こんなことを思ったり。ぼちぼちかんげき。

保護猫と同居人と暮らすアラフィフがビンボーと戦いながら、観劇したものなんかを感激しながら記録。

天才役は一級品@ミュージカル「ジャージーボーイズ」

10/27(土)17:00~ 新歌舞伎座

フランキー・ヴァリ 中川晃教
トミー・デヴィート 伊礼彼方
ボブ・ゴーディオ 矢崎広
ニック・マッシ spi

太田基裕
阿部裕
畠中洋

綿引さやか
小此木まり
まりゑ
遠藤瑠美子

大音智海
白石拓也
山野靖博
石川新太

演出: 藤田俊太郎

フランキー・ヴァリもフォーシーズンズも知らなければ、この映画の存在も知りませんでした。
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なのになぜ見に行ったか。
アッキー(中川晃教くん)の歌声が満喫できると聞いたからです。
感想。
なぜ、初演時、東京まで遠征して見なかった、私!
と大後悔するほどアッキーの歌声はすばらしく、ライブ感満載の楽しい作品でした。

ジュークボックス・ミュージカルというカテゴリーにはなるようですが、フォーシーズンズやフランキー・ヴァリの往年のヒット曲に違うストーリーをつけているわけではなく、彼らの物語を描いているので、ボーイ・ジョージニューロマンティック世代を描いたこのミュージカルに近いです。
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物語はフォーシーズンズの一人トミーが「天使の歌声」を持ったフランキー・ヴァリを見出すところからはじまります。
そこから起こることは、おそらく多くのバンドやグループが経験することなんだろうなと想像できる内容。
ドン底から成功へ。
そしてそこで起こる価値観の違いと才能と金銭からくる亀裂。
それでも「仕事のため」と日本人にはちょっとわからない「ニュージャージー出身者の連帯感」でグループを存続させていこうとするフランキー・ヴァリ
けれども一度入った亀裂は広がる一方で・・・。


3階建てのセットと、重ねられたテレビに映る映像、1番上に設置された客席が映る鏡に、最初視点をどこに持って行ったらいいのか迷ったのですが、物語がはじまるとすぐに馴染んでしまったのが不思議です。
照明も通常の演劇やミュージカルよりももっとライブ寄りでなかなか面白く、そういう点でも見応えもありました。

またキャストもそれぞれにいいキャスティングで、特に伊礼彼方が個人的には今まで見た役の中でもハマっていて見直しました。
憎めない悪役をできるのは実はなかなかいないのですよね。体格もいいし、王子路線よりもこちら側の役の方が彼に似合っていると思います。
また矢崎広くんをはじめて認識したのですが、かわいらしく、歌も上手でもはや今のミュージカル界の男優はテニミュに感謝しなければと強く思いましたね。
そしてほかのアンサンブルの方々も少ない人数でいろいろな役を演じ分け、好演していました。

でもそんなことよりどんなことより、アッキーなんです!

アッキーは演技は特にうまくはありません。セリフまわしが単調で、ストーリーテラーパートが最後に回ってくるのですが、そこのところは「うーん」という感じではあります。
でもそんなことはどうでもいいのです。

「天使の歌声」というキャッチフレーズをホンモノに感じるあの歌声。
天才を見つけた、という言葉どおりの天性を感じる何か。そしてその天性によるピュアさ。
モーツァルト!」の時のヴォルフガング役がそうだったように、アッキーそのものが「天賦の才能」を与えられた人で、だからこそ「天才」役をやらせると、もう役なのか本人自身なのかわからなくなるのです。

アッキーに与えられたものは歌声だけではありません。
舞台に1人で立って空間を埋めるというのも、努力と環境だけでは身につけるのが難しい能力なのですが、アッキーにはそれがあります。

とりわけ「君の瞳に恋してる」のシーンで、セットがカーテンで遮断され、ミラーボールと照明だけの中で歌い上げ、劇場中を圧倒するとあの華。
物語と伴って、彼はホンモノの天才でスターなんだ、と鳥肌モノでした。
このシーンだけでもこの作品は価値があります。
それにセリフまわしはあれだけど、アッキーって動き方はきれいなんですよね。リズム感が良いせいなんでしょうか。他の3人より振りと歌がバッチリはまってるのが素晴らしいです。

なりより往年のヒット曲が次々と流れて、ショーシーンが多く、楽しい!
観客もライブのノリで盛り上がるし、今年1番楽しいミュージカルショーだった予感がいまからしています☺︎

しかし本当にこの作品、中川晃教がいなければ日本版を作れなかっただろうなあと思うと、彼がミュージカル界にいてくれたことに心から感謝したのでした。