こんなことを思ったり。ぼちぼちかんげき。

保護猫と同居人と暮らすアラフィフがビンボーと戦いながら、観劇したものなんかを感激しながら記録。

DRACURA

3月8日 アートスフィア
劇団スタジオライフ 
原作:プラム・ストーカー/脚本・演出:倉田 淳
ドラキュラ伯爵:岩崎 大
ジョナサン:姜 暢夫
アーサー:舟見和利/キンシー:佐野 考治/セワード:牧島進一/ミナ:三上 俊/ルーシー:深山洋貴/レンフィールド:倉本 徹/ホーキンズ:藤原啓児/ヘルシング:船戸慎士

ロンドンでルーシー嬢が吸血鬼の襲われる事件とトランシルバニアでジョナサンがドラキュラ伯爵に出会う恐怖体験を交差させる一部、物語が一本になる二部という構成は良い。だが、キャストの演技力の未熟さも目立って3時間はひどく長かった。もう少し整理して、二時間くらいでスピード感をもって見せる方が良いだろう。また舞台もあのキャストには大きすぎたし、物語的にも、もっと古く小さな箱を選んだ方が効果はあったと思われる。

とは言え、スタジオライフワールドは全開で、女性キャラも少なく、男性も成人男性なので、見た目の違和感が抑えられて耽美世界にはどっぷり浸れる。なので、キャスト・脚本・演出ともに再演を重ねて、摩耗されて行けば良いかなと思える。
キャストの演劇力の未熟さは、何よりも動きにある。宝塚の舞台がそれ相応に見れるのは、宝塚独特の動きだったとしても、ダンスの基礎があって、動きが美しいのも一因であるかもしれない。スタジオライフのキャストも身体基礎を先ず身に着けてくれれば、より美しい舞台を魅せてくれるかもしれない。

ドラキュラ伯爵は、動きがまだまだ感があったが、声もよくとおり、何より怪しい美しさを発揮していて次第点。姜くんはもともとの声質なので、難しいとは思うけれど、やはりもう少し声がなんとかならないかなと思う。今まで見た彼の舞台が、常に彼が誰かに愛情を向ける役で、その表現が一途で可愛らしくて好きだったのだけど、今回はドラキュラの愛に気づかずはねつける役で、その魅力はあまり感じられなく残念だった。ただアクションシーンはさすが特撮で鍛えただけあって、格好良かった。
今回の特筆ものはミナ役の三上俊くん。スラリと華奢で女役に違和感がなく、美しかった。男性だけの劇団で、美しい女性を違和感なく演じられるのは徳だろう。今後に期待。