5月20日(日)17:00~ オリックス劇場
作・演出 岸谷五朗
大地真央 三浦春馬 森公美子 施鐘泰(JONTE) 小野武彦 藤林美沙 原田薫 SHUN(大村俊介) 折井理子 春川恭亮 他 岸谷五朗 ・ 寺脇康文
初の地球ゴージャス鑑賞となった。その前に「X-DAY」を映像で見ていて、その時は、実に日本のある時代の小劇場劇場公演らしい作品だな、というのが印象だった。それにキャストの得意分野(歌・ダンス)をプラスして、エンターテインメント性をあげている、そのことには感心した。ただ、個人的に好きか嫌いかというと、苦手だなとは思ったのだ。
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さて、今回の舞台はどうかというと、何より素晴らしかったのは、照明だった。いつも私が親しんでいる舞台とは違う使い方が新鮮で、色の合わせ方も面白く興味深かったし、また舞台後ろの中央に置かれたスポットだけが観客側を照らすというのも、個人的には非常になるほど、と思った。
また、原田薫さんの軽やかなタップダンス、大村俊介さんの美しいムーブメント、三浦春馬くんの敏捷な肉体と爽やかさ、大地真央さんの有無を言わせない「真ん中パワー」など個々に楽しめるところは満載で、何もかもを忘れて楽しめる「娯楽作品」を造りたいという意図は十分に汲み取れる公演だった。
笑いの質が合わなかったことは、私側の問題である。
一部が芝居、二部はそれに通ずるショーという構成は宮本亜門さんの「GIRLS TIME」「BOYS TIME」を少し思い出させる。ただそこの差は「ショー」の質である。場面と場面のつなぎ方が非常に悪く、1シーン1シーン毎にぶつぎれの感覚はショーとしてのまとまりを欠くし、1部の芝居の中にあったタップよりも迫力のあるシーンを作れなかったのは残念だった。
客席にいる間は何もかもを忘れて一時の喜びと感動と明日への活力を、これが今回の作品のテーマであり、意義であったと作品から受け取った。しかしながら、その集大成であるショーの質がこれでは、その意味は随分軽くなってしまうと思うのだ。コンサートとショーは違う、そういうことを痛感した公演であったように思った。