こんなことを思ったり。ぼちぼちかんげき。

保護猫と同居人と暮らすアラフィフがビンボーと戦いながら、観劇したものなんかを感激しながら記録。

ゾクゾクする舞台@来日公演PIPPIN(ピピン)2015

昨年4月の話。
当時の同僚がNY旅行から帰ってきた。

「PIPPIN、めちゃくちゃ良かったですよーーー!もう一回見たい!」
「あれ、を見たの?きーっ!羨ましすぎる!

と叫びつつ、翌日、初ミュージカル体験だった同僚に2013年のトニー賞のDVDを
無理矢理貸し付けた。(←オタク行動その1)
で、付け加える。
「あれ、9月東京に来日公演来るよ?」(←オタク行動その2)
「マジですか?行きます!」(ファン確保のヨロコビ←オタク行動その3)

いやあ、でもそのくらい2013年のトニー賞映像で、PIPINは飛びぬけていました。
カーテンの真ん中からそっと現れたリーディング・プレイヤー。
2007年の日本版を見ていたので、まず「女性」であることに驚き。
で、次々と2007年の日本版のイメージを覆す衣装で登場人物が出てきて、
バッとカーテンが開いたら、想像もしてなかった、どハデな「シルク・ド・ソレイユ」みたいな
サーカス集団が歌いパフォーマンスするんですよ。
もう、見ているこっちは「ぽかん」ですよ。

で、次に思うことは、そりゃあ
「これ、生で見たい」
ですよね?ね?

それから、
まさかたったの2年で日本にやってくるなんて、 本当、最近のブロードウェイ事情を心配しつつも、ニューヨークまで行けない身には助かります。

というわけで、来日公演のチケットは売れない、というのは重々承知しながらも
絶対、いい席で見たかったので、先行販売の良席確約でチケットを抑え、いざ、東京へ。


分かっているのに、あのカーテンが開いて、サーカス集団が目の前に現れたときは
そりゃあもう、ゾクゾクしました。
すごい、すごすぎる。
まずは客席をぐっとその世界観に取り込む、これこそ演出です。

あ、因みにPIPPINとはこういう話です。

舞台は古代ローマ
ピピンという頭脳明晰で、身分も高く、裕福で、
それが故に、奢りとプライドが高く、不満しか見つけられない青年に、
人生の意味や意義を問う、という内容。

と2007年の私が書いていました(笑)
調べなおしてみたら、ピピンフランク王国の王子さま、が正解なようです。
すみません。
しかし、歴史的な考証はあまり気にしていないみたいです。
ほぼ創作みたいです。
描かれているのは、
「プライドだけ高い無気力な若者」と
「お前は特別な人間なんだよ」そそのかす「何か」。
この「何か」を今回「サーカス集団」にしてきたんですよ。
もうそれがすごすぎる。
パフォーマンスもすごいけど、「何か」をサーカス集団にしようとする発想に脱帽。

さらに、2007年の私が確かmixi日記で、

最後、「普通の日々こそ幸せ」とピピンが「特別な人間」を目指すことをやめて、
未亡人とその子供との生活を選ぶのがちょっと不満

みたいなことを書いた記憶があるのだけど、
その部分を変えてきちゃったのだ!!!
しかも、それこそ、本気で背筋がゾクゾクする内容に!
男のコがサーカスのブランコに座らされて昇っていくあのビジュアルは
もうなんていうか、言葉にできません。
見てください!何とかして!

いやあ、もう、まいりました。
これが、脚色、これが演出です。

ところで、ピピンの祖母役(バーサ)をプリシラ・ロペスが演じていました。
私もプログラムではじめて知ったのですが、
プリシラ・ロペスは
なんと初演「コーラスライン」のオリジナルキャストのディアナだったのです
あのディアナが歌う「演劇学校の先生ってロクなこと教えてくれなかった」エピソードは本当にプリシラ・ロペスの体験談だそうです。
なにより、あの名曲「What I Did For Love」を最初に歌い始めた人ってことじゃないですか!(←オタク度振り切れていてすみません)

まさか、レジェンドが見られるなんて!
感動・・・!
来日公演、ありがとう!

はじめて、がんばって英語でファンレター書いて、劇場に届けようかなとさえ思いました。
が、残念ながら、見たのが千秋楽の前日。時間がなく、泣く泣く断念。

あ、ミーハーして、出待ちしたんですけど、リーディング・プレイヤー役のガブリエル・マクリントンさんが、めっちゃ可愛くてフレンドリーで、すっごく素敵でした、とお伝えしたら
嬉しい!ありがとう!
と返してくれてホクホク。

というわけで、シアターオーブさま、今後も来日公演斡旋を心よりお待ちしております。
とりあえず、「Next to Normal」あたり、来年いかがですか?(←私が原語で見たいだけ)

ところで、2007年当時も、曲が素晴らしいなあ(スティーブン・シュワルツなんで、当たり前なんですけど)と思っていたので、この機会にCDをにぽちっとな。
Pippin (2013 Broadway Cast)
リエーター情報なし
Ghostlight


そして、同じく来日公演を見に行った同僚にそのCDを貸し付けるという留めのオタク行動をやったのでした。