こんなことを思ったり。ぼちぼちかんげき。

保護猫と同居人と暮らすアラフィフがビンボーと戦いながら、観劇したものなんかを感激しながら記録。

ヨセフ・アンド・アメージング・テクニカラー・ドリームコート

3/5(土)13:00~ @国際フォーラム ホールC

この作品に対する予備知識はゼロ。子供向け演目として上演されているイメージとアンドリュー・ロイドウェバーのデビュー作だという情報のみ得て赴いた。
海外ミュージカルを見るとき、文化的背景の知識不足により理解や楽しみが減ることがままあるけれど、これは個人的に最もトップにたつものだった。
聖書、のパロディ、なのである。
残念ながら私の聖書に対する知識はゼロに近い。
なので、このストーリーがどこまでパロディで何をどういう風に楽しむのか、本当のところはちっとも分からなかった。
さらに、やはりデビュー作。
まだまだ曲も甘い。
けれども、それでも、ミュージカル調から、ジャズ、ブルース、ロックンロール、カリビアン、タンゴと、ぐるっと世界を旅するような多彩なリズムと音楽と、それに基づくショーシーンは無条件に楽しませるものになっている。

全体的には、子供向けのテレビ番組、みたいな演出になっていて、歌のお姉さんがいて、子供たちにお話を聞かせている作り。セットも凝ってはいないけれど、シンプルに可愛らしく、楽しい。
役者も日本の観客を楽しませようと、観客へのかけ声は全て日本語だったり、その意欲は買えるし、十分に楽しかった。
また、アメリカン・アイドルのファイナリストという主役ヨセフの俳優は、素晴らしく見事な金髪で、個人的に眼福でもあった。

しかし、これはどこにメッセージを放っているのか、聖書の知識がないので純粋に甚だ不思議。というのも、ヨセフが、どう考えてもどう見ても性格が悪いのだ。なのに、兄たちの改心、で終わる終幕は正直、これを見て、子供は何を学ぶのだろう、と思う。
それとも子供向けと謳っているものに対するイギリス人らしいユーモア、だったりするのだろうか。
実際、キリスト教の教育を受けた、英語を理解する子供が、この作品をどう見ているのか、また、その親たちはどうこれを楽しんでいるのか、個人的興味で聞いてみたい。
ヨセフの歌よりも11人の兄たちのナンバーが多彩で魅力的だったことも、まっすぐに見ただけでは分からない秘密がこの作品に隠されている気がした。