こんなことを思ったり。ぼちぼちかんげき。

保護猫と同居人と暮らすアラフィフがビンボーと戦いながら、観劇したものなんかを感激しながら記録。

はちゃめちゃの中のリアリティ@Too Young To Die

クドカンこと宮藤官九郎脚本・監督作品を私は勝手に「ミュージカル映画」として認定しています。
そして、「Too Young To Die」も期待を裏切らない、すんばらしいミュージカル映画でした!
【チラシ3種付映画パンフレット】 『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』 監督:宮藤官九郎.出演:長瀬智也.神木隆之介.清野菜名
東宝 アスミック・エース
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話は主人公の高校生・大助(神木隆之介)が修学旅行中に事故で死んでしまったことからはじまります。
その事故を「自殺」と誤って認定されたがために地獄に送られる大助。
そこで、地獄のバンド「地獄図(ヘルズ)」のキラーK(長瀬智也)たちと出会います。
大助に好きな人がいて、彼女に再び会うために現世転生を繰り返すうち、
キラーKがキラーKになった理由を知り、彼のためにも転生に挑戦し続けます。


みたいな、あるようなないようなストーリーがそこにあって、それをギャグとロックが彩ります。
大助が地獄についた途端に出迎えの挨拶として演奏される「Too Young To Die」は最早、プロローグ以外の何ものでもないです!
さらに地獄に来たばかりの大助に輪廻転生を説明する「六道」の歌のくだりなんか、
これをミュージカルと言わず、なんと言おう!

なんてことない物語を音楽とパフォーマンスで彩っていく、本当にすごいです、クドカン
これぞミュージカルの基本です
クドカン、歌舞伎好きなのは分かりますけれど、
この間、阿弖流為を見て、歌舞伎には新感線の方が向いていることを実感したので、
やっぱりぜひともオリジナルミュージカルを作ってほしいと心から願ってます。

この「Too Young To Die」もいわゆる日本の地獄がモチーフなわけですし、でも音楽はロックで、日本オリジナルミュージカル、として舞台化しても面白そうとか思うんですよね。
で、とりあえず、エジンバラフリンジフェスティバルあたりにかけて、世界の反応を見てみませんか、ぜひ。

なんてことない物語と書きましたが、なんてことない、ということは、とてもシンプルに身近にあるもので、
大助に好きな人がいて、その子といい感じになったときに死んでしまう、その切なさも未練も共感できますし、
キラーKの現世での、ダメさ加減と、そこからやっと抜け出せるときに、大切な人に伝えられなかったその悔しさ、哀しさ、みたいなもの

もぐっときます。

たくさんの音楽とギャグに彩られているからこそ、物語がシンプルに浮かび上がって、
妙に感動させられるのです。
個人的には、あのキラーK渾身の一曲は、ギャグにしか聞こえなかったのですが
それがまた、いいんですよ。
名曲じゃない。でも彼の渾身の一曲だった。それがいい。
天国であれが受けたのは、天国が大変に「退屈」な場所だったからだと個人的には思っているのですが、それでも、必死で歌う大助に、妙に心動かされるから不思議です。

ところで、本当に豪華キャストなんですが、メイクが凄すぎて、誰が誰だか分からない
エンドロールで中村獅童の名前が出たとき、
え、どこにいた?
と真剣に思いめぐらし、公式サイトでその真相を知ったとき、
そんなん気づくわけないやろ!
と盛大に突っ込んでしまいました

そんなところも含めてすごいです、クドカン(笑)
これ、DVD買います。
歌詞は相変わらずあれですけど、音楽は恰好いいので
サントラも気になりますねえ。
TOO YOUNG TO DIE! 地獄の歌地獄
ジェイ・ストーム
ジェイ・ストーム


ところで、もう打ち切りギリギリに見た私が悪いんですけど、
グッズがスタジオパンダのマグカップ
【映画グッズ】TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ マグカップ
東宝
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しか残ってなくて残念でした。

そして、鬼フォンとか鬼パッドとかもカバーだけグッズ売ったら売れたと思うのですが、いかがでしょうか?