こんなことを思ったり。ぼちぼちかんげき。

保護猫と同居人と暮らすアラフィフがビンボーと戦いながら、観劇したものなんかを感激しながら記録。

going to…

メゾン・ド・ヒミコ」をとうとう見た。ずっとずっと気になっていた作品なのだけど、周りから感想を聞いたりして、ぜひとも見たかったのだ。レディース・デイなので、覚悟はしていたけど、終わるのが11:25というかなり遅い時間だったのに、立ち見が出るほどの反響ぶり。一体何がこんなに一般人に受けるのか分からないけれど、なんとか最前列ではあったものの、席を確保して鑑賞。

正直に言って、見ながらずっと、私は微かに怒っていたのだと思う。例えば5年前に見れば、100%この作品を楽しめたし、この作品が持っている良さも堪能できただろうけれど、今の私には私の中にずっとくすぶり続けている怒りの残り火にちょっとだけ、風を送る結果になってしまったのが、我ながら悲しい。
私の怒りの原因は、ヒミコだった。ヒミコ役の存在感は素晴らしく、ヒミコは本当にステキで魅力的だった。けれども、残念ながら、私の状況が、ヒミコを「末期癌で死に掛けている、娘を持つ父親」にしか見せてくれなかったのだ。
とりあえず、見終わって思ったことは三つ。彼女がそれだけの苦労をしていることを理解した上で、柴咲コウ演じる沙織がヒミコにぶつける怒りの持つ正当性が羨ましかったこと。子供は親を選べないから、やっぱり自分の子供を生むのは怖いな、ということ。そして、自分の中の怒りの残り火を早く消化させて、大人になりたいな、ということだった。

私の個人的な事情にまつわる感想はさておき、これまた個人的な楽しみどころも三つあった。まず、「メゾン・ド・ヒミコ」の建物と内装がめちゃくちゃ好みでステキだったところ。憧れのヒラヒラブラウスを着たオダギリジョーの美しさ。そして、そのオダギリに惚れる中学生男子のキメ細やかな肌(笑)(登場人物が老人が多い上に柴咲コウがスッピンで肌も汚くみせてるので余計、彼の若い瑞々しい肌にうっとりしてしまったのだ)

個人的な感情を抜きにしたら、淡々と死に向かってゆくヒミコはやっぱりキレイだった。私もこうありたいと思ったし、父にこうあって欲しかった。