滋賀県甲賀市にあるmiho museumが20周年を迎えたその日に訪れてきました。
といっても、行くことになって調べてはじめて知ったくらい、私は美術館、博物館というものに無知です。
はっきり言うと、苦手、なんです。
展覧会も美術館も博物館も。
置かれているものをぐるぐる見て何が楽しいのだろうと、絵画好きの母親に連れられながら、幼少の頃から思っていました。母、すまん。
そんな素養のない私なので、美術館のことはよく分からないのですが、miho museum、思っていた以上に楽しいところでした。
まず、なんといっても建築物が素晴らしい。
I.M.ペイさんのいう方がデザインされたそうですが、彼の代表的な建築物で唯一私が知っていたのが、これ。
(画像はこのサイトより)
そうです。ルーブル美術館のこの三角のパヴィリオン。これが彼の作品とのこと。
そんな彼が「桃源郷」をイメージして作った美術館がmiho museumなんだそうです。
「桃源郷」なだけあって道のりはハードでした。
いや、バスが出ている最寄駅、JR琵琶湖線石山駅までは別に遠くありません。京都からたったの3駅です。
しかしそこからなんと路線バスに揺られること50分!
しかもバスはどんどんと舗装の荒い山道を登って行きます。既に軽いアトラクション気分です。
ギリギリ二車線、片側渓流で車とすれ違うのはなかなかなスリル感でした。バスに乗ってる私たちじゃなく、きっとすれ違う車の運転手の方が
ということで、車で行かれる方はまあまあ覚悟して行かれる方が良いかもしれません(すみません、私は車の免許すらないのでよくわかりませんが、運転はなかなか難しいようにみえました)。
そんなスリリングな時間を超えてようやく辿り着いた山の上。桃源郷の入り口は、ここ数日の急な寒気の到来で紅葉がはじまっていました。
そして、レセプションでまず入場券を購入。
因みにレストランはこのレセプション棟にあって、食べる気満々で到着したのですが、13時、当たり前だけど、激混みで諦めました。
入場券は大人1,100円。美術館までの行き方の説明を受けます。
徒歩で7、8分。あとは適宜ゴルフ場のカートのような電気自動車が出ています。
私たちは桃源郷への道を撮影したかったので、徒歩で向かいました。
山の中を通り抜けるトンネルの入り口はこんな感じで、今は枯れ木ですが、枝垂れ桜が植えられています。
トンネルの中はまさに近未来!
これが桜の時期にはピンクに、青葉の季節にはグリーンに染まるんだそうです。見てみたい!
そして、ここを抜けると、桃源郷への渡橋につながっていました。
いやあもう、この見事さ。言葉もありません。
そして、見える昔の日本風の屋根っぽい建物がmiho museumなのです。
天気も良く、紅葉もはじまっていたので、彩られてキレイです。
中に入ると、自然光が差し込み、目の前に一面の山と木々が広がる開放的な空間。
ここから山を見下ろすと、まるで王さまの気分です。桃源郷、納得です。
展示自体も面白くて。というより、その「モノ」をどういう空間にどのように置いて、どういう照明や自然光で彩れば魅力的に見えるか、そういったことを全て緻密に計算されているのです。
例えば、日本の屏風だと、ちゃんと畳の上に置いてあったり、神の像が空間の中にぽーんと浮立つようにライトを浴びて置かれてあったり、ものすごいこだわりを感じました。
そして思ったこと。
これだけの建物を立ててよし、とした小山弘子さんとはどういう人だったのだろうと。
どんなに才能があろうとも、実現させてくれるお金を持った人がいなければ、こういったものは作れないからです。
しかも建物だけでなく、美術品の所蔵も含めると膨大な金額です。
I.M.ペイさんは小山弘子さんという最高に理解あるパトロンと出会えた幸運なアーティストではないでしょうか。
ところで、展示会や美術館が苦手な私ですが、ごくたまに吸い込まれる作品に出会うことがあります。
1番最初はニューヨークのMOMAでした。ベタなクリムトの接吻だったのですが、目の前で見ると本当に美しくて、動けなくなった記憶があります。
今回もなぜかそのゾーンの主役の横にいたこの「転法輪印仏坐像」が何かを訴えかけてきているようで、目が離せませんでした。
もしかしたらこういう出会いのためにも、美術館というのはあるのかもしれません。
ところで、レセプション棟のレストランで待ちきれなかった腹を空かせた私たちが真っ先にいったところは、美術館地下一階のカフェでした
サンドイッチもたいそう美味しかったのですが、この金色のオリジナルスプーン&フォークセットに一目惚れ!
売ってないか探し回ったあげく、レセプション棟の方のミュージアムショップで見つけたのですが、なんとスプーンがなくてフォークだけとのこと
泣く泣くフォークだけ買って帰ったのですが、スプーンが諦めきれない。
ということで、再販してくださることを祈りつつ、桜の季節にまた訪れてみたいと思います。
あ、そういえば、開館20周年記念ということで、こんなお土産をもらいました。
なんかこれだけで入場券分より高い気がするのですが、miho museum大丈夫でしょうか