こんなことを思ったり。ぼちぼちかんげき。

保護猫と同居人と暮らすアラフィフがビンボーと戦いながら、観劇したものなんかを感激しながら記録。

音楽座ミュージカル「リトル・プリンス」

12月9日(土)13:30~
新宿文化センター
王子:野田久美子
飛行士:小林高鹿
キツネ:吉田朋弘
赤い花:秋本みな子

初音楽座ミュージカル。まず何より褒められるべき点はローコストなのに、シンプルで変幻自在で美しいセット。とりわけバオバブの木が生えてくる様子を描いたシーンは、砂漠からのはじめてのアクリルのこの美しいセットへの変化が際立っていて印象深かった。逆に衣装がオーソドックスでセンスを感じなかったのが残念。
音楽もキャストの実力もまずまず。なのに、ダンスシーンを魅せてこれなかったのは、振付と演出の工夫が必要。ちゃんと踊れるキャストが揃っているので勿体ない感じがした。キャストも下手ではないのに、何かが足りない。それはオーラと呼ばれるものだろう。群集劇ではなくて、登場人物の一人一人のキャラがたっているので、もっと個人の魅力を出してきた方が見ていて楽しかったと思う。その点でキツネ役は、若さもあっただろうけれど、個性とオーラのかけらを感じた。

全体的に筋らしい筋があるわけではないので、もう少しテンポよく一シーンごとにショーアップした方が良かったと思う。正直に言って、最初のシーンなんて時間を掛けすぎていて、更に暗転の多さ、転換の遅さなのが絡まって眠気を抑えるのがツライところもあった。だからこそ余計に演出と振付にもう一工夫ほしい。何故なら、とにかく、作品がいいから。何より原作がいいから。
ファミリー・ミュージカルよりももっと「nine the musical」みたいに大人の観客を意識した一級のショーに仕上げていけば、この作品の可能性はもっともっと広がるだろう。