9/27(土)15:00~ 梅田芸術劇場

ミュージカル・プレイ
『ダンサ セレナータ』
作・演出/正塚 晴彦

キャスト
イサアク 暁 千星
モニカ 詩ちづる
ホアキン 瑠風 輝
フェルナンド/老人 凛城きら
ローザ 小桜ほのか
クラウディオ 輝咲 玲央
アンジェロ 蒼舞 咲歩
ジョゼ 碧海さりお
アンジェリータ 綾音 美蘭
リタ 乙華 菜乃
ルイス 大希 颯
カロリーナ 茉莉那ふみ
初演はこちら↓↓↓
初演、見ています。だってショー「Celebrity」の方の記憶はうっすらあるんです。
なのに、昔の自分のつぶやきを見ても「ダンサ・セレナータ」の方の記憶が全く蘇らなくてですね…。
なのになぜこれを見に行ったかというと、本当にたまたまお友だちから急病で行けないので代理で見ませんか、というご連絡をいただいたから、でした。本当にすみません。
でも今回プレトップお披露目となる暁さんのことは応援しているので、これも何かの縁だ、晴れ姿を見せてもらおう、そして見れば昔の記憶も蘇るはず、と席についたのですが、一切思い出せなかったのです涙
暁さんのイサアクは舞台となっている国の「ルアアズール」という店のショーダンサーで、 詩さんモニカはその国の植民地出身で留学生。舞台となっている国と植民地の関係は悪化していて、植民地の方は独立を目指している状態で、植民地では内乱レベルの戦闘が起こっている模様です。モニカの兄・アンジェロは植民地の独立運動に関わっていて、本国での仲間と結託しようと画策するために訪れている。その動きを見張っているのが秘密警察のホアキン、ということを理解するまでに、割と時間を要してしまいまして、あれ、この作品ってこんなに事情が混みあっていたかな?と気になり、初演映像はなぜか手元にあったので、観劇から一週間後に見直してみました。
この公演、夢咲ねねファンとしては、ねねちゃんが黒塗りだったことだけは覚えていて、改めて初演映像を見直すと、良くも悪くも、モニカとアンジェロが黒塗りであることで一番わかりやすかったのが、最初にモニカとイサアクが出会うバーで、モニカとアンジェロ兄妹が軍人から「植民地の人間だな」と絡まれるところ、でした。今回は単にモニカがかわいかったから目をつけたのかな、と思っていたら「植民地の人間」とかいう言葉が出てきて、何?イントネーションとかでわかったの?とか思ったのですが、ここが二人が黒塗りだと、視覚ですぐ理解してしまえるのです。
ただこの辺は私がアップデートしていかなければならない部分だし、視覚で分かりづらい分、正塚先生にもセリフでのフォローをお願いしたい部分ではありました。
あとタカラジェンヌは一般人よりも色白を保っている部分はあるので、個人的には役によっては「日焼け肌」くらいのトーンにしてもいいのでは、とも思ったりもします。
そして暁さんのイサアクをみながら、「ああ、これ初演の柚希さんだったら、普通に何も思わず見ただろうな」というセリフが多くて、初日だったのもあって「暁さんのイサアク」がまだこう上手く身になっていない感じというか、改めて初演映像を見たら本当に柚希さんそのもの、だったので、これを「イサアク」という人として作り上げるのはなかなか難しいと思いました。でもきっともう今ごろは「暁イサアク」に血が流れていると思うので、改めて見てみたいなとも思います。
ただホアキンの瑠風さんとの関係性がすごくよくて、それぞれの立場で大切にするものや価値観の違いとか、なんとなくですがホアキンはイサアクみたいになりたい、とも感じている気がして、正塚芝居のいい部分である「男の人間くささ」みたいなところがホアキンから伝わってきて、個人的にはとてもいい発見でした。
大変申し訳ないことに、私はあんまり宙組を見ない(最後に見たのは「アナスタシア」、そしてその前は多分「モンテ・クリスト伯」)ので、瑠風さんのことをほぼ存知あげず、え、こんな素敵な人がいたんだ、と思ったのも大きいと思います。
暁さんとは同期生ということもあるのでしょうが、トップスターと二番手がちゃんと対立できるのって、見ていて安心するというか、それだけで芝居が締まるところがあるなと改めて思いました。そしてこの2人で本当にいろいろな役が見たい、と思ったので、同期生の下の二番手って立場は微妙でしょうけれど、この体制の星組への期待値は断然あがり、大劇場のお披露目公演を今から楽しみにしています。
ところで個人的に正塚作品の難点は女性を魅せられないことだと思っていて、芝居の上手い下手じゃなく、もう「自己発光」しないとヒロインとして目立つのが難しいと感じています。
詩さんは初演のねねちゃんよりスキルは高い。そしてもちろん、かわいい。けれどもそもそも正塚先生の演出がモニカという人を魅せるには足りなくて、イサアクとの関係性だけが浮き上がって、モニカが何を考え、どうしたいのか、というところは見えづらいのです。
これ、覚えていないけれど、初演観劇時の感想です。(ダンサ、をダンス、に間違っているのは大目に見てください・・・)
そして、正塚芝居の女はやはり自己発電が必要だなと痛感。ねねれみ、だからあそこまでになれたね。ねねちゃんなんて踊る以外ほぼやりようのない役なのに、しっかりヒロインしてたのが凄いよ。@ダンスセレナータ
— oto (@sat_oto) 2012年6月9日
特に今回は舞台初心者あるあるな「袖にハケて安心してしまって、そこで止まり、後からハケてくる人とぶつかる失敗」を詳細にセリフにする必要があったのでしょうか。これじゃあ、本当にモニカが甘い感じで舞台に立っていることが強調されてしまって、マイナスイメージになってしまうじゃないですか。初演では普通にぶつかった、としか言及されていないので、何かしらのハプニングでそうなったんだろうな、と思えるから、なぜこう変えたか不思議です。
だってモニカはお嬢様で小さい頃からダンス教室には通っているから、これまで発表会なんかもあったと思うので、今回セリフにあったようなミスはしないと思うんですよ。
本当、この辺りは正塚先生になんとかしていただきたい。
(もしかしたら、もう元に戻っているかもしれませんし、戻っていることを期待!)
でも逆に「自然発光タイプ」には美味しいのが正塚作品で、最も何をしたいのか分からないリタ役の乙華菜乃さん、今回はじめて認識しましたが、妙に目立つ。さらに芝居がよくてコメディパートを上手くこなしているので、下手したら「うっとおしい」と思われそうなこの役を、「なんか可愛くて面白い」まで持ってこれているのが本当にすごい。しかも彼女とルイス役大希颯さんの、セリフの間がいいものだから、クスっと笑える部分が増えたのは、今回の再演のいい点だったと思います。
ただ本来二番手娘役であるところのアンジェリータは、本当に難しい役だったんだな、と痛感しました。全体にヒステリックに見えてしまったところが残念です。
ところで、全く思い出せなかった初演の自分のつぶやき感想でこういうのがありました。
またね、真風っちの恋愛の行く末が凄く私的に好きな展開なんだよね。裕福に生まれたものはそうじゃないと生きていけない。それが元から好きな題材なので、あの結末はとても良かった。@ダンスセレナータ
— oto (@sat_oto) 2012年6月9日
そして今回も観劇直後にこんなことをつぶやいていました。
ダンサセレナータ、カロリーナが面白い(というか私が大好きな設定)役なんだけど、こういう役は若手かわいい枠はもったいないよなあ
— oto (@sat_oto) 2025年9月27日
初演はあーちゃんだった模様
これは若手演技派の娘役さんに一度やってもらいたい、というかカロリーナとルイスの方の物語を見たい
この初演の人物関係図
を見ないと混乱してしまうようなストーリーの主軸にほぼほぼ関わってこないのが、ルイスとカロリーナなんですけど、「温室の薔薇」は愛だけでは生きられない、というのは大好きなテーマなので、このサイドストーリーは見たいよな、と思う部分があるのは、正塚作品の面白いところだったりするから、改めて偶然とはいえ、忘れ去っていたこの作品を見られてよかったな、と思います。
再演を見ることで初演を見直して、改めてイサアクという人の傷や不器用さ、繊細さに気づくところもあったので、まあ、なぜこれを再演したのとは思いますし、もっと詩さんが光る演目があっただろうとも感じますが、とりあえず暁・瑠風体制を打ち出す、という目的は果たせたのかなと思いました。
カルナバル・ファンタジア
『Tiara Azul -Destino-(ティアラ・アスール ディスティーノ)II』
作・演出/竹田 悠一郎

で、ショーなんですけれど、私これを残念ながらチケット取れず泣く泣く配信だけ見たんですね。
で、その時に特に中詰めの戦隊ものみたいな衣装が、大好きな舞空瞳さんの最後なのに、なぜこんなのを着せるんだ、と悲しくなってしまって、多分東京公演の千秋楽配信は見なかった気がするのです。
そんなわけでショーに関しても、ほぼ知識なし状態で見たのですが、とりあえずショーは生で見なきゃ、と改めて思いました。
セットも実際見てみたら、多分、全国ツアー用に簡略化はされているだろうけれど、配信見たときほどの残念感はなくて、全体にとても楽しく見ました。
そして真ん中、暁・瑠風がでかい、スタイルいい!
ショーの変な衣装ってやっぱりタッパあってスタイルいい方が見栄えするので、まずそこで大成功ですよね。
そして瑠風さんがスター!歌は上手いと前情報で聞いていたのですが、大柄なのでダンスも映えるし、なんかそれこそちょっと湖月わたるさんを思い出させたんですよね。
すごく星組にあっているというか、もしかしたらイサアクも瑠風さんの方がニンだったかもしれないなとまで思ってしまいました。(けんか強そうだし、俺様似合いそう笑)
ということで何と暁さんを寿ぐつもりでいったら、瑠風さんに堕ちて帰宅の途についてしまいました。
そして、ありうたコンビは身長差萌えする層にはかなり受けるはず!
すみません、私にはこの萌えがないので、芝居もあわせて「うたち、ちっちぇえ」て感想だったのですが、それでも、ホリゾントめいっぱい使って踊る白い衣装の二人のデュエットダンスがキレイで、ああー新しいコンビの誕生っていいなあ、と幸せな気持ちになりました。
ということで最終地仙台まで、怪我なく元気で公演が終えられることを願っています!
