こんなことを思ったり。ぼちぼちかんげき。

保護猫と同居人と暮らすアラフィフがビンボーと戦いながら、観劇したものなんかを感激しながら記録。

Cabaret

12月19日 15:30~ Lyric Theatre
Emcee Julian Clary
Sally Bowles Amy Nuttall
Fraulein Schnelder Angela Richards
Cliff Bradshaw Steven Cree
Herr Schltz Barry James
Fraulein Kost Valerie Cutko
Ernst Ludwig Michael beckley

2つの理由で全く期待していなかったショーだった。

1.劇評がケチョンケチョンだった。
2.松尾スズキ版を見て、私の中でこの作品は映画を越えることができないと実感したから。

結果、いい意味で裏切られた。
劇評が悪かった理由はよく頷ける。映画版がこの作品を娯楽になるようギリギリのラインを保ってハイセンスに仕上げているとするならば、この演出はあまりにも猥雑で、見ようによってはあからさまでチープだ。特に最後のシーンの後味の悪さと言ったらない。ただ、全裸の男女が登場するのも、このシーンへのアプローチだと思うと、それだけにやりたかったことが良く分かり、とても衝撃的で、演出が違えばここまで作品が変化することがよく見れて実に興味深かった。

エロス満載。キャバレーというよりSMクラブである。日本の商業演劇でここまでやれる日はまだ遠いと思うから、ぜひともロンドンで体感してもらいたいショーであることは間違いない。

セットはとてもシンプルに優れていて、台形の板が折り重なって交差し、シーンが変化していくのは見事。また、サリー・ボウルズを演じたAmy Nuttallが小粒ながら、ライザ・ミネリの面影のある顔立ちだったので、ライザのサリーしか頭にない私でも受け入れやすかったのが良かった。劇場も古く小さめで作品の雰囲気にぴったり。
何よりこれを見に来る年季の入った観客がMCとともに実によく作品を自然に盛り上げてくれて、本物のキャバレーの臨場感が漂う。外国でショーを見る楽しさを体感したい人に特にオススメしたい作品だ。

ところで、私の隣の席が、祖父母・母・息子(小学高学年くらい)のグループで、キワどい振り付けやキワどさを通り越した裸のオンパレードに、こんなの子供に見せていいの?と勝手にドキドキしたり^^;