こんなことを思ったり。ぼちぼちかんげき。

保護猫と同居人と暮らすアラフィフがビンボーと戦いながら、観劇したものなんかを感激しながら記録。

PIPPIN

7/8 19:00~ 銀河劇場

ピピン相葉弘樹
リーディングプレーヤー:大澄賢也
カール大帝ジェームス小野田
ルイ:宮下雄也RUN&GUN
ファストラダ:北村岳子
カトリーヌ:宮本真希
ピピンの祖母:中尾ミエ

演出・振付:上島雪夫

1970年代の作品とは思えないほど、古さを感じさせず、今また逆に新しさも覚えるような、興味深い作品だった。
一応舞台は古代ローマピピンという頭脳明晰で、身分も高く、裕福で、それが故に、奢りとプライドが高く、不満しか見つけられない青年に、人生の意味や意義を問う、という内容。
音楽がバラエティに富み、ミュージカルらしい心に残るソロやデュエットもあり、楽しく、ダンスはフォッシーの振り付けをちゃんと尊敬した格好良いものになっていて面白い。

いつの時代も若者というのは同じであることを感じたし、クライマックスが少々説教くさい感はあるものの、色々考えさせられる作品なので、ぜひとも高校の学校公演とかに指定してほしいなあと思ってしまった。もちろんセクシーシーンも込みで。
大人になって、この作品のシニカルでアイロニックな部分を楽しむ、のも充分面白いし、そういうのを抜きでも、ショーとして見ごたえのある作品だと思うけれども、やはり大人よりも若者が見る方が、こういう作品は何倍も価値があるんじゃないかと思わずにいられない。

ただ、そのために残念だったのは、全体に歌唱力が弱かったこと。
主役は「若い層を呼ぶ」という大いなる使命があるので、仕方ないとして、アンサンブルもダンスは素晴らしいのに、歌やセリフ回しはイマイチと、どうも実力に偏りがあったように思う。ミュージカルは楽曲あってこそだし、折角の素晴らしい楽曲をそのままに伝えられなかったのは、本当に残念だと思う。

それでも、歌も弱さもカバーしてしまうほどの、大澄賢也のダンスと存在感は素晴らしかった。彼を残したまま、もう少し別の歌えるキャストで、今一度見てみたいなと思う。

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