかどうかというと、とても人を選ぶなとは思います。

レビューとしてはとてもオーソドックスなんですよ。主題歌のメロディラインもオーソドックス。しかも宝塚歌劇110周年ということで、割に他のショーとかでも見たことあるなあというシーンが並びます。

しかも古い劇場に入ると昔の記憶が甦ってきた、みたいな感じではじまるので、かつてあったバックステージを舞台にしたところから、苦悩とかに移り変わって妙な世界観になる、みたいなシーンが割と続きます。

ショーに一つはあるミステリアスでちょっとダーク目のシーンを集めた、という印象なのです。

でもちゃんと中詰めは盛り上がりますし、ダンスも魅せるし、「見たことあるなあ」シーンをちゃんと現代的な味付けもしてあるところが面白い。(ラインダンスも曲の使い方に合わせたパート分けとか、面白い作りになっていました)

ただ、私は齊藤吉正さんの色使いとかヴィジュアルがめちゃくちゃ苦手で、見てて目が辛い、のですが、それと同じ状況が起こるレビューだなとは思いました。

セットとか衣装とかがね、ティム・バートン的だったり(特に実写版ダンボかな)、


www.youtube.com

昔のマリスミゼル


www.youtube.com

だったりするので、これが受け付ける人は大丈夫だし、好きな人はハマります。

でも逆に全くダメ、な方もいるはずです。それを作るのはどうか、という論もあるかもですが、齊藤吉正さんに好き勝手させているので、これはこれでアリなはずです!

そして世界観が好きということは、音楽も好きで、このレビュー、めちゃくちゃ楽しみました。

ただ礼真琴さんよりは、ヴィジュアル的に柚香光さんでこのレビューを見たかったなあと思うのですが、そうなると舞空瞳さんがいなくなっちゃうので、星組でよかった!

もう舞空瞳さんの魅力が満喫できすぎるレビューでした。舞空さん、鬘がいつも本当にキレイなんですけど、このショーではそれが本当に大事!そして抜群のスタイルも大事!とりわけ黒燕尾姿でダンス力をフルに活かして踊るシーンは格好良すぎて痺れました(ツヤツヤの金髪ストレートヘアをキュッと結んであるヘアスタイルも最高!)。ああショースターだ・・・!と感じさせる何かが、舞空瞳さんにはある!

さらに暁千星さんもスタイル抜群のダンスの人なので、ショーの方が光る!

そして礼真琴さんのマルチプレイヤーな安定感。その中でも舞空さんとの蛇と少女のペアダンスが本当にステキでした。

 

RRRもちゃんとクオリティは保っていて楽しい作品なので、久々のリピートしたくなる二本立てではあったのですが、残念ながら人気がすごくてチケットないのが現状です。

そんなわけで、ライブ配信を今から楽しみにしています。

RRRファンで、でも宝塚のチケット取れなかったぞ、という方はぜひ!

そして舞空瞳さんが好きで、でも公演が人気すぎてチケット取れなかったぞという方もぜひ!

レビューは好き嫌いあると思いますが、黒燕尾で踊る舞空瞳さんを見るだけで3500円の価値はあると思います。

live.tv.rakuten.co.jp

若者の求めたもの@梅芸フレンチロックミュージカル「赤と黒」

1/4 17:00~ @シアター・ドラマシティ

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キャスト

ジュリアン・ソレル 三浦宏規
ルイーズ・ド・レナール 夢咲ねね
マチルド・ド・ラ・モール 田村芽実
ムッシュー・ド・レナール 東山光明
ラ・モール侯爵 川口竜也
ジェロニモ 東山義久
ムッシュー・ヴァルノ 駒田一
ヴァルノ夫人 遠藤瑠美子
エリザ 池尻香波

スタッフ

原作 スタンダール 
演出 ジェイミー・アーミテージ 
上演台本・訳詞 福田響志 
音楽監督・ピアノコンダクター 前嶋康明 
振付 アレクザンドラ・サルミエント 
美術 池宮城直美 
照明 吉枝康幸 
音響 山本浩一 
衣裳 有村淳(宝塚歌劇団) 
ヘアメイク 河村陽子

原作はこちら。

わたしは先んじて上演された宝塚歌劇

宝塚歌劇 星組『Le Rouge et le Noir~赤と黒~』特集|タカラヅカ オフィシャルグッズ&サービス

は見ておらず、フレンチ・ミュージカルじゃないバージョンも実は見たことがないのですが、原作本を中学生くらいのときに読んでいました。

しかしながら物語の内容の記憶は皆無。ただ本は残してあったので、この機会に改めて読み直したのですが、今読むと、思った以上に「野望」とか「野心」よりも、「恋愛」が描かれているなという印象でした。

小説はフランス革命からナポレオン帝政時代を経たシャルル10世による王政復古の時代を描写しつつ、ジュリアン・ソレルはじめ登場人物の「心の声」を多く描いています。

これがミュージカルになる場合、「歌」に変換できるので、小説のままにつぶさに表現することもできるわけですが、逐一それをしたら、間違いなく長い。

逆に「言葉」の方を少なくして「身体的な動き」でそれを表現していたような気がします。結果、なんというか、物語は本当に抜粋なんですが、でもまあ「心の声」を無視して、あった出来事だけ選んだら、もちろん飛ばしているところや、人物を変えているところなんかもあるんですけど、だいたいのポイントは抑えていたんです。

その「心の声」をもちろん「歌」でも表現しますが、踊りに任せることで、心の動きは分かりにくくなったけれど、今回表現したいところでもあった「若さとスピード感」を感じましたし、簡素なセットと印象的な照明もあって、ミュージック・ライブ的で、(特にこのシーンが美しかった↓)

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恐らく主演の三浦宏規くんと同世代ファンの方には、理屈なしに楽しめたところがあったんじゃないかな、と思いましたし、それが私にも面白かったところでした。

 

ジュリアン・ソレルの「出世欲」を「野心」と小説でも何度も出てくるのですが、改めて読むと、それほどの「野心」にも思えない。容姿がよくて、記憶力に特に優れていただけの貧しい若者が、自分は特別だ、こんなところにとどまる人間ではない、と思うのは、なんとなくごく自然というか、まあこういう若者は今も昔もいるだろう、と感じたのです。さらに現状から変わるには、自分の身分では兵士か神父の2択だ、じゃあ神父の方で、と割と冷静に現実と自分の適正を見極めている辺り、今の若者っぽいドライささえ感じます。プライドの高さもごく普通の若者のそれとあまり変わりなく、興味の対象は憧れのナポレオンと「自分」だけなので、他者の心の機微には気づかず、コミュニケーションにおいては、完全に「苦手」な部類に入る人物です。

この時代独特の身分制度はありますが、貧富の差、という点では現代と通じるので、もし、このミュージカルでこの作品に興味を持った方がいるなら、時代背景の部分を無視して、小説を読むのもおススメしたいです。

上に貼り付けたリンクは昭和33年初版の訳本なので、もしかしたら下記の新訳の方が読みやすいかもしれません。

で、演出家によるとそういうまだ世慣れていない若者が持つ「純粋さ」みたいなところも、今回強調したい部分でもあったようですね。それも成功していたように思えましたし、三浦宏規ジュリアンはまさしくそういう「純粋さ」がすっかり中年になった私にはとても可愛く思え、その若さの煌めきが非常に魅力的でした。

そしてそういうジュリアンだからこそ、ルイーズに惹かれ、知らず知らずのうちに、自分が思っているよりもっと、彼女を必要としていたのだなと感じたのです。

そのルイーズを演じた夢咲ねねさん。

夫人は背が高く、すらりとしていて、この山間でいわれているように、この地方きっての美人だった。飾り気がなく、身ごなしが若々しかった。パリ人から見れば、汚れをしらない、溌剌とした、この素朴な美しさは、甘い肉感をそそるところがあるとさえいえたかもしれない。

と原作に描かれた、そのままのルイーズがそこにいました。

ポーの一族」のシーラを見たときも思ったのですが、ねねちゃんがこういう役を演じると割に母性的なものを感じるのです。

コミュニケーション下手で孤独で寡黙で無表情のジュリアンが、エリザじゃなくて(池尻香波さんも美しくて眼福でした!)、ルイーズに惹かれたのは、この母性的な暖かみと、恵まれたものが持つ強さ、みたいなところだったんじゃないだろうか、と納得してしまえるルイーズ像でした。

(あ、あと今回スタッフさんにヘアメイクさんを敢えてクレジットしているのは、ルイーズのヘアスタイルが素晴らしくねねちゃんに似合っていたからです。ねねちゃんもヘアアレンジとか鬘とか得意じゃないので、ここプロが入るとこんなにもっと美しくなるんだなあとしみじみしました。そんなわけでルイーズのアクスタください!笑)

 

さて2部の対主役ともいえるマチルド、田村芽実さんの若さの輝きも素晴らしかったです!

勢いと迫力で2部幕びらきナンバーをがっつり魅せてくれて、ジュリアンとは違った裕福で甘やかされた頭のいい若者だけが持ちえる、いい意味の高慢さみたいなのが見えるのが本当によかったです。

なのに恋には割とピュアなのもギャップ萌え。

頭でっかちな似たもの同士のジュリアンとマチルドがなんとなくお互いに駆け引きしてると思いつつ気になっていくのも、また若者らしくて微笑ましい。

それでもジュリアンがルイーズを選ぶとき、この若者が欲していたのは、包み込んでくれるような純粋で真っ直ぐな愛情だったのだなと思うから、その最期が切なく思えました。

 

男性メインキャストがジュリアン以外は全員ちゃんとおじさんだったのも、ジュリアンの若さを際立たせていてよかったし、マチルドとルイーズが並んだときに、ルイーズが美しくても若くはないことが分かるのも、個人的には好きでした。

実際のところ、三浦くんとねねちゃんの歳の差は、原作のジュリアンとルイーズよりもちょっと開いているのですが、見た目的には全然アリだし、本当、何よりほぼ原作どおりの年齢の男の子がジュリアンを演じているのを見ることってなかなかないような気がするのです。

そしてそれを成り立たせてくれ三浦宏規くんは本当に貴重!

声楽畑の方がミュージカルへ進む方が多い中で、かなり本格的にバレエを極めたダンス力は、本当に魅力的でした。

なので、彼がバンバン踊れるうちに、ダンスなミュージカル、やってほしいです!雨に唄えば、とか日本版どうですか?

 

振り返るとかなりこの演目、楽しんだので、リピートチケットを買わなかったことを後悔しています。

そしてこの記事の写真がどれもすばらしいのを見ても、ヴィジュアルと動きで魅せる舞台だったんだなと思います。

【公演レポート】愛と死のドラマが横溢するフレンチロックミュージカル『赤と黒』 │ シアターウェブマガジン[カンフェティ]

早めの再演、お待ちしたいのですが、難しいかー。3年後でも三浦くんも20代後半になっちゃうしな。

 

そうそう、この日は関西人しばりのアフタートークがありました。

司会がラ・モール侯爵 川口竜也さん(高槻市出身)で、辺鄙な大阪市内出身(ちなみに我が実家でもあります)の東山兄弟、三重出身の三浦くんの4人。

もう関西弁で、てことでかなりフランクに話されていて仲良さそうでほっこりしました。

その中で、他にやってみたい役が面白かったので、記録しておきます。

 

三浦くん→マチルド

2部幕開きのナンバーが格好良くて気持ちよさそうなのでやりたい。

あと2部だけの出演なのに衣装が3着もあるから。

(ジュリアンは1着の着た切り雀なので涙)

 

東山兄(ヨシ)→ジュリアン

2人の女性から言い寄られるのが気持ちよさそう。

(三浦くんより「めっちゃ気持ちいいです」のお言葉あり)

そして自分がやったら、もっと野心よりのジュリアンになりそうだから。

 

東山弟(ミツ)→ルイーズ

理由は忘れましたが、兄よりお前がルイーズをやったら兄弟で変な関係になるじゃないかとツッコミあり。

他2人からも「いろんな意味で禁断の関係ですね」とツッコミまくられた後の

 

川口さん→エリザ

が爆笑でした!

家政婦は見た、みたいにやりたいそうです。笑

 

東山兄弟、初の舞台共演で友人たちが盛り上がったのに、見にきてくれない問題やら、新年の豊富まで、短い時間にギュッと盛りだくさん詰めてくれて楽しかったことを付け加えておきます。

2023年かんげき振り返り

本当は12月に観劇した「ねじまき鳥クロニクル」と宝塚雪組「ボイルド・ドイル・オンザ・トイル・トレイル/FROZEN HOLIDAY」の感想も書くつもりだったのですが、忙しさと体調不良とで、時が流れ過ぎてしまいました。。。

そんなわけで2023年末は12/25(月)の体調不良によるめまい→初MRIから始まり、気力で仕事をして、だいたい倒れていました(涙)

とりあえずコロナではなかったのが救いです。

これも記録的に残しておきます。

 

さて2023年の観劇はこんな感じでした。

■12月

ホリプロねじまき鳥クロニクル

宝塚雪組「ボイルド・ドイル・オンザ・トイル・トレイル/FROZEN HOLIDAY」

■11月

梅芸「雪組pre 100th anniversary Greatest Dream」×2回

■10月

ケムリ研究室「眠くなっちゃった」

■9月

宝塚月組「フリューゲル-君がくれた翼-」「万華鏡百景色」

■8月

宝塚花組「鴛鴦歌合戦」「GRAND MIRAGE!」

■7月

世田谷パブリックシアター音楽劇「ある馬の物語」

アミューズ「FACTORY GIRLS」再演

■6月

宝塚星組「1789-バスティーユの恋人たち-」

ホリプロ「ファインディング・ネバ―ランド」

■5月

宝塚雪組ライラックの夢路/ジュエル・ド・パリ」

平成中村座姫路城公演「播州皿屋敷/鰯売恋曳網」

■4月

ミュージカル「マリー・キュリー

ナイロン100℃「Don’t freak out

■3月

コクーンプロダクションvol.13「アンナ・カレーニナ

ホリプロ「バンズ・ヴィジット」

■2月

宝塚雪組「ボニー&クライド」

宝塚月組応天の門」「Deep Sea」

■1月

宝塚花組うたかたの恋/ENCHANTEMENT」

東宝エリザベート

 

21回かー!しかも今年、お財布的に厳しかったのが7月に千風カレンさんのサロンコンサート、8月に杜けあきさん×紫ともさんのディナーショーにも行ってることでしょうね・・・。結局1か月、2回は見てる計算になりますね・・・。

とりあえず来年は「目指せ年15回!」を目標にします。

ただサロンコンサート、ディナーショーともに楽しかったので、インスタの感想を記録的に貼っておきます。

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そんな中、とにかくセットと表現方法がすごかったのが、感想をかけていない「ねじまき鳥クロニクル」でした。

インバル・ピントさんのアートとムーブメントが村上春樹の物語を見事に彩っていて、かつ大友良英さんの音楽と共演することでエンターテイメントに仕上げていて、なんとも言えない「すごいものを見た」感。

これを言語化できたら村上春樹になれるのでしょうか。

でもそれ以外に、なんというか、演劇的なもの未体験者も、大好きな人も魅せるセット模型の展示とか、おしゃれなグッズとか、そういうところまで行き届いていたのがさすがでした。

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グッズはこのレベルを全公演に目指してほしいです。

舞台『ねじまき鳥クロニクル』|【公式】ホリプロステージ|チケット情報・販売・購入・予約

一番下にグッズが掲載されていますので、よろしければぜひ見てください。

そしてこれ、もし余裕があれば、原作を読み直して、きちんと感想を書きたかったのですが、難しいかな。

ただせめてあの「人の心の距離だけ机が離れていく」みたいな見せ方ぐらいには、日本の舞台も追いつきたいなあと思いました。

インバル・ピントさんはイスラエルの方なのですが、今イスラエルが悲しいことになっていますね。

実は一番好きだと思った作品は「バンズ・ヴィジット」だったのです。

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本当になんてないことない、普通の人々の一昼夜をエキゾチックな音楽が優しく彩って、知らない間に涙がポロポロこぼれる、そんな作品でした。東京で観劇された方もシアター・ドラマシティで見てほしかった。そして毎週金曜日の夜8時から見たい作品でした。

でも今の現状がこの作品に込められた「ブロードウェイの願い」は、なんてむなしかったのだろうと思うのですが、今もう一度、と言わず2度、3度、見たいと願う作品でもあります。人と人、がふれあえば、分かり合えなくても、なんとなくやっていけることを信じたいから。

 

そして「戦争」ということでいうと、一番考えた公演はやはり「ある馬の物語」でしょうか。

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ルールがある中で幸せや安心感を感じるのは、やはり多くの日本人もそうだと思うので、でもだからそれでいいのだろうか、なんて考えてもしかたのないことを未だに考えます。

 

そんな「ルール」で大きく揺らいだ宝塚歌劇団。故人のご冥福と、キャスト、スタッフ含めて舞台を作り上げる方々にとって、よりよい環境になることを祈るくらいしかできないのが残念です。ただ一ファンとして、特に彩風咲奈さんの卒業は見守りたいと思っています。

 

しんみりしてしまいましたが、今年1番楽しかったのが、平成中村座姫路城公演です。

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初日の昼公演のチケットを取っていただいたのですが、彩雲も出て、お天気も素晴らしくて、めちゃくちゃ晴れやかなムードに包まれながら、本当に楽しいアミューズメント空間を堪能しました!

小倉城の「小笠原騒動」もかつて南座で見て大興奮しただけに行きたかったのですが、30年前の夢「Greatest Dream」がわたしをがっつり掴んでしまって、行けなかったのが残念。でも「Greatest Dream」を選んだことに1ミリの後悔もありません!

 

来年の目標15本とか言いながら、1月はもう「赤と黒」と宝塚星組の「R R R!」の観劇が決まってます。

そしてKERA CROSSとう蝕のチケットも手配済み。

他にも見たい公演もたくさんあるので、チケット取れるかどうかは別として取捨選択が難しいなという感じですが、もろもろがんばりたいなと思います。

最上級の夢の個人的な記録メモ@雪組pre 100th anniversary「Greatest Dream」

11/11(土)12:00~、11/12(日)13:00~ @梅田芸術劇場

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基本的にOG公演は杜けあきさんが出演されるものしか見ない、というスタンスを取っているため、2年前にあった花組月組の100周年記念公演は見ていません。

ただ2組合同でやったものを今回雪組だけで上演して大丈夫だろうか、といういらぬ心配はしていました。

でも、花組月組の合同公演との比較はできませんが、とりあえず私は「大満足」でした。

こういうのはお祭りですし、配信と合わせて3回見て思ったのは、出演者によってその公演がかなり違う、ということでした。

特に2日目のDreamバージョンの2部はほぼ普通にショー!

客観的に見るとこのバージョンの方がショーとして楽しめました。

 

今回は、ここで感想をまとめる、というよりもX(旧Twitter)につぶやいたものを自分のために保管しておきます。

ちなみに私の雪組観劇歴はこんな感じです。

 

1989年3月に「花の指定席」の「ムッシュ・ド・巴里」を見て、杜けあきさまに一目ぼれ、同年8月「ベルサイユのばらアンドレとオスカル編~」で大劇場観劇デビュー。

1992年11-12月公演「忠臣蔵」で杜さんのサヨナラを見送り、卒業するかと思いきや、

1993年10月-12月公演「ブルボンの封印」から何かしら理由があって、「あかねさす紫の花」を除いて、1997年「仮面のロマネスク」までは網羅。

そして理由は思い出せないけれど1998年2月「浅茅が宿」、2001年2月「猛き黄金の国」を見て、渡英をきっかけに宝塚からしばらく離れる。

(ただ和央ようかさんには思入れがあり、宙組はしばしば見に行っていた記憶)

東京で出会った新しい友人からのお誘いにより2009年3月「ZORRO」東京公演より雪組観劇を復活。壮一帆さんの2013年4月「ベルサイユのばら~フェルゼン編~」を除き、それ以降、現在に至るまで雪組本公演は全て観劇。

 

そんなわけで平みちさん時代は見られていないのですが、映像ではもちろん拝見していて、今回は念願の「見られていなかった杜さん二番手時代」を少し体感できたのも喜びでした。

 

12日はかなり良席だったからか、それとも2日目で自分が比較的落ち着いていたからか、それぞれのスターのところで、いろんな箇所からすすり泣きが聞こえて、改めて「ああ、皆さん、それぞれに思い出がよみがえって心震えるのだなあ」と思いました。

1.11日ALL ver.感想メモ

11日はそんなことに気づかないくらい、自分がボロボロに泣きました。

そんな11日のキャスト表

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基本的には配信で見た東京10/21ALL公演と同じ構成でした。

ただ一番違ったのが鮎ゆうきさん、大阪唯一の登場回だったことだと思います。

そんなわけで「だいきほ」のデュエットの代わりにあったのが、これでした。

冒頭から、というのは「瞳の奥に見つけた 瞳の中にささやき 黄昏色のハーフムーン 黄昏色のハーフムーン」という部分です。

これはフィリップのソロで銀橋の歌だったため、杜さんの芸能生活40周年記念コンサートでも、この後からの「まぶしいまなざし~♪」からしか歌われていなかったんですよね。

ここが入って、鮎ちゃん登場して、フルコーラス歌うって、まあ泣きますよね。

で確か、間にこういう楽しいシーンが入って

おそらく私が一番通った公演が音月桂さん(きむくん)の「ロミジュリ」でした。

まあそれは東日本大震災があって、東京公演の後半戦、当たり前だけど大幅に観客が減って、当時、神田勤めだったこともあって、会社帰りに気軽に見に行けるから、応援の意味も込めてなるべく見ようというのはありました。でもそれ以前に雪組の「ロミジュリ」が好きだったし、きむくんのロミオが好きすぎた!

杜さんが私にとって「容姿は好みではないし、男役としては格好良いと思ったことは一度もないけれども、ゴッドマザー的存在で一生お慕い申し上げる」存在なら、きむくんは本当に「めっちゃくちゃ好みの見た目で、男役でも女役でもとにかく好き」な存在なんです。

 

そして前後しますが、今回鮎ちゃんの登場とともに嬉しかったのが、高嶺ふぶきさんの復活!新人公演で「仮面のロマネスク」主演をやられた貴城けいさん(かしげちゃん)が歌われていた部分を本家本元の高嶺ふぶきさん(ユキちゃん)が、美穂圭子さんをお相手に歌われて、お変わりない歌声に感動。

この後のトークが下記です。

かしげちゃんが「私、東京では代わりに歌わせていただいていたんですけれど、今日聞いて本物だーと思って」みたいなことをお話しされると、和央ようかさん(タカコ)も「私も代役やってるとこあるけど、稽古で聞いて本物だと思った」みたいな会話に、ユキちゃんが、「二人とも出てたじゃないの」と、はしゃぐ子ども二人組を見るような感じでおっしゃられたのが、めっちゃくちゃ微笑ましかったのを思い出しました。

記憶が吹っ飛ぶくらい、この日捕らわれたのが、一部最後らへんの「華麗なるギャツビー」。

「デイジー」がBGMで鳴って、鮎ちゃんがデイジーそのものの髪型に(イメージ↓)

ヘアスタイルチェンジしているから、先述した杜さんの「芸能生活40周年記念コンサート」で歌われた「過ぎた日の思い出」をデュエットされるのかなと思っていたら、まさかのその髪型で少女時代のデイジーのセリフを言ったんですよ!

ギャツビーが自分の人生の目標を決めた瞬間、が振り返られたまま「朝日の昇る前に」がはじまって、幻のようにデイジーが去ったり、また登場したりする。もう一度ギャツビーと目を合わすことはないままに。この「朝日の昇る前に」の世界観が、宝塚の「華麗なるギャツビー」の本質そのものをガツンと見せられた気がしたのです。

再演を繰り返しても見られなかったものが、そして見たかったものが、凝縮して目の前に現れた感じでもう涙が止まりませんでした。

二部のトークタイムでも、杜さんご自身「ギャツビーとデイジーとして再び舞台に立てたのが嬉しい。今日はごめんなさい、二人だけの世界でした」というようなお話しがありました。

杜ちゃんが二番手時代はこんな感じだったのかな、と想像できて、それもまた感謝でした。

そうそうユキちゃんもいたからこそ、忠臣蔵は皆さんに四十七士として後ろから降りてきてほしかったなーとは、やっぱり思いました。

でも「忠臣蔵」の「花に散り雪に散り」も歌う前に下記のセリフ入りで、これも多分、公演以外ではこういう形で歌われることはなかった気がします。

殿、お形見の九寸五分、確かに頂戴仕りました。殿の無念のご最期聞き及びましたる内蔵助の一念は、吉良殿への復讐、さらには理不尽な幕府への反抗・・・・・・。

心を一つにする同志と相語らって、目的を果たさんことを、大石内蔵助良雄、お誓い申し上げ奉る

隠忍いかに久しくとも 仕遂げることのいかに難くとも 妨げるものいかに多くとも

この辺りに私の時空の歪みが出ていて、えまおゆうさん(ブンちゃん)、成瀬こうきさん(おっちょん)、朝海ひかるさん(コム)ちゃん辺りはすごい下級生という認識なんですけど、

壮さんは私が再び定期的に宝塚を見始めた頃すでに花組の二番手さんだったし、ご本人のパブリックイメージもあって、器の大きな頼れる上級生、にしか見えてなかったので、その辺も楽しかったです。てか、壮さんも絶対「忠臣蔵」で四十七士になりたかったですよね!(←同年代なのでそうあってほしいという勝手な気持ち笑)

そういえば、ブンちゃん、おっちょん、コムまあトークタイムは、ブンちゃんが「何か楽しい思い出を、失敗の思い出とか」と仰って、ブンちゃんのお披露目でサヨナラ公演「追憶のバルセロナ」初日、一度退場して戻ってきてセリフを言うはずだったのに、戻ってこなかった、というお話しでした。

舞台にはブンちゃんとおっちょんがいたらしく、二人して「コム―!」と思いながら、とにかくどうしようもないので飛ばして進めて、おっちょんが退場してすぐコムちゃんを探しにいったら、もう次の衣裳に着替え済みで再度戻れる状況ではなく、でも初日だったからお客様には失敗とは映らず、なんなら次の日から初日見たお客様は正塚先生がいいセリフ足したわね、と思われたかもしれないと笑い話に。

当時の焦る気持ちを思い出したかのようなお二人に、飄々とコムちゃんが「なんでみんな、(退場した)私に言ってくれないの」というと、おっちょんが「初日だったから、みんな自分のことでいっぱい、いっぱいだったんだよ」と突っ込んだところ、「だから私もいっぱいいっぱいで、あー出番終わった、次に着替えなきゃって思ってた」と、これまた飄々と。朝海ひかるさんの大物ぶりを見ました。ついでに「追憶のバルセロナ」初演が見てみたくなりました。

そして、この日の極めつけはカーテンコールでのこれでした。

2人の世界に入る二人に、出演者たちがどんどん後ずさっていって、杜ちゃんが「いやいやみんな帰ってきて」みたいなやりとりがあったような記憶があったりなかったりしますが、本当にこれはご褒美だなと思いました。

これ今思うと、もし大阪でも神奈美帆さん(やっちゃん)が出演されていたら、ユキちゃんとの同期降りも見られたかもだったんだなあ、と今さら気づきました。

 

2.12日Dream ver.感想メモ

で、二日目です。

ちなみにALLバージョンで恒例の「日本物コーナー」はありませんでした。

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ただ「リオ・デ・ブラボー!」、愛原実花(みなこ)ちゃんは出なかったのはなんでだろう、とは気になりました。出演順の都合だったんですかね。

アランチャ→ラテンラバーは杜さんの「芸能生活40周年記念コンサート」でもやられていたのですが、この時、私が見た回が紫ともさん(トモちゃん)のセリフ間違いとかがあったので、完璧な再現シーンに泣きました。

しかも前日はトモちゃん一人で階段の上から歌っておりていたのに、上手から登場して、ルディからアランチャの枝を受け取るなんて、泣くしかない!

もうあのセットが見えました。感動。。。

その前にこういうシーンもあって、ほっこりしてた直後だったのに衝撃が強すぎました。

ここでまた私の中の時空の歪みが発生。

私が復活して最初に見た「ZORRO」は白羽ゆりさん(トナミちゃん)のサヨナラ公演で、おきゃんなトナミちゃんが最高に可愛かった記憶があるのですが、トナミちゃんが「娘役に憧れて宝塚に入ったのに、最後に男装って・・・」みたいなお言葉。あと「男役さんって衣装に着ける小道具が多いんだと思った」というようなこともおっしゃってました。

彩吹真央さん(ゆみこ)はこの日が初日で「胸いっぱいで感情の行き来がすごい」みたいなことをおっしゃってましたが、見ている側としては水さんがゆみこがいることで、すごくリラックスして喋っているように見えて、微笑ましかったです。

逆に成瀬こうきさん(おっちょん)はこの日が千秋楽でした。

全日程出演で奮闘している上級生娘役さんお二人のスカーレットは、お二人とも美しく、お上手で本当にすばらしかったです。

そしてなんと一部の最後が「忠臣蔵」で締め!

もちろん「朝日の~」も歌われたので、杜さんの持ち歌、ほぼ終わりでは?と思われた二部が面白かった!

二部の初めは前日と同じくトモちゃんとの「深川」で。

私はこれを、本公演(松本悠里先生お相手)、OG公演(星奈優里さんお相手)、杜さん芸能生活40周年記念コンサート(同期生で日本舞踊家五月梨世さん)と踊られているのを見たことがあるのですが、個人的にはトモちゃんとの踊りが一番好きでした。途中でお互いの肩を叩いてクルっと回る振付があるのですが、ここのトモちゃんの表情がうまい!粋でステキ!それを受ける杜ちゃんもいなせな表情で、江戸時代のカップル感漂って、とても楽しかったです。

で、この後から黒の衣装の上からいろどりどりのレースの上着を着て、ノバ・ボサ・ノバのメドレーがはじまりました!

私は「ノバ・ボサ・ノバ」は2011年の星組版しか見ていないので、恐らく当時役替わりでいろいろやった人たちが、その役の歌を歌われてたと思うのですが、その辺はわからず、残念。

でもやっぱり単純に「ノバ・ボサ・ノバ」メドレーは楽しくて、美穂さんのシスターマーマに未来優希(はまこ)さんのルーア神父という歌うまコンビも、うまいわ、チャーミングだわ、自然だわでステキだったし、なんといっても月影瞳さん(グンちゃん)のエストレーラが最高でした!そして、はまこさんの「ビバサンバ」はもちろん圧巻。

その後のトークは、たしか朝海ひかるさん、成瀬こうきさん、水夏希さん、壮一帆さんだったような。ビバサンバのバックダンサーの振付で出てこられて、今日一踊った、しんどい、的なコメントがあったのは覚えているのですが、もう一回別にもしかしたらトークがあって、そこと混ざっているかもしれません、すみません。

水さんと壮さん、ノバボサノバ出てないですものね。

とりあえず、ノバボサノバは、コムちゃんとおっちょんは役替わりがあったというお話しだったのですが、コムちゃん、水さん、壮さんだと「スサノオ」が思い出深いという話になり、水さんがアオセトナ役の有名な歌「ほーしーいものを言ってごらん」という一節を歌われると他のみんなが、娘役さんがわりになって「あーあ」と拝むという、なかなかレアな光景。

そしてこの日が千秋楽のおっちょんへは、「なんかおっちょんのサヨナラ公演みたいに寂しい」とコムちゃん。「2回目のサヨナラ公演?」というワードにみんながはまって、でもおっちょんもかなり涙腺にきている旨を話されて、本当に出られている皆さんにとっても、楽しい公演だったんだなと感じました。

 

しかしどこかで杜ちゃんが、全日程出演の娘役さんたち引き連れて「ワンノートサンバ」を歌われたのですが、衣装的にこの近辺だったはずなんですが、もう全く思い出せません・・・汗

トモちゃんは歌われた後、衣装変えで一旦退場して、グンちゃん、舞風りらさん(まあちゃん)、愛加あゆさん(あゆっち)と杜さんでトーク。娘役の皆さんに盛り立てていただいて、久々の男役の醍醐味を堪能しています、と杜さん。

それぞれの「旦那さん(相手役さん)は?」というご質問は、恐らく東京と一緒だったと思います。杜さん曰く「娘役さんが相手役さんのことを話す姿がすごくステキに見えるから」とのこと。

グンちゃんの相手役は轟悠さんで、杜さんにとっては「かわいいかわいい下級生」とのこと。グンちゃんが轟さんに丁寧に教えてもらったと語る日本物、日本舞踊は、また杜さんから受け継がれたものでもあるよなと。ただちょっと杜さんが轟さんのことを3ヵ月だけ呼んでいたという愛称があれで、うん、それは気をつけた方がいい、とは思いました。 

でもトドちゃんも出ればよかったのに、という杜さんからの連絡には、轟さんから「かりんちょさん(杜さんのこと)、私はもう舞台には立たないんですよ」とお返事があったことが、杜さんから紹介されて、ああお話しされたんだと妙な感動。

そういえば最初の袖へのコムちゃん呼びかけで、「同じ仙台出身の宝塚卒業生はもう姪みたいなものですよ」というお言葉があったのですが、まあちゃんの相手役さんがコムちゃん。「ということは、私の姪のお嫁さん。親戚みたいなものですね。でも姪のお嫁さん?」な発言でも、まあちゃんは「嬉しいです!」とニコニコ。杜さんの方ばっかり見てコムちゃんとのことを話すまあちゃんに、途中で杜さんが「まあちゃん、お客様の方見て話そうか」と向きを変える一幕も。今回コムちゃんが大阪で初参加だったので、やっとデュエットを、というお話しに「そうだ!その歌のどこかの部分が大好きだって話してたよね。それを今日見ようと思っていたのに忘れてた、ごめん」と杜さん。汗

で、あゆっちに移るとあゆっちが語る前に「思い出した!大好きな大好きな壮さんだ!」と杜さん。えーと、あゆっち、どのくらい東京で壮さんのお話ししてたんでしょうか。笑

しかしそれでも壮さん大好きを語るあゆっちが可愛くてたまりませんでした。

そこに衣装替えのすんだトモちゃんが「私はかりんちょさん(杜さんのこと)だけ見つめてますよ」的なお言葉とともに登場。杜さんは「娘役さんたちの内助の功に助けられて、私たち男役があります」というような言葉とともに、トモちゃんを階段へエスコート。

から下のメモ部分につながった記憶なんですが、違っているかも。

トモちゃんは卒業後、ジャズシンガーもされていて、実はトモちゃんの歌をジャズクラブに聞きに行ったときにも「what a woderful world」を歌われていました。その際はジャズアレンジがされていたのですが、今回はなんと階段に座ってゆったりと歌われていて、その大人の雰囲気に、「ああ、この人が私がずっと憧れ続けてきた女性だ」と改めて思いました。

しかも夏の杜さんとのディナーショーでもお召しになられていた長袖黒シースルー生地に金色の柄が全体に散りばめられているロングドレスが、本当にお似合いでステキで、「オトナの女」の魅力を爆発させていました。

杜さんの「Night&Day」は初めて聞いたくらい、やっぱり当時は大浦みずきさん(ナツメさん、なーちゃん)の持ち歌的な感覚があって、杜さんも杜さんの歌い方ながら、かなりナツメさんに寄せてた感じがしました。

ニューヨーク・ニューヨーク」もこの曲で踊るナツメさんと毬藻えりさんのデュエットダンスが大好きだったので、それをゆみこがその歌唱力をぞんぶんに響き渡らせて歌ってくれて感動。

からの水さんの曲がナツメさんが大好きでよく歌っていた歌と聞いていた曲だったので、ここもかなりの感涙ポイントでした。

そういえば水さんはご自分の持ち歌「ゴールド・フィンガー」では、沙月あいなさん、笙乃茅桜さんのダンサー娘役さん2人をお相手にアルゼンチンタンゴ風に踊る部分も多く、よりショー感を増してくれました。

元々配信のない回でしたが、これは曲の著作権的に円盤にもならないなと思うくらいの、充実の内容だったので、本当に見られたことに重ねて感謝します。

1日目のカーテンコールでは、笑いがツボって耐えられなくなっていたモサクさんを杜さんが支えるところと、ユキちゃんと懐かしそうに眼差しを交わしあう姿がステキだったのですが、2日目のカーテンコールは、杜ちゃんが、「嬉しいねー、タカコ」とかタカコに振るたびに、タカコがビックリしたように「はいっ!嬉しいです!」みたいな感じで答えるのが面白かったです。タカコにとっては、下級生だった頃の雲の上の「トップさん」なんだな、と。

そしてタカコ→トモちゃん→杜さんで降りてこられたのも、学年順でありながらも、トモちゃんの「トップ娘役」姿的なものを見られて嬉しかったです。

 

そんなわけで二日間があまりに楽しかったので、調子に乗って円盤買っちゃいそうです。

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ただセットになっている花月版には、ナツメさんはいないのだな、と思うと、杜さんが生きてお元気でいらしている間にこの公演があったこと、そしてそれを見られてたことに、またまた感謝なのでした。