こんなことを思ったり。ぼちぼちかんげき。

保護猫と同居人と暮らすアラフィフがビンボーと戦いながら、観劇したものなんかを感激しながら記録。

心高ぶるワンシーン@Broadway's lost tresure2

松尾スズキ版キャバレーで、大好きな「Maybe This Time」という曲を物語からひっぺがされ、単独ショーのようになっていたことにショックを受けた私。
しかし、その後、ミュージカルだから、気持ちが高ぶってそこで歌になると思わず、軽い歌謡ショーだと思うと楽しめるとのご意見を見かけ、なるほどとうなりました。
けれども、その晩、待ちに待ったこのDVD
Broadway's Lost Treasures 2 [DVD] [Import]
Hildy Parks,Steven Hecht
Acorn Media

が届き、見始めると、
違う、ミュージカルのワンシーンはそれだけ切り取ってもちゃんとドラマがあって、魅せてくる!
と思い直しました。

それがこの「ラ・カージュ・オ・フォール」のI am what I amです。



タイトルからもわかるように「私は私、私らしく生きていく」というような意味合いに取られやすく、色々な俳優さんが自己解放っぽく歌われたりしています。
また、メロディも素晴らしくステキな曲なんで、本当これ一曲をぽんとコンサートで歌うのにも向いているとも思うのです。
でも、「ラ・カージュ・オ・フォール」をご覧の方はご存知のように、この曲を歌い始める前、主人公はひどく心を傷つけられるのです。
そんな心の痛みを抱えて歌うこの曲には主人公の絶望と哀しみと諦めと現実が全部詰まっていて、そこから自分を鼓舞するような「私は私」という言葉があるのです。
そして、このI am what I amからはそんな主人公の気持ちが全部見えてくる。
華やかな衣装がないのに。(本来、この歌では主人公はドレスを身にまとっています)
この一曲だけで切り取られているのに
これこそ、ミュージカルの歌の魅力で、だから私はミュージカルの曲たちを愛しているのだと思います。

ところでこのDVD、これまでのトニー賞パフォーマンスの中から優れたものをチョイスしているようです。
なので、今もブロードウエイの大スター、パティ・ルポンが若い!
私はパティ・ルポンをこのトニー賞パフォーマンスで認識したので、失礼ながら、若さにびっくり



このROSEの圧倒感、すごいですよね。
これがミュージカル俳優の歌というパフォーマンスだと思います。
DVDでは、エニシング・ゴーズを披露していました。
さすがに若い頃から歌は圧倒的です。
でも、タップはそれほど得意ではないらしく、あまり踊らなかったのが残念。
個人的にはリバイバルのサットン・フォスターのパフォーマンスの方が好きかな。


サットン・フォスターのこのパフォーマンスの素晴らしさについては昔語ってるので控えますが、
涼しい顔してすごいことをやってるプロっぷりがたまりません

そして、否応なくテンションをあげる曲があるのがまたミュージカルらしいところ。
このDVDにはミー&マイガールランベスウォークも入ってて、もう見てるだけで笑顔になって泣けます。
さらに、そんなに好きなミュージカルではないのにこれも何度見ても、自分で歌っても盛り上がるんですよねー。


DVDに入ってた映像は初演バージョンで、ここまで洗練されてないにも関わらず、テンションあがってしまいました。
このONE DAY MOREの破壊力ははからずも昨年のトニー賞で、俳優たち自ら証明しています(笑)


みんな、普通に熱唱、熱演!
そして、楽しそう

さきほど、レ・ミゼラブル初演のパフォーマンスは今ほど洗練されていなかったと書きましたが、CHICAGOはなんと逆パターン。
初演のビリーガールズの衣装のなんとおしゃれなこと!


シースルーとかでごまかさず、美しい肢体を存分に見せてくれています。そして、帽子がおしゃれ!
この初演バージョンのCHICAGOが見たい、と思ったりするから、やっぱり今見れるものは見ておかないといけない気になるんですね。

という東京遠征前の壮大な言い訳でした
チケット代より交通費の方が高いけど、見なきゃいけないんですよ、未来の自分が後悔しないために