こんなことを思ったり。ぼちぼちかんげき。

保護猫と同居人と暮らすアラフィフがビンボーと戦いながら、観劇したものなんかを感激しながら記録。

噺家の本気を見た@ヅカメンズ!!

8/26(土) 18:30〜 八聖亭
立川らく次
笑福亭生寿
月亭天使

東西噺家「語ろう!宝塚」ですっかり意気投合したらく次さんと生寿さんが、落語と宝塚トークをする会「ヅカメンズ!!」に行ってまいりました。
今回、昼の部と夜の部の2回あったのですが、夜の部を選んだのは、らく次さんが幕末太陽傳の元ネタ「居残り佐平次」をやってくださるからでした。

ところで、東西噺家「語ろう!宝塚」が落語デビューだった私も、この1年の間に少しだけ落語というものに触れる機会が増えました(まだ主に映像だけですみません。そのうちホンモノの寄席にも行きたいです)。
ということで、「居残り佐平次」が音楽家でいうなれば「大曲」であることを今回痛感いたしました。

さて、今回の八聖亭は福島の商店街の中にあるビルの2階です。
そろそろこの辺かな、と地図アプリと周りを見回していたら、ありました!

宝塚ファンならまあさま(宙組トップスター朝夏まなとさん)が見つめてるチラシを貼っておけば目にとまるはず、という行き届いたご配慮ありがとうございます笑

中に入ると最近の宝塚の音楽がBGMとして流れていました。
これが今回のちょっと残念ポイントでした。
というのも前回は「ド宝塚」な曲が流れていてこれだけでテンションあがったんですが、現在ライトな宝塚ファンな私は、興味のある公演と義理のある公演しか見に行っていないので、BGMがスカーレット・ピンパーネル以外は全然わからない
とは言え客層的には現在がっつりファンて方が多そうだったので、いいのかもしれません。ていうか、そもそもの落語ファンを無視しまくってるのがさすがです!笑

ということで、どこまでパクるオマージュするんだという、宝塚調のアナウンスが流れ、生寿さんと天使さんがご挨拶で登場。生寿さん、なんと黒燕尾です!貸衣装じゃなく本当に自前らしいです、スゲエ!
そこで、真打昇進前に何やってんだか、と言われるくらいのクオリティの、らく次さん自作自前のグッズが紹介され、幕間に「キャトルレーヴ」(宝塚専門ショップの名前)で販売しますと告げられます。マジか笑

まずは天使さんの落語だったのですが、確か初回は4名全員高座には座布団のみでやられていた記憶なのですが、今回、上方落語の天使さんと生寿さんは見台や膝隠しをちゃんと使用されておられました。
分かりやすく東西の落語の違いが見えて面白かったです。
天使さんの演目は、古典を現代に置き換えたもの。今、ネットで演目思い返しながらキーワード検索をしてみたのですが、恐らく元ネタは「雑俳」かな? そうだとしたら素晴らしい現代への置き換えですね!分かりやすくて面白かったです。
そして前説は昨年と同じく「はなしか宝塚」の紹介でした。これも面白い!絶対来年も行こうと思いました。

そして、今回の私の目的のらく次さんの「居残り佐平次」です。
前説がすでにすごい。この演目と宝塚をかけてより分かりやすく説明されているんです。らく次さんは「落語の話の用語も宝塚に置き換えれるんですよ」とその1つとしてみたいな感じでお話しはじめられました。
昔吉原では、初めて遊郭で遊ぶことを「初会」、2回目を「裏を返す」、3回目以降を「馴染み」と言ったそうです。だから「私、神土地(現在宝塚大劇場公演中の「神々の土地」の略)はもう馴染み(3回以上観劇している)だから」みたいに使えますよ、とみたいな内容だったんですけれど、これがまさか「落ち」に繋がってくるとは!
今回らく次さんが演じられた「居残り佐平次」にはいくつかパターン(落語ではサゲというのですか?)があるようなのですが、らく次さんは立川流ですから、もちろん立川談志さんのものを見せてくださったんです。
その「落ち」が、この初会、裏を返す、の意味が分からないと分からないわけですよ。さりげなく宝塚に絡ませながら、ちゃんと説明をしておく技がまずすごいなと。
あと、これは本当についでなんですけれど、宝塚版でも元の映画でも登場する「起請文」も宝塚ファンにもすっごく分かりやすく説明してくださいました。
「起請文」は「お礼状」と一緒!
送った方は商売でももらった方はその気になるモノですね、確かに
まあ落語ファンの方は「起請文」はよくご存知でしょうし、これは今回の「居残り佐平次」には関係がなかったので、らく次さんからの宝塚ファンへのサービスだと思います。(か、ご贔屓さんからのお礼状が手書きで、かつ、ご自分のには他の人にはなかったありがとうございますの前に「本当に」が入っていたことを単に自慢したかっただけなのかもしれません←あながちないとは言い切れないw てか、らく次さん、まんま「起請文」もらった旦那方じゃないですか、その反応笑)

で、始まった「居残り佐平次」がすごかったんです。「居残り稼業」というものが当時よくあって、それがどういうことかということも落語の中でちゃんと説明してくださるので分かりやすい。
最近私が思ったのは、落語は場面や登場人物が増えれば増えるほど難しいのではないかということ。そういう意味では「居残り佐平次」は場面はコロコロ変わるし、出てくる人は多いしで、でもそれを全く混乱させずに見せてくださったのです、もちろん面白く!
見終わって、今、今から「幕末太陽傳」見たい!と思いました。
(思ったんですけど、宝塚で「幕末太陽傳」の演目が決まったときに、本当の落語の回として、使われてる演目をやる公演とかあったらそれなりに人が入った気がします。何と言っても宝塚ファンは勉強熱心なので。公演前だとあれなら、大劇場公演後、東京公演前に東京でやるのもありかと。トップスターさんのサヨナラ公演だったので、熱心なファンは間違いなく全財産はたいてでも宝塚も東京もチケットのある限り通ってたと思うんですよ)
そして、らく次さん自身の顔つきも気迫も、前回の創作落語の時とは全然違いました。

終わって宝塚トークになったとき、昼公演はこの「居残り佐平次」があったから気が気じゃなくて、みたいなことを仰っていたので、最初のご挨拶にも登場されなかったことも、この演目には相当の集中力を要するだろうなと思いました。らく次さん曰く「居残り佐平次」は笑ってもらうのが難しい演目らしいです。でもすごく面白かったですし、実際ドッカンドッカン受けてました。本当に素晴らしかったです。

ここの宝塚トークはらく次さんが現在出演されているカフェブレイクのお話しとか、TCAプレスに載った話でした。(万が一、落語ファンの方でこれを読んでくださってる方がおられたら、TCAプレスとはこういう↓宝塚の無料配布冊子です)

らく次さん、今回大劇場公演を立ち見でご覧になられたそうなんですが、場所取りのために自分のページで折り曲げられたまま、ポンと置かれてたのが切なかったらしいです。まあ仕方ないよね
あと東京の立ち見席との違いも仰ってましたけれど、私は立ち見席はぜひとも東京方式を取り入れて欲しいです(大劇場は一階なのは嬉しいけれど、1人で行ったらトイレもいけない)。大劇場方式に慣れ親しんでいた身には東京で初めて立ち見したとき感動しました。

とかいう私の個人的な感想はどうでもいいです。ここで幕間、机1つ分の「キャトルレーヴ」が出現しましたので、私も購入しました!

中身は「絵と文」です。

因みにお値段100円でした。他にもポストカードや手ぬぐいが販売されていたキャトルレーヴでした笑

第2部は生寿さんの宝塚落語から始まりました。「蔵丁稚」を宝塚ネタでやるという演目だったのですが、生寿さんの「ロミオ&ジュリエット」のヴェローナの歌が凄すぎ、爆笑!!
(あ、前説もはなしか宝塚のことでした。ここで来年のはなしか宝塚はノバ・ボサ・ノバとの発表あり。生寿さんは今からこれに向けて身体をしぼるそうです。結果を楽しみに待ちたいと思いますw)
しかし私はこの辺に師匠との芸の近さを見ました笑
私、偶然、はなしか宝塚で生寿さんの師匠、生喬さんの宝塚落語を聞いておりまして、一言ですがその辺の感想はこちらをどうぞw

その後の宝塚トークのときに、ヴェローナを歌いたくてこれを作ったと仰っておられたのですが、とりあえず師匠も弟子も歌いたいのですね笑

ここからの宝塚トークは、天使さんからのお題にお二人が答えるという方式になりました。
お題が
*言ってみたいセリフ
*かならず泣いてしまうシーン
*好きな専科さんは
*大事にしているグッズは

他にもあと1つほどあった気がするのですが思い出せません、すみません。
因みにらく次さんの言ってみたいセリフは、オスカルの「私を抱け」。理由は絶対に言う機会がない言葉だから。生寿さんは「ガイズ&ドールズ」からのセリフだったので、宝塚版未見の私はちょっと覚えられなかったです、すみません。
らく次さんの「必ず泣いてしまうシーン」が「初舞台生のロケット」で、同感。らく次さんは母性に目覚めたと仰ってましたが、私は宝塚受験できる年齢の頃大ファンだったので、夢を叶えたコたちのキラキラ感に毎回号泣です

しかしこれやってる途中でらく次さんと生寿さんの話が弾んで、らく次さんが「あ、ごめん、今ここにいるの忘れてた。生寿くんの部屋だと思った」的なことを言われたのがツボ笑
お二人がすっかり仲良しで関係ないけど嬉しいです。らく次さんが本当に東京には同じような噺家で宝塚ファンの人がいないから淋しいみたいなことを仰ってたのですが、それに生寿さんがうちは師匠からまずそうですからね、と師匠とのやりとりを紹介。
師匠に落語を見てくださいと言ったら、落語はどうでもいいから、あそこのメラニーの演技が(因みに師匠はスカーレット役)と指導を受けたという話をらく次さんが本当に羨ましそうにご覧になられていたのが印象的でした。

で、その後、配られたアンケート(1.あなたのヅカ自慢は? 2.ジェンヌさんに言われたいズギュンとくる一言)の紹介。因みに一位は「七海ひろきさんに、年下だけどいい?」でした。
(すみません、七海ひろきさんではなく、和希そらさんが正解でした。大変申し訳ありませんでしたm(_ _)m)

最後に今後どうしたいか、という質問がありました。
生寿さんは「バウホールで公演」
らく次さんは「スカステでヅカメンズ!!」

スカステだと入ってないと見れないので、バウホールで「ヅカメンズ!!」はいかがでしょうか?

ところで、このようなもの↓をいただいたのですが
これはうちわではないそうです。
自宅に帰ったら、リボンつけてシャンシャンにして、タカラジェンヌに成り切って遊ぶものらしいです。どうしましょう(困惑)