こんなことを思ったり。ぼちぼちかんげき。

保護猫と同居人と暮らすアラフィフがビンボーと戦いながら、観劇したものなんかを感激しながら記録。

気楽な笑いを楽しむ@堕天使の戒〜月亭天使落語会

10/1(日)八聖亭 18:30〜
月亭天使、露の瑞
ゲスト林家染雀

たしか、はなしか宝塚のときだったと思うのですが、このチラシを見かけて、すっごく可愛いなと思ったのです。

やっぱりステキなグラフィックデザインて大事だと思うんですよ!
そんなわけで、初、落語会、というものに赴きました。

なんと天使さん自らが受付もされていて、ご挨拶文と番組表をいただきました。
ご挨拶文によると、この会は天使さんの勉強会という位置づけらしいです。
普通の落語会とどう違うのかは分かりませんが、
とりあえず、勉強会は1番若手の29歳女性露の瑞さんからはじまりました。

瑞さんはさすが若いだけあって元気ハツラツ!
なのに、元ネタがあるのか創作なのかは分かりませんでしたが、落語の登場人物を客席の年代に合わせているのがさすがでした。
とは言え、キャンディーズ山口百恵等々、落語の客層はミュージカルのそれよりももう一つ上のところにありそうです
ところで落語の前に枕がもちろんあったのですが、これも楽しかったですね。
師匠のトイレ芯ネタも面白かったですが、瑞さんの41歳の弟弟子が気になって仕方ありません!

そして、今回の主役天使さんの登場です。
枕は「ヅカメンズ!!」でも使われていた「はなしか宝塚」の紹介(多分、トートのナイロンカツラが爆発していく話は落語ファンの方より私の方が何度も聞いてる気がします笑)に今年の「風と共に去りぬ」の初日のカツラ取れたネタをプラスαという感じだったのですが、衝撃だったのが、ゲストの林家染雀さんの件!
林家染雀さんは今年のはなしか宝塚「風と共に去りぬ」で主役のスカーレットをおやりになられていました。
そうです、このスカーレットです。

演技もお上手で、アドリブも素晴らしく、宝塚好きと信じて疑ってなかったのですが、なんと宝塚は大してお好きじゃないそうです
歌が大変お上手で音楽関係の指導を一手に引き受けていらっしゃるため、はなしか宝塚ではなくてはならない存在なのだそうですが、そもそもファンではない。だからはなしか宝塚はビジネスというか、ギャラを聞いたら最早ボランティアの域。
けれど、もう1人のスカーレットをおやりになられた笑福亭生喬さんは大の宝塚ファン。
因みにこの写真では、白いスカーレットの方です。

生喬さん、今年のはなしか宝塚初日で出とちった(染雀さんがアドリブでつないでおられました)のですが、それは落語をされた後、着替えが大変だったからなのだと思っていたら、なんとご自分のスカーレット姿を喜んで写真撮影をされていたら遅くなられたとのこと。その写真が思いっきり私カワイイ♡ポーズで面白かったのですが、どこかにないものですかね。あ、あれ氾濫したら普段古典しかされないらしい生喬さん的にはまずいんでしょうか(笑)

と書いてみたら、月亭天使さん自らtwitterを通じて超チャーミングな生喬スカーレットのお写真をいただき、掲載許可もいただけたのでご紹介します!

どうですか?もうこの生喬さんのお姿を見るだけで愛おしくなってしまいますよね!


でも、確かに同じスカーレットなのに、生喬さんにとっては微々たるものでもギャラももらえて、憧れの衣装を着て、言ってみたかったセリフや歌を観客の前で披露できる場。そりゃあ染雀さんが「好きなことやれて楽しそうでいいなあ」と仰るのも無理ない気がします

と肝心の天使さんの落語の前に、枕ネタが長くなってしまいました
天使さんの最初の落語は創作。実話かな?と思われる天使さんがとある田舎のお祭りに呼ばれて落語をする際の町内会会長とのやりとりを面白く描かれたものでした。
ここで色んな落語の有名作品の名前が出てきたのですが、さすがに他のみなさまは作品名だけで分かっておられて笑いが起きていました。くぅ!分からないのが悔しい!寿限無すら私は中身を知らないので、もうちょっと勉強していけば良かったです。

さて、ここですでに1時間が経過しておりました。
公演自体は2時間くらいかなと思っていましたし、恐らく天使さんもそのくらいを考えておられたようで、中入りという名の休憩をどうするか、と客席に尋ねられる感じがとてもアットホームで良いなと思いました。
最終的には中入りなしで、次のネタに。
これが天使さんが師匠から稽古してもらったという「欲の熊鷹」ですね。
とある街角で擦れ違おうとした2人がお互いを避けようと右往左往していると間に落ちている財布を見つけます。迷った挙句中身をネコババして割り勘しようとなるのですが、入っていたのが5千円札一枚。どこかで両替できないか、と揉めていたらその一部始終を見ていたお屋敷の美しい女性が両替を申し出てくれますが、一向に帰ってこない。あの女性はどういう人なのか、なぜ両替にこんなに時間がかかるのかと当て推量する、ちょっとミステリ仕立てのお話しでした。
面白かったのですが、オチが私にはううーん、でした。難しいな、落語。二千円にする意味が分からない。ご存知の方、教えてくださると嬉しいです。

ゲストの染雀さんの落語は「御神酒徳利」。するすると物語が転がって、最終的には神様とか登場しちゃうあたりが落語の醍醐味を感じました。面白かったです。

そして、中入り後の天使さんの落語「仔猫」が私は1番好きでした。
田舎から奉公に出てきたおなべ。ちょっと見た目はあれらしいのですが、とかく働き者で皆の信頼を得ていきます。番頭さんに至っては嫁にしてもいい、というほど。しかしながらおなべの奇妙な行動が気にかかり、調べてみると、というサスペンス仕立てのお話し。
これの何が良かったって、天使さんが演じるおなべが可愛いんですよ!
見た目はあれかもしれないけれど、気立てがよくて飾らなくて働き者な女のコが見えてきて、いじらしくって、分かりやすいオチで終わるんですけど、番頭さん、おなべを嫁にもらってやってよ!と思わずおなべを応援したくなりました。

で、最後になんと踊りまでついていたんですよね、すごい!
天使さんの衣装替えまでのつなぎとして、染雀さんが「後ろ面」と呼ばれる着物を後前に着て、仮面を後頭部に着け、後ろなのに正面を向いて踊っているように見せるという芸なんですけど、噺家さんてこんなことまでやられるんですね!
本当、芸のプロってすごいです!
後ろ面は昨日からはじまった朝ドラの「わろてんか」でも登場するっぽいので、楽しみにしたいと思います。
最後は3人そろっての踊りが二曲、と盛り沢山な3時間で2,000円は安い!

ぜひまた落語会に行ってみたいと思います。