2/1(金)なんばパークスシネマ
なぜこんなにミュージカル好きになったか、を考えると、きっかけはメリーポピンズでした。
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もちろん
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だって、
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だって大好きでした。
でも「メリーポピンズ」は特別でした。
その理由を「メリー・ポピンズ リターンズ」を見ながら考えたのですが、それは後にしますね。
とりあえず「メリーポピンズ」が大好きなわたしが、この作品のことを知ったのは、リン=マニュエル・ミランダのTwitterでした。
リターンズってついてるってことは、「帰ってきたメリーポピンズ」
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のミュージカル映画化?とか思ったのですが、どうやら違うらしい。
で、勝手に
リメイクか!
リン=マニュエル・ミランダがバートなら見に行く!
と決めておもむきました。
そしてはじまってリメイク版でないことを知りました(^◇^;)
最初に早速リン=マニュエル・ミランダが歌うのですが、この辺りで音楽違う、あれ?とは思ったんですよね。
でもその後のオーバーチュアはみごとにオリジナル版の音楽なんですよ!
そして物語がはじまったらブーム海軍大将が大砲を鳴らして、例の「桜通り17番地」のバンクス家が映って、ジェーンとマイケルという名前が出てくる。
やっぱりリメイクだと思ったら、なんと母親だと思っていたのがジェーンで、父親がマイケルだったのです!衝撃!
ま、そういうことでオリジナル版とは全く違うストーリーと音楽の作品だったわけですが、これは間違いなく「メリーポピンズ」が「リターン」する話しでした。
子どもの頃、メリーポピンズのどのシーンが好きだったかというと、
①ジェーンとマイケルの歌声と手紙の内容
②チムチムチェリーに乗せて、煙突掃除夫たちが屋根で華麗に踊るところ
③スーパーカリフラジリスティックエクスビアリドーシャスのアニメーションのコラボと美しい衣装、カラフルな絵面
だったのですが、リターンズにはオリジナルに劣らないシーンが全部ありました!
笑い上戸のアルバートおじさんに代わる人物と設定もあったのです!
映画館についてから、監督がロブ・マーシャルということも知ったのですが、この時点ですべてのダンスシーンに対する安心感。
しかもフォッシーに憧れた人で、かつミュージカル映画版「CHICAGO」の監督です。
個人的に振付家のつくるミュージカル映画は、ダンスシーンにこだわりがあって見応えがあるので信頼できるのです。
そしてその信頼にきっちり応えるロブ・マーシャル、バンザイ!
フォッシースタイルのショーシーンで、ハットとステッキの使い方がすばらしかったのはもちろんのこと、メリーポピンズのドレスの裾さばきまで美しくて堪能しました。
さらに煙突掃除夫ではなくて街灯点灯夫たちの街灯を使ったダンスシーンは、幻想的かつ迫力満点!!
ああ、このシーンだけでもまた見たい!
そしてそういうダンスシーンがあれば、わたしにとってミュージカル映画は成功です。
その上で、この映画はちゃんと「メリーポピンズ」でもあったのです。
オトナになったジェーンとマイケルが生きているのは大恐慌時代のロンドン。
マイケルには3人の子どもがいるのですが、一年前に妻に先立たれ、哀しみが癒えずにいます。そこにたたみかけるように借金の取り立てがやってきて、思い出つまった「桜通り17番地」の家が差し押さえられるかもしれないという大ピンチ。
そんなときにやってくるのです。
そんなときだから、やってきてくれるのです、メリーポピンズは。
「Saving Mr.Banks」を見たときに(感想こちら→https://stok0101.hatenablog.com/entry/2016/06/13/121000)
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ああ、こうやってどうにもならない現実を無理矢理でも強引でも前に進めてくれる人がほしかったのだな、そしてそれを「メリーポピンズ」として書いたのだなと涙しました。
だからこそ今回の「メリーポピンズ」は「メリーポピンズ」でした。
メリーポピンズは魔法みたいなものを使う。
けれどそれが彼らを直接的に助けてくれるわけではないのです。
まあ今回のビッグ・ベンでのシーンでは、ジャックたちがあんなに苦労したのに、それができるなら最初からやってやれよ、とは思いましたが、それ以外は特に何もしてくれません。
メリーポピンズの魔法はもしかしたら思い込みで夢かもしれない。
辛い現実が見せた幻かもしれない。
メリーポピンズは不可思議をいっさい説明しません。
そしてそれこそが、昔も今もわたしを魅了しているのではないかと思うのです。
この世は辻褄や説明のつくことばかりではない。
それでもみんなそれぞれの方法でなんとか1日を過ごして生きているのです。
映画のメリーポピンズはそれを少し楽しい方へ手伝ってくれるのです。
その楽しいものに「これこれこういう理由だから楽しい」とかいらないのです。少なくともわたしは。
突然におこる不思議を楽しんでしまいたいのです。
そしてこの映画はまさしくそういう映画でした。
最後の幸福感は「Saving Mr.Banks」を思い出すとまた切なさもあり、ただただ涙でした。
(でもPLトラヴァースは絶対この映画も気に入らなかったとは思いますw ただエンドロールでトラヴァース家への感謝の文字が流れたのが、とてもよかったです)
ぜひとも少し心がつかれた日に見てもらいたい映画です。
メリーポピンズがきっと少しだけ元気をくれます。
ところでオリジナル版の「メリーポピンズ」と言えば、ジュリー・アンドリュース。
もはやメリーポピンズとイコールで結ばれてる役を新たに演じるというのはけっこうなプレッシャーな気もします。
でもまあ、ロンドンで舞台版ミュージカル「メリーポピンズ」が上演されたのが2004年のこと。その12月にロンドンで舞台版を見ました。
さらに去年日本でも日本版が上演されましたから、メリーポピンズがジュリー・アンドリュースでなくても耐性はできていたように思います。
それを置いておいても、エミリー・ブラントのメリーポピンズ はステキでした!
厳しそうでキツそうなところは、ジュリー・アンドリュースよりも原作のメリー・ポピンズに近かったのでは。
「プラダを着た悪魔」でハリウッド進出したらしいのですが、見ているのに全然記憶にない(^◇^;)
しかし舞台と映画のキャリアしか見当たらないのに歌がいいんですよ!
わりと低めの声で、発声が強くて歌声に力があるんです。つまり個人的にとっても好みな歌声でした。なかなか日本人には出せない声質。
これは映画のためにちょっと勉強したくらいでは歌えないだろうと思って調べてみたら、学生時代ミュージカルでエジンバラ・フリンジ・フェスティバルに参加していて、そこでエージェントに見出されたとのこと。納得。
(映画の番宣でジェームズ・コーデンの番組に出てるかも、と思って探したらありました!
エミリー・ブラント、エビータ似合う!)
そしてわたしが見に行くきっかけになった、リン=マニュエル・ミランダは文句なくチャーミングでした!
歌も彼の特技を活かしたラップもあったりして、その辺りの進化も楽しかったですね。
ちなみにリン=マニュエル・ミランダは、今や大ヒットミュージカルとなった「ハミルトン」
の脚本・作詞・作曲家で主演までしちゃうブロードウェイ・ミュージカル界の若きスーパースターです。
バンクス家の子どもたちの歌も可愛かったし、
マイケルのソロ曲も切なくてよかったし、最後の最後で「2ペンスを鳩に」も絡まされて、映画「メリーポピンズ」ファンとしては、すみずみまで満喫できる作品でした。
しかしこれ、映画「メリーポピンズ」ファン以外が見たらどう思うんでしょうね。
そして、映画「メリーポピンズ」ファンとしてあるまじきことに、バートを演じていたディック・ヴァン・ダイクが出演していたことにエンドロールで知らされるまで気づきませんでした(^◇^;)
とりあえずブルーレイが発売になったら絶対に買うんですけど、その前にディック・ヴァン・ダイクの登場がどこだったか確かめに、また見に行くべきですかね。