こんなことを思ったり。ぼちぼちかんげき。

保護猫と同居人と暮らすアラフィフがビンボーと戦いながら、観劇したものなんかを感激しながら記録。

メアリーステュアート

作 : フリードリッヒ・シラー
脚色:ピーター・オズワルド
翻訳:阿部のぞみ・古城十忍
演出 : 古城十忍
メアリー・ステュアート:平栗あつみ(演劇集団円・平成16年度派遣
エリザベス一世田島令子
美術=伊藤雅子
http://www.gekidankyo.or.jp/sys/per.php?com=details

とにかくセットが良かった。シンプルでセンス良く、照明とともに、物語に上手く溶け込み表情をつける。そのバランスが絶妙だった。目を引く中央上のギロチンは、時代背景と更に国にも合っておらず、その点での微妙な違和感はあるのだけど、物語には良くあっていたので、これも日本での翻訳上演ならではの醍醐味として受け入れられる。

完全なるセリフ劇だから、膨大な量の詩的なセリフが散らばっていて、役者の負担は相当なものだろう。若干負担に感じさせてしまったところ、翻訳の問題か元々の脚本のせいなのか、それほどセリフが印象的に残らなかったところなど、やや残念なところはあるが、役者陣は全体に良くまとまっていて次第点。メアリ・スチュワートとエリザベスの二人の女王は存在感もあり、とても良かった。

セリフ劇に出会うとき、私は最も「演出」ということを感じる。膨大な流れる量のセリフ。そのセリフのどこからどこまでを動き、どこで止まり、どこでどういう振りをするか、二次元の脚本から三次元の舞台への変換は、個人的には大変難しい作業のように感じるのだ。その点に於いて、今回の演出はセリフのリズムや流れを壊さず、絶妙な動きを付け、三次元への変換に成功していて、見ごたえがあった。