2/15(土)12:00~ 梅田芸術劇場
1980年~1990年代ALL
宝塚歌劇で「ベルサイユのばら」が上演されてから45周年目ということで、「ベルサイユのばら45」と名づけられたイベントが開催されました。
「ベルサイユのばら」の宝塚OGによる大掛かりなイベントはこれがはじめてで、あと5年待てば、切りのよい50周年目だったにもかかわらず、今開催されたのは、「平成が終わる」ということも少しあるのかなあと思ってしまいました。
というのも、宝塚歌劇で「ベルサイユのばら」が再演されたのが平成元年の8月のことだったからです。
そして奇しくも、わたしの宝塚歌劇観劇デビューでもありました。
だからこの「ベルサイユのばら45」の上演が決まったとき、「ああ、もうあれから30年も経ったのだなあ」としみじみしたものです。
そして、私が平成元年8月に雪組「ベルサイユのばら~アンドレとオスカル編~」に足を運ぶ原因となった大好きな杜けあきさまもご出演なされるということで、久々に当時のドキドキした気持ちで劇場に赴きました。
平成元(1989)年の「ベルサイユのばら」再演は宝塚歌劇75周年・フランス革命200年を記念して興行されたものでした。初演からは15年経っているとのこと。
さすがに初演は生まれる前のことなので、原作マンガ以外の何の知識もなく劇場に行き、圧倒されて帰宅したことだけを覚えています。
夏だったのに、暑かったのか過ごしやすかったのかとか気温や天気のことは全く記憶にありません。
ただ自分の体中が熱くなって、終わったときにはほてったような状態だったこと(母親は冷房で寒かったと言っていたこと)、補助席ながら前から4番目という良席で見せてもらって、終わったあとの客席のじゅうたんに衣装から外れたであろうスパンコールとふわふわの羽が落ちていたことだけを鮮明に覚えています。
そして機会に恵まれもう一度雪組を、連続公演だった星組の「フェルゼンとマリー・アントワネット編」を一度、さらに翌年春の花組「フェルゼン編」を二度観劇し、「ベルサイユのばら」はもういいやという気分になったころ、ダメ出しのように涼風真世さんトップお披露目公演の月組「オスカル編」に杜けあきさんがアンドレ役で出演されるということで、杜さんアンドレの日に一度見に行きました。
もちろん当時プログラムについていた脚本は何度も何度も読み返し(書き写しw しかも原作どおりの順番になるよう3組分組みあわせた大作ww)、もちろんマンガも文字通りボロボロにまるまで読み倒し、テレビ放映された映像は録画して何度も見ました。
平成元年から2年間、わたしは「ベルサイユのばら」にどっぷり浸かりすぎるほど浸かっていました。
あの感動から30年の間に、わたしは一度宝塚歌劇を見ることをやめ、10年ほど前から再度見はじめたのですが、見ていない時期にも、再度見始めてからも「ベルサイユのばら」は下記を含め、3度再演されました。
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けれども例え好きなスターさんが出演される公演でも「ベルサイユのばら」であれば、わたしは見に行きませんでした。
最初の感動を上書きしたくない、というわけではありません。
若い頃2年間「ベルサイユのばら」に浸かりすぎたために、もうお腹いっぱいで入れる隙間がなかったのです。
なのに「ベルサイユのばら45」は大阪公演の初日に駆けつけてしまった。
それはもちろん杜さんが見たかったというのが一番の理由ですが、「私の平成はベルばらではじまったのだから、ベルばらで終わらそう」という気持ちもありました。
そんなわたしの気持ちに応えてくれるような「ベルサイユのばら45」は、公演として突っ込みどころはたくさんありました。あれから30年経って、それなりの数の舞台を見てきた分、わたしも擦れてしまいました(笑)
それでもあの頃「ただ好きで、ただ憧れた」あの気持ちをよみがえらせてくれるものでした。
公演自体の感想は、今週末にもう一度見に行くので、改めてまとめたいと思います。
とりあえずこの日のトークショー(日向薫さん、紫苑ゆうさん、杜けあきさん、一路真輝さん)のトーク部分だけ、思い出せるかぎり書きとどめておきます。
(Twitterにも書きましたが、わたしは瞬間記憶力も耳からの記憶力も低いので、会話はすべてニュアンスとしてとらえてください。会話の順番も曖昧です。すみません。)
日向「ご存知ない方もいらっしゃるだろうから自己紹介から」
(4人一斉に一路さんを見る)
一路「あ、下級生順ですね。平成元年の雪組でオスカルを演じました一路真輝です」
杜「平成元年の雪組でアンドレ・グランディエを・・・、ってもう平成終わるんですね。あれから30年も経ったなんて。ついこの間のような気がして。あ、自己紹介ですね。え、知らない方います?」
日向「いるかもしれないでしょ」
杜「平成元年の雪組でアンドレ・グランディエ、それから今はなんか『全国ツアー』っていうんらしいですけど、わたしたちのときはね、『地方公演』っていってね」
(3人「そうそう」みたいな頷き)
杜「『全ツ』『全ツ』ってなんか電気屋さんみたいですよね。全国ツアーでオスカル・フランソワ・ド・ジャルジェ…ってあってる?(紫苑さん、一路さんに)」
(二人頷く)
杜「あと、涼風真世さん、カナメちゃんのお披露目公演でアンドレを演じました杜けあきです」
紫苑「紫苑ゆうです。平成元年の雪組で特別出演でフェルゼンを演じて、その後ニューヨーク公演で星組には出られなくて、東京公演の星組と花組でオスカル・フランソワ・ド・ジャルジェを演じました」
日向「平成元年星組のフェルゼンとアントワネット編でハンス・アクセル・フォン・フェルゼンと月組さんでアンドレを演じました日向薫です」
一路「ネッシー(日向)さん、わたし、今、思い出しました」
日向「そうだよね」
一路「星組さんでも特別出演でオスカルをやらせてもらって、その時のアンドレは今ここにはいないんですけど、麻路さきさん、マリコちゃんで、ネッシーさんとも『ボレロ』を踊らせていただきました」
日向「そう5人代わりでね」
紫苑「代わりって私の代わりって意味ですか?!」
日向「違うわよ。ちゃんと5人って言ったでしょ。あなたの代わりなら4人って言うでしょう」
日向「みんな原作(マンガ)は読んでた?わたしは当時連載中で夢中になって読んでた」
杜「私と一路は15年前の初演の『ベルばら』を見て」
紫苑「それなら私だって」
杜「違う、違うの。おとうちゃん(紫苑さんのこと。杜さんは紫苑さんのことをこう呼ぶ)は今黙ってて。私は宝塚を知らなくて、テレビで放映された『ベルばら』を仙台で見て」
一路「私は名古屋の一宮市民会館で」
杜「はじめて宝塚を観たの」
紫苑「私は神戸出身なので宝塚はしょっちゅう見に連れられてたんですね。でもあんまり興味がなくて、でも原作の大ファンでそれを宝塚で見て、宝塚にはまったんです。だから今の私があるのは『ベルばら』のおかげなんです」
日向「私はね、初演の星組公演が初舞台でした。だから本科生のころによく見てて。お客様が本当に熱くて」
杜「私たちは再演という恵まれた環境でやらせてもらったんです。もちろん原作のイメージを壊さないようにというのはすごく気を使ったけれど、初演のときは原作ファンの方とのこともあって、大変だったんですよね」
紫苑「原作イメージがあるからね。だって前髪からまつげ出てるんやで。もはや前髪にまつげつけたらいいんちゃうっていう」
日向「そういえば、シメ(紫苑)は鬘を」
紫苑「はい!オスカルの鬘8ツ、ボレロ4ツ作りました!」
杜「自分が憧れた作品にとても大きな役で出演できるって本当に運がいいと思います。この後、スターさんたちが衣装つけてやるんですけど、それを見るたびに感動するよね」
紫苑「どうして私たちは衣装が着られないんだーー!」
日向「まあまあ。でもボレロとかね、思わず一緒に踊っちゃうよね」
杜「そう、この4人はみんなボレロをやっているので、実は後ろで一緒に踊ってるんです。もう衰えたから足踏みだけだけど」
一路「そんなこと言ったら、みなさん思い出して笑っちゃうじゃないですか」
杜「大丈夫。そんなこと忘れるくらい素晴らしいから」
日向「再演の時の思い出とかも話しておく?」
(3人一路さんを見る)
一路「あ、私からですね。私たちは平成ベルばらの最初の公演だったので、前夜祭っていうのがあったんですね。そこで一場面演じることになったんです。で、今みたいなこういうカーテンの裏でスタンバっていたらですね。あの杜けあきさんがね、緊張で震えてらして。もちろん重圧もあったからなんですけど」
杜「違うの。あのって言うけど。一路さんも。あなたが杜けあきさんっていうから、つられるじゃない。いっちゃん。東京でもいっちゃんがこの話をしたんですけど、私、全然記憶になくて」
一路「そう。記憶にないんですって。」
杜「毒殺?毒殺のシーンだっけ?」
一路「毒の入ったワインを飲ませるところ。持ってたワイングラスがガタガタ揺れてたんですよ」
杜「でも、あの、っていうけど、私は、あ、私とかマリコちゃん(麻路さきさん)はドーンってしてるから緊張してないように見えるだけで、本当はすっごく緊張してるの。でもいっちゃんが東京でこの話をしたときに、ちょうど客席にアユちゃん、鮎ゆうきちゃんがいてね、終わったあとお食事したんですけど、アユちゃん『一路さん、あんなこと言ってましたけれど、一路さんの方がもっと震えてましたよ』って言ってたよ」
日向「あ、そろそろ時間が」
杜「ここ、すごく客席近くないですか。東京のときはもうちょっとこのカーテンも後ろにあってね。でも後ろにレジェンドが控えてるから後ろからの圧もすごくて…」
日向「オーラね」
紫苑さん「(カーテンの間から舞台を覗いて)ショーちゃん(榛名由梨)さんが私のせいにせんといてって言ってはる」
日向「関西のノリね」
というところで、無事にトークコーナーは終了しました。
とにかくあの大好きだけが詰まった時代のトップスターさん、2番手スターさんのトークに胸いっぱい、笑いいっぱいで幸せなひとときでした。