9/19(木)18:30~ @SkyシアターMBS

多分、今私が一番感想を書きにくい演目がこれなのです。
日本語版を見たのは、2012年の兵庫県立文化芸術劇場 阪急中ホールの公演が最後のはず。
(これ、ソニンのモーリーンが見たくて、せっかくなので千秋楽にしちゃえとチケット取った記憶があるのですが、マーク賀来賢人、ロジャー中村倫也って本当ですか?全然記憶ないのが悔しい・・・。2010年のマーク福士誠治、ロジャー藤岡正明はめちゃくちゃ覚えているのに・・・!そして2012年以前の日本語版はこの2010年版が割と一番好きかもです。ソニンもモーリーンよりミミのが好き)
来日公演は2009年のアダム・パスカル、アンソニー・ラップが赤坂ACTシアターに来てくれたのを見たのが最後だと思います。
逆に言えば1998年の日本版初演から、そして2000年の初めての来日公演(B〈ベニー〉ツアー)から、そこまでの日本版と来日公演を一通り見ています。
さらに1998年日本版初演のちょっと前にロンドンで「RENT」を浴びて、そのまま当時ピカデリーサーカスにあった「タワーレコード」でオリジナルキャストのCDを購入し毎日のように聞いて、2004年にやっと本拠地ニューヨークのネダーランダーシアターで観劇するという聖地巡礼を果たし、2006年の映画版はRENTきっかけで知り合った仲間と初日の初回に並んで見た青春そのもので、20代~30代前半の人生にともにあった作品なのです。なので作品の感想はありません。だってもう人生において語れるだけ語りました、色んな人と。そして当時のmixi日記でも。
今回の公演は、もちろん山本耕史さんの英語でのマーク役への挑戦を見届けることが見に行った一番大きな理由だったけれど、実際初演のセットを見るともう色んなことが懐かしく感慨深く感無量でした。
そうそうあの頃、ああいう満月のような和テイストの照明が西洋のインテリアデザインで流行っていたなとか、この作品ではじめて個人的には「レズビアン」を認識したな、とか、年頃だったのでそういうことがあった場合、妊娠とともにエイズにも怯えていたなとか、いろんなことを思い出し感慨深い公演でした。
とにかく初演のセットが愛おしくて、Life Supportがあの上で「Will I?」を歌ったりするところや、特に自分でもびっくりしたのですが「Contact」が、そのシーンが来る前から、あの、初演の「Contact」が今から見られるんだ、そうだこれだ、と妙に刹那に訴えかけてきたんです。
(逆に「honest living」はさらっと過ぎてしまったことも驚いたけど)
何より1998年の日本版初演はシアター・ドラマシティでの公演だったのですが、本当に1/3も客席が埋まってなくて、というか明らかにガラガラで、当時のモーリーン役の森川美穂さんが「Over The Moon」で「人数が少ないことは分かっているの!でもだからこそ協力して!」みたいなことを一所懸命言ってらしたことを思うと、熱い拍手と歓声に包まれた今回の大阪公演は、山本耕史さんにとっても感慨深いんじゃないかとか思ってみたりしました。
キャストはこちら↓↓↓

ロジャーだけアンダースタディーでしたが、それでも素晴らしいキャストでしたね。
とりわけやっぱりあのコリンズの低音が、日本版ではなかなかああいう響き方ができないので、素晴らしかったです。
そしてミミが可愛い!チャベリー・ポンセさん、めっちゃキュート!
昔はずっとロジャーと「One Song Glory」に共感し、エンジェルに守ってもらいたいと思っていたのに、どこかのタイミングからか「ミミが可愛い、守ってあげたい」と思うようになって、全然オトナになった感覚はないけれど、若者ではなくなったんだなとはしみじみ実感したりしました。
(もう19歳設定のミミを余裕で産めたんだもんな・・・。Voice Mailのママたちが本来、今、私の姿であるべきだったんだよな・・・)
しかし改めてみるといわゆる「白人」率の少ないカンパニーですね。
でも「RENT」は元々ダイバーシティを描いているのに、当初ピンクブラの女の子しかアジア人がいなかったのが残念だったので、今回山本耕史さんがマークとして入ることで、日本だけとはいえ「アジア人」がメインキャストに入ることは嬉しかったです。
(ユダヤ教で育ったことは歌詞の中ではっきり明示されているので、そこはユダヤ人と結婚したアジア人との子どもとか、ユダヤ系の夫婦に引き取られた養子設定に勝手にしていました)
そして山本耕史さんは恐らくめちゃくちゃ若いであろうブロードウェイのキャスト陣に違和感なく溶け込んでいました。その上で初演のときよりもダンスが上手くなっていて、「La Vie Boheme」の進化に驚きました!ただまあロジャーとの親友感は薄かったのは、いろいろと仕方ないかなと思います。
そしてクリスタル・ケイさんのモーリーンが素晴らしかった!実は「PIPPIN」のリーディング・プレイヤーも見ていて、その時はあんまり感心しなかったのですが、こういう楽曲の方が彼女本来の歌唱力が発揮されるし、そのスタイルの良さも今回の衣装の方が活かされるナゾ。
本当にHOTなモーリーンで、知的パワフル美女のリアン・アントニオさんジョアンとのバランスもすごく良くて、いつからか好きな曲ナンバーワンになった「Take Me Or Leave Me」は見ていてとてもワクワクしました。
しかしもう本当、全部一緒に歌って次のセリフも英語で言えるくらいな状態だったので、笑いの部分で笑っている観客を羨ましく思いました。
私ももう一度「RENT」で笑いたい。どうなるのかドキドキしたい。
そう思ったとき、ロンドンでみた「RENT Remixed」を思い出したのです。
今回の「RENT」の過去への旅は本当に懐かしく楽しく、心震えて泣きました。
でも今「RENT」を見るということは、Netflixドラマ「エリック」を見る感覚と近いというか、同じような感じだと思うのです。昔のニューヨークはこんなに混沌としていたのだという、すごい過去を見る気持ち。
(それとは別に「RENT」好きな方は時代感を感じるには最適だと思うし、ドラマとしても非常に興味深い内容なので、オススメの意味を込めてリンクを貼っておきます)
だから失われたRENTの現代性を、その時々のRemixedを作ることで甦らせる作品があったら、それはそれでステキだなあと改めて思ったのです。
iPhoneで撮影し、You Tubeにアップするマークとか、インスタライブで抗議するモーリーンとかいてもいいと思うんです。私もRENTの分だけ年を取ったので、何が今の若者に訴えるのかは分からないのですが、RENTには方法を変えるだけでまだまだその可能性はあると思っています。
なのでこの先、そういう「RENT Remixed」が見られることをちょっぴり期待してみます。