こんなことを思ったり。ぼちぼちかんげき。

保護猫と同居人と暮らすアラフィフがビンボーと戦いながら、観劇したものなんかを感激しながら記録。

「ただ楽しい」は難しい@パジャマゲーム

10月28日(土) 17:00〜 シアタードラマシティー

ベイブ・ウィリアムス 北翔 海莉
シド・ ソローキン 新納 慎也
グラディズ 大塚 千弘
プレッツ 上口 耕平
チャーリー 広瀬 友祐
メイベル 阿知波 悟美
ハスラー 佐山 陽規
ハインズ 栗原 英雄

演出 トム・サザーランド

最近では「BENT」くらいしか見にいってなかったので、もしかしたらご存知ないかもしれませんが、私は新納慎也さんが大好きでございます。
私の友人からのバースデープレゼントは、とあるときから毎回「NIROCK!」のDVDだったりします。(そのためvol1〜10まで全部持ってます。あ、東京に住んでるときはライブも行ってました。このDVDすごい充実してるのでオススメ!)

そしてこれが私が今回この作品を新納さんのファンクラブに入っている友人(入れよ!というツッコミは甘んじて受けます。でも友人が入った理由が、私への誕生日プレゼントが買いやすくなるから、だからもういいかなと思って笑)にわざわざ頼んでチケットを取ってもらった理由の全てです。
(新納さんのファンクラブ、すんごいチケットの手配いいんですよ。ほとんど良席を用意してくれる)

私が新納さんに心惹かれたのは、奇しくも今回と同じシアタードラマシティーで、はじめて劇団スタジオライフを見に行ったときでした。
この劇団の18番作品「トーマの心臓」に新納さん(この頃はNIRO名義)が客演でサイフリートという役を演じていたのです。
主人公をリンチする悪の上級生なんですけれど、これがもうゾクゾクするほど格好良くて!

で、次にたまたま見に行った「PURE LOVE」というロミジュリを下敷きにした小池先生オリジナル作品(小池先生はこの歴史を消したいだろうなあ、大ヒットさせたフランス版とは比べものにならない出来だったから)で、新納さんが主人公の恋敵で悪いやつをやってたのです。
スーツの新納さんがもう格好良くて!
ここで私は完全に落ちて、これ以降しばらく出演作品を追いかけた気がします。

しかし、新納ファンならご存知のように、新納さんが「イケメン」の役を演じられることはあんまりありません。イケメンの役で今まで思い出せるのが「ミス再婚」くらいしかありません。
いや、イケメンという要素だけなら、スタジオライフ客演作品とか、ウェディング・ママとか、本当に美しいな、この人、と思った作品はあるですが、これらはゲイ役。
あとはマッドサイエンティストとかマッドデンティストとかアフロとかドラァグクイーンとか、なんか変なチョロチョロしてる人とか、そういう役をお得意とされているのです。

つまり何が言いたいかって言うと、私は新納さんの見た目が好きなので、普通のイケメン役が見たかったのです。

ところで、パジャマゲーム自体は恐らく古き良き時代のミュージカルだろうなと思っていました。
でもトム・サザーランドが演出だし、なんとかしてくれるかなという期待もありました。
そして、劇場でこの上演時間を見たときに

上演時間、短い!スピーディーで楽しくなってるかも!と期待したんですよね。

でも残念ながら、トム・サザーランド演出はやっぱりどこか重い。そしてその重さが古き良きミュージカルとはどこかちぐはぐな印象を受けました。

あ、パジャマゲームとはこんな話です。
アメリカのパジャマ工場で働くプレッツたちは、7セント半の賃上げを要求中。そんな中新しい工場長としてやってきたシドは、従業員とさっそく軽いトラブルを起こし、苦情処理係のベイブに出会い一目惚れ。
ベイブもなんだかんだ言いながら、シドに惹かれて2人は付き合うことになるのだけど、労働組合側と経営側の2人の間には、賃上げ要求をめぐる立場の違いから、ことはすんなりと運ばず、トラブルが降りかかって・・・


まあ正しくボーイミーツガールなんですけど、そこに労働者の権利問題とか入ってくるので、単純に「楽しい」だけでは作れないのが、娯楽作品としては残念な感じです。
さらに調べたところ1954年初演なので、古き良き時代の作品にありがちな、同じやりとりを今だと長いと思えるくらい繰り返す、というシーンが多々見られます。この辺をスッキリしてくれることを期待していたんですけどねえ。

まあセットは工夫されていて、それをグルグル回すことである程度見た目のスピード感は見せたのですが、休憩いれて2時間半でも、長く感じさせたのにはもうちょっとワンシーンワンシーンの詰め方が必要だったかなと思います。

でもいいんです。
だってかつてアンサンブルだった新納さんが、今や舞台の真ん中に立って、純粋なザッツ・ミュージカルのラブソングとか歌うなんて、それだけで感動です

金髪でスーツ着て、スマートでピュアに女子を口説く新納さんが見れるなんて

ああもう久々に新納さん演じるシドの一挙一動が可愛くてドキドキ 女性ホルモンが分泌されている感じがしました。
そうそうTwitterにも呟いたんですけど、北翔海莉さんの退団後初の主演作品ということで、北翔海莉さんファンも男性とのラブシーンを見慣れてないとは思うのですが、新納ファンだって一緒です。
ええ、LILIESとかめっちゃめっちゃ濃厚なラブシーン(相手役は松本慎也くん)とかは見たことあるんですよ。でも女性とロマンティックなラブシーンを見るのは初めてだったんですよ!ドキドキしますよ、いろんな意味で!

ということで、まとめると、やっぱりありがとうトム・サザーランドになります。
こんな格好良くて可愛い新納さんを見せてくれて。

北翔さんは二部幕開きのスティームヒートがさすがでした。

ところで、私は勝手になんとなく北翔さんと新納さんのW主演かなと思っていたのですが、カーテンコールで完全に北翔さんが座長で驚きました。
なぜなら作品がシド視点だったからです。
調べてみたら、やっぱり英語版のウキペディアではシドの名前が1番最初に書かれていました。
うーん。
確かに今回チケットが売れたのは北翔さんの人気によるものですし、観客も北翔さんのファンがほとんどでした。
けれどもこういう作品の場合、最後の最後に例え北翔さんの名前コールで起こったカーテンコールでも、お一人ではなくて最後にカンパニー全体を呼んでくれる方が良いかと思いました。主演の人だけカーテンコールに出てきて終わる、という終わり方、正直宝塚以外で私は初めて見たので、とても違和感はありました。