こんなことを思ったり。ぼちぼちかんげき。

保護猫と同居人と暮らすアラフィフがビンボーと戦いながら、観劇したものなんかを感激しながら記録。

songs for a new world

8月11日 18:00~ 森ノ宮ピロティホール

浦井 健治 昆 夏美 濱田めぐみ 米倉 利紀

半年くらい前、友人からこのミュージカルのオープニング曲を聞かされた。その時思ったのが、マニアックな曲だな、ということ。複雑なハーモニー、反抗的な旋律。ソンドハイムのような、音、が好きな人間が、自分の中にあるものを駆使して遊ぶように、挑戦するように作った音楽、に私には思えた。そして、その挑戦するような音楽が、歌詞と非常にあってもいるように感じた。新しい世界への歌。
ミュージカルの内容を検索してみたら、いくつかのオムニバスで成り立つミュージカル、だと言う。だから、様々なシチュエーションが繰り広げられるのだろうな、という気持ちで見に行った。

実際見てみたこの作品は、何に近いかというとコーラスグループのライブパフォーマンスではないだろうか。Movin' Outをミュージカルではなく、ビリー・ジョエルのバレエだとカテゴライズする方が私はしっくりきたのだけど、それと同じものをこの作品には感じる。
殆ど一曲で完結する歌によるパフォーマンスは、ミュージカルというよりライブだ。歌手だって、歌う間は演じるわけで、ステージアートの線引きは曖昧だし、カテゴライズに意味はないけれど、そのギャップには少し驚いた。

文句なしに音楽はいい。久々にCDをほしいと思った作品だった。また、4人の出演者の歌もそれぞれに素晴らしかった。でも、たとえばこれを、男女混合のヴォーカルグループでやったらどんな感じになるのだろうと少し思った。グループとしての一体感やまとまり感はこの作品を良く見せるのか、魅力を減らすのか見てみたいと未だに思う。

ライブパフォーマンスに近い、ということは、私の中でショー、でもなくて、身体的な動き方や視覚面での見せ方は少ない。もちろん、作品を通じて全体的なつながりやストーリーのようなものもない。
そうなると観客の集中力を保つのはなかなか難しいなとも思った公演だった。正直に二部は曲の良さや歌唱力を楽しむのとは別に、ステージアートとしては退屈でもあった。意味を重要視しない歌を聞かせるだけの曲があって、何曲か続けて一つのストーリーを見せるとか、やはりダンスも織り交ぜるとか、私個人が、音楽だけを楽しむ能力が低い人間なので、そういったメリハリのある見せ方があれば、もう少し面白く見れたかもしれないな、と思う。

照明は途中でライブっぽいイメージに切り替わったのが面白かった。そちらの方がこの作品には合っていた。セットは予想どおりのもので、もう少し驚きは欲しかったかもしれない。