こんなことを思ったり。ぼちぼちかんげき。

保護猫と同居人と暮らすアラフィフがビンボーと戦いながら、観劇したものなんかを感激しながら記録。

ゲキシネ「愛と青春の宝塚」

誕生日の朝も早くから、「愛と青春の宝塚ゲキシネ見てきた。
http://livespire.jp/ai-takarazuka/

原作となったフジテレビのドラマも未見、そして本当に残念ながら舞台も未見。
元々テレビドラマの大石静脚本ということで、展開はベタながらセリフがしっかりしているし、演出も奇のてらいもない王道なので、まず、娯楽作品として楽しめる十分なレベルは作品そのものが保ってる。音楽も、戦時中の話だし、昭和な歌謡曲で作品に良くあってこれはこれでいい。
そして何より「すき焼き」のシーンが、ショーとしても曲としても、舞台としてもすごくいい!こういう突き抜けたシーンが一つあるだけで、舞台作品の価値はすごくあがると思う、個人的に。
(そして、個人的にこのシーン、ツボに嵌ってしまって、笑い続けてました^^;
 だって、わたるくん、モードなスカートスーツでキメキメの男役の振りと表情で、「すきー焼き!日本の宝物~♪」とか歌うんだもん)
さらにこれがショーシーンとしての完璧な一幕だけじゃなく、後々のストーリーにキーワードとして登場するあたり、さすが脚本家、言葉のプロの仕事だなあと。
一考さんの気持ち悪い関西弁以外は、日本の商業演劇としてすごく良くできてる。
(なんで一考さんの気持ち悪い関西弁にこだわるかというと、佐藤アツヒロが何とか我慢できるレベル、わたるくんはさすがに殆ど気にならないレベルだったから、余計、もうちょい頑張って欲しかったの)

それにしても何にしても、これはもうわたるくん演じる宝塚トップスター嶺野白雪が格好良くて、死にそうでした。
最後の戦争から立ち上がろうというシーンは、ボロボロのセットでボロボロの衣装(しかもモンペ)なのに、わたるくんのまなざしから、本物の宝塚の舞台が見えた。それはその当時の宝塚じゃなくて、普通にわたるくんがトップだった頃の宝塚だけど、まなざしの先に大劇場の客席が見えたし、スパンコールの衣装とミラーボールが見えた。それは多分、宝塚の本物のトップスターだけが持てる力で、そして、宝塚を愛してきた観客が見える景色だと思うと、やっぱり、私の人生、宝塚は切り離せない、愛すべき存在だなあと胸が熱くなる、そういう舞台だった。

宝塚好きでない方にはどうかわからないけれど、一度でも宝塚にときめいたことがある方にはオススメ。