3/17(日)15:30~ @京都南座
〈乍憚手引き口上〉(はばかりながらてびきこうじょう)
↑左のゆるキャラは南座マスコット「みなみーな」。初めて知りました。
近松門左衛門歿後三百年
近松門左衛門 原作
近松半二 改作
中村鴈治郎 指導
心中天網島
一、玩辞楼十二曲の内 河庄(かわしょう)
紙屋治兵衛 尾上右近
粉屋孫右衛門 隼人
丁稚三五郎 吉太朗
河内屋お庄 菊三呂
紀の国屋小春 壱太郎
二、忍夜恋曲者(しのびよるこいはくせもの)将門
傾城如月実は滝夜叉姫 壱太郎
大宅太郎光圀 隼人
Jホラー歌舞伎ですっかり大好きになった中村壱太郎さんの美しい滝夜叉姫が、SNSに何度もPRが表示されて「これは…行くしかないか」となった花形歌舞伎。
今回は松プログラムと桜プログラムが用意されていて、でもお目当ての滝夜叉姫は壱太郎さんシングルキャストだったので、演目よりも日時で選びました。
そうしたら開演すぐに壱太郎さんが客席から登場してくださって、いろいろグッズのアピール(筋書を「プログラム」と言ってらしたのも好感)やら、演目の解説やらしてくださって、最後に写真撮影タイムまであって、テンションマックスになったのがいけなかったのでしょうか。
一部の「河庄」、セットもキレイで壱太郎さんの遊女もかわいかったし、近松門左衛門なので、あるあるの「遊女と男の心中物」になりかけるまで、のお話しで面白かったのですが、途中で寝てしまいました・・・本当にすみません・・・。
(一応目覚めたところから見ても話の筋はきちんと分かりました。同行人に聞いたところ、治兵衛がアクシデントでちょっと見せ物みたいになるシーンがあったそうです。)
そんなわけで途中、寝ていた身であれこれ言うのもなんなんですが、右近さん演じる「治兵衛、とんでもねえヤツだな」って感想になってしまいました・・・。
(妻と子どものいる身で遊女と心中しようってのがもうなんか許せない)
小春ちゃんに「そんな男のどこがいいんだよ!」と思わず言いたくなる上方歌舞伎ならではのダメ男っぷり。
でもそんな治兵衛でさえマシだという「こいつに身受けされるくらいなら死んだ方がマシ」となるお客をとらなきゃいけない遊女の身の上が本当に切ない。
最後ずっと泣きっぱなしの小春ちゃんが可哀そうで可哀そうで、イヤホンガイドお得意の「この先に〇〇があるのですが、それはまた次の機会で、今日はここで幕となります」的なことを言われたときに、久々にこの続きを見せてくれ、と思いました。
で、お目当ての二部です。
なんと客電が全部落ちて現れたセットが渋くて格好良い!
そして江戸時代さながらのろうそくの炎だけに照らし出されて、スッポンから浮き上がってきた滝夜叉姫のなんとも妖しく美しいこと!
滝夜叉姫は平将門の娘という設定なのですが、平将門が平安時代前期の人であることを始めてきっちり認識しました・・・。
基本的に義太夫が語り、滝夜叉姫と大宅太郎光圀の舞踊がほとんどなので、ただただその美に酔いしれることができて、後半は引き抜き、派手で身体能力を堪能できる立ち回り、さらにセットの大仕掛けと歌舞伎の醍醐味が45分に詰め込まれたいい作品でした。
壱太郎さん、遊女は普通なのに、なぜかこういう妖しい役のときの色気がすごいし、こういう役になるとなぜか「美」が輝くのです。
対する隼人さんは普通に体格のいいイケメンなので、絵面も大変よく楽しみました。はじめて歌舞伎の人にもきっと楽しい!のでオススメです。
私が寝てしまった前半の芝居もぜひ楽しんでください・・・。
ちなみに桜プログラムは前半が「女殺油地獄」なので、歌舞伎の演出のエンターテインメント性を感じるには、桜プログラムの方がいいかもです。
というのも「忍夜恋曲者(しのびよるこいはくせもの)将門」のラストシーンの舞台写真がほしい!もう「これは絵か!」くらいの、素敵なビジュアルで幕だったのですよ!
(ブロマイドと登場シーンの滝夜叉姫の舞台写真はしっかり買いました!
アクスタはもうワンサイズ小さかったらほしかったのだけど、持ち歩くには大きなと。壱太郎さんはトイレに飾ってくれてもいいっておっしゃっていたけれど、持ち運んで写真撮りたい派なので、松竹さまご一考ください)
舞台写真は終演後は売っていなかったっぽいので、通販はじまったら再度確認したいと思います。
SHOCHIKU STORE | 松竹ストア松竹歌舞伎屋本舗/歌舞伎ブロマイド/2024年3月 南座 三月花形歌舞伎グッズ・ブロマイドSHOCHIKU STORE | 松竹ストア