こんなことを思ったり。ぼちぼちかんげき。

保護猫と同居人と暮らすアラフィフがビンボーと戦いながら、観劇したものなんかを感激しながら記録。

少年性も才能のうち@Catch Me if you can


翻訳・訳詞・演出
荻田浩一

出演
松岡充
今井清隆
菊地美香
治田敦
小野妃香里
戸井勝海
彩吹真央

2011年のトニー賞でこの映像を見たとき、ぜひ音月桂で見たい!
と思ったことを思い出します。
元々映画
キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン (字幕版)
スティーブン・スピルバーグ,フランク・アバグネイルJr.,ジェフ・ナサンソン,スタン・レディング,ウォルター・F・パークス,バリー・ケンプ,ローリー・マクドナルド,トニー・ロマーノ
メーカー情報なし
も見ていたので、ディカプリオの少年性と音月桂の少年性がすごくはまる、と思ったのです。
残念ながらその願いはかなわず、音月桂は宝塚を卒業してしまい、その日本版を作ると聞いたときは、もうちょっと早く彼女のために輸入してほしかった!と悔しく思いました。
なぜなら、映像を見ていただくと分かると思いますが、新しさはないものの昔のMGMミュージカルのような軽快さとヴィジュアルの美しさが際立っていて、とても楽しそうな感じが伝わってくるじゃないですか

話は実話に基づき、少年天才詐欺師を描いています。
この天才詐欺師が、とある事情で家を飛び出し、ウソを重ねながら色んな職業になりすまし、儲けたり、モテたりして生きていくのですが、もちろん、それを追う刑事がいる日本人になじみのルパン3世構造です(笑)


なので、少年の心の機微は描いているものの、全体的には映画から完全なるエンターテインメント作品。
これをミュージカルにするのですから、楽しくないわけがない。

音月桂で見られなかったのは残念だけど、松岡充、ならまあ、という気持ちでした。
というのも、その昔、ブルーハーツの音楽を使ったミュージカル「リンダ リンダ」初演を見たことがあって、ヴィジュアルや歌の良さはもちろん、舞台にたっている姿も様になっていたからです。その後「タイタニック」など舞台出演経験もあるので、進化も期待していました。
寧ろ心配だったのが、演出家。
荻田先生は素晴らしい演出家ですが、どちらかというとウエット&耽美系がお得意。
こんなアメリカ~ンな軽妙さを出せるのか、注目していました。

結果、荻田先生のヴィジュアル面の作り込みの良さが活かされて、松岡充も童顔を活かして好演。
CAのお姉さま方の衣装もステキだったし、セットも、まんま?ってくらい、トニー賞のパフォーマンスのイメージから外れないもので、とっても楽しい作品に仕上がっていました!

というか、こういう「少年性」ってなかなか演技で補えるものじゃないので、松岡充の年齢を考えると本当に素晴らしいと思うのですよ。
実は私は彼に「TABOO」のボーイ・ジョージ役をぜひ演じてもらいたいと思っていたのですが、年月が経つにつけ、無理かなと諦めていたのですが、これを見て、まだいける、と思いました。彼が一歳でも若いうちに「TABOO」、実現しないですかねえ。

というわけで、catch me if you canは映画版と同じくらい楽しかったです!!

唯一文句があるとしたら、ポスター!
あれ、ブロードウェイではこんな素敵なグラフィックデザインだったんですよ。

なのに、あの仕上がり。
同じフォントなのに、どうしてここまでダサくできてしまうのか、哀しくなります…。
(とりあえず、青の文字色とグラデまでは許すとして、なぜそこに白フチつけたあげくにピンクでフクロ文字にしたのか、デザイナーに問いただしたい!いや、きっとクライアントがそうしろとか言ったんだろうなあ、とかまで考えてしまいましたよ)
日本では出演者の顔が入ってないと売れないのを承知の上で、せめてもうちょっとパッとみて「ステキ!あのポスター欲しい!」レベルまで引き上げられないものか、考えてしまうところです。