こんなことを思ったり。ぼちぼちかんげき。

保護猫と同居人と暮らすアラフィフがビンボーと戦いながら、観劇したものなんかを感激しながら記録。

ミュージカルオタクの妄想@ロミオ&ジュリエット

昨日、フレンチミュージカルについて熱く語ってしまって、思い出したんですけど、

舞台好きの皆さんって、「やってみたい役」ってあります?

私は裏方思考、表舞台で演じるなんて、絶対ムリ!って人なんですが、
(そんなわけで、舞台に立つ「選択」した人を、それだけでちょっと尊敬してます)
仮に、仮にですよ、一つだけ、ちょっと演じてもいいよ、と言われたら、
やっぱりあるんですよね、「やってみたい役」。

その1つがフレンチミュージカル「ロミオ&ジュリエット」のキャピュレット夫人。

初めて見たのはDVDのフランス版だったんですけどね。
ほら、言語的な問題で、歌うまいなー、ステキだなーくらいしかキャピュレット夫人がわからないんですよ。
寧ろ、ちゃんと「この人がキャピュレット夫人」ってわかった自分を褒めてあげたい。

で、次に見たのが梅田芸術劇場で見た宝塚星組版のキャピュレット夫人。
因みに音花ゆりさんが演じてました。
今は退団されて、妹の相武紗季さんとのツーショット写真とか公開されて、ほんのり話題になったりしてますねー。←どうでも良い情報をすみません。
申し訳ないことに、音花ゆりさんのキャピュレット夫人はほぼ記憶にございません。
言い訳しちゃうと夢咲ねねさん(現:赤根那奈さん)のジュリエットがピッカピカに可愛くてねえ。

ああもう、可愛くてねえ。

えーと、夢中でした。
なんか、すみません。

でも、次の宝塚雪組で晴華みどりさんがめっちゃ好みの女にキャピュレット夫人を作ってきたんですよ!

私の大好物「ブルーブラッドの女」!

俄然くらいつく私(笑)
いやー、晴華みどりさんのキャピュレット夫人はほんと魅力的でしたねえ。
ナルシシズムと青い血が流れた貴族(ブルーブラッド)の女のプライド。
最初の「憎しみ」の歌なんて、冷たい青色が見えましたもん。
けれどもその中にある娘、ジュリエットへの思い。
夫?夫なんて「ブルーブラッドの女」にとって、通過儀礼の一つですよ。
「ブルーブラッドの女」は、愛欲は夫以外で満たすものです。
とりあえず、夫は身分とお金があれば、それで十分。
なのに、お金がない夫への不満。
完璧でした、私にとって。

ついでに新人公演も見に行っちゃったんですけど、
千風カレンちゃんが演じたキャピュレット夫人も面白くてねえ。
千風カレンちゃんのキャピュレット夫人はかつての貴族のお嬢様。
自信に満ちて美しくわがままで激しい。
晴華みどりさんとは逆の「赤い動の女」のイメージ。
当時最も好条件の男を「夫」としたはずなのに、期待外れで不満たまって遊んでる感じがいい!

さらに、初演東宝版、涼風真世さんのキャピュレット夫人がこれまた二人とは全然違って、
ものすごく面白かったんです!

若く美しい娘だった頃の気持ちのまま年を取った女。
そんな女の愚かさがぽーんと前に出ていて、実感を伴って面白い。
浮気をする夫への復讐心だけでジュリエットを産み、自分の世界だけで生きる女。
ちやほやされた少女のままの女。

涼風真世さんのキャピュレット夫人は自分以外にほとんど関心がないんです。
その徹底した浮き世離れ感が涼風真世さんにあうんです。

というか、宝塚時代から涼風真世さんを見てたので、そういう芸風なのはよーく分かってます。
寧ろ、涼風真世さんに合わせて小池先生がそういう風に演出したのだと思います。
だから、このキャピュレット夫人は愚かしく魅力的でした。

そして、だから、ジュリエットが

こういう女になりたくない、
こういう夫婦になりたくない、
結婚だけは好きな人としたい、
あんたたちは親なんかじゃない、

とぶちまけるのも納得できるんです。

ジュリエットが死んで、キャピュレット夫人が思ったのは、
それほどまでに激しい恋をした娘への羨み
だけだったんじゃないだろうかとか思っちゃいましたね。
失った哀しみとかそういうのではなくて、愛に死ぬ人生を選んだ娘が

本当に羨ましい、ずるい。

最後の歌なんで、本当にそんな声が聞えそうで、面白かったです。
人々が反省して、若い二人の死を悼み嘆く最後よりもこのほうが好きです、私。
はい、歪んでます。いいんです。
面白く見れたから。

ところで、キャピュレット夫人の不倫のお相手、ティボルトなんですが、これまたそれぞれ違って面白いです。
一番好きなのは、
フランス版来日公演のティボルトで、
日本語版なら龍真咲さんのティボルト
なんですけど、
万が一私がキャピュレット夫人を演じられるなら、ティボルトは
凰稀かなめさま
でお願いいたします。
ええ、単に好みだからです。天然たらしで可愛いのが好きなんです。
凰稀かなめティボルトに「ティボールト」(最大限色っぽい声)ってお花を投げたいんです!
投げ返されてもいいんです。
寧ろ、投げ返されたいっ!

そんな妄想ができるミュージカルオタク、
いかがですか?
楽しいですよ?(笑)