5/12(日)18:30~ 繁昌亭
第1部 落語
月亭 天使 「初天神」
笑福亭 生寿 「秘伝書」
桂 春雨 「昭和任侠伝」
桂 あやめ 「?」
第2部「なりきりファントム」
エリック/ファントム 林家染雀(さざ波乃の)
クリスティーヌ 笑福亭生寿(高原らな)
カルロッタ 桂あやめ(逢坂夕陽)
シャンドン伯爵 桂春雨(小石川みや美)
アラン・ショレ 月亭天使(絹越うの)
少年エリック はやしや香穂(しんまち穂)
年々人気が高まる「花詩歌タカラヅカ」。
なんと今年は発売日に2時間でチケットが売り切れたそうです。
そんなわけで、毎年最前列に近いところで見上げていた舞台を今年は2階席から見おろす形になりました。
これはこれで、舞台のいろんな工夫が見えて面白い!
当たり前ですけれど「繁昌亭」って落語・演芸の専門劇場なんだなと、やっと気づきました。
毎年ながら、舞台転換、セットの出し入れに特にたぶん初日は苦労が見えるのですが、そもそも落語や演芸ってセットないですものね…。
しかし演じられるのはそんな話芸のプロたち。
だもんでセット転換の苦労部分は全部アドリブで笑いに変換。
そんな笑い要素もたっぷりの「ファントム」の様子をご紹介します。
の前に落語ですが、今回は4名とも宝塚にかけた落語でした。
天使さんと春雨さんがそれぞれ今公演中の「オーシャンズ11」を元ある落語に練りこんだ形。
生寿さんが「宝塚歌劇団に関わる秘伝書」。そのネタの1つ「男でも大勢の観客の中で銀橋の真ん中に立つ方法」が、わたしは知らなかったので、それってそんな儀式なのかー、見てみたいと思いました。
あやめさんは好きなタカラジェンヌの姿形にしてくれる整形外科に行く話でした。なんと「カサノヴァ」のプログラムをご持参。
とはいえ、全体にみなさん枕も早口、落語も早巻き。
これも、もはや花詩歌タカラヅカの見どころじゃないかとさえ思います(笑)
ということで、落語はキリッと45分で終わり、中入り後、第2部の「なりきりファントム」がはじまりました。
真山隼人(阿倍野こぶし)さんがHear My Tragic Tale(僕の悲劇を聴いてくれ)を少し歌ってくれたあと、すっかりおなじみになった浪曲でザクっとファントムのあらすじを紹介。
今回から三味線の沢村さくらさんにもジェンヌ名がつきました。桜一花さんをイメージして「一か八か」と三味線の「バチ」をかけた「桜バチ花」さんです。すばらしい命名ですね(笑)
まずMelodie De Paris (パリのメロディー)から華やかにスタート。
この曲、名曲だなあとあらためて。
安定のトップ娘役・生寿さんもかわいい。
カルロッタと衣装係がオペラ座を探索するシーンもあります。
あやめさんのカルロッタ、ものすごく楽しそうでイキイキしています(笑)
そして生喬師匠キャリエールがいきなりオペラ座の支配人を解雇されるシーンへ。これは本編と一緒なのですが、こまかいやりとりは割愛。まあここは解雇された事実がわかればいいので、問題なし。
その後のエリックとキャリエールのやりとりの中で聞こえてくるあやめさんカルロッタの歌声が絶妙すぎて爆笑。音をお聞きいただけないのが残念です。
染雀さんのエリックはとにかくかっこいい。
さらに歌も、当たり前だけどうまい。
Where In The World (世界のどこに)すばらしかったです!
さて無事オペラ座で働けることになったクリスティーヌがファントムに出会うシーン。
染雀さんが歌う間、お針子の振りで笑いをきっちり取る生寿クリスティーヌ。
染雀エリックに「歌のじゃまするな」的に怒られていました(笑)
でもとりあえず歌の稽古をつけてもらうことに。
あれ?ファントム素顔!?
これはとりあえずファントムとクリスティーヌの間にカーテンみたいな仕切りがあって、お互い顔を合わせない設定なのかな?
と思っていたら、のちに仮面を忘れていることを暴露されました(^◇^;)
それにしても染雀さんが歌唱指導の先生なので、生寿クリスティーヌと常に「師弟感」が出るのがこの辺りではすごいいいバランスです。
無事クリスティーヌの歌のお披露目もすみ、
カルロッタから怪しげな薬を飲まされ、
オペラの舞台本番へ。
声が出ないシーンのクリスティーヌの演技!顔!(笑)
しかし笑ってばかりはいられません。
ここでふっとよぎる本物の一幕終盤のシーン。
そうファントムがシャンデリアを打ち落とす迫力のシーンです。
あ、シャンデリア、階段から降りて堕ちた!
爆笑のまま、一幕終了。そしてすぐに二幕がはじまります。
浪曲での説明後、キャリエールの昔語りへ。
キャリエール、若いころの方が恰幅がいいです(笑)
生喬師匠のキャリエールは、キャリエールという役本来がもっているはずの貫禄とかそういうものが宝塚版より出ていてよかったです。
そして、わたしが宝塚版で好きではなかった「私が耐えられなかったのは、彼女が彼をこの上もなく美しいと思っていることだった」的なセリフがなくなっていたのが最もよかったです。
これ本当いります?
まあキャリエールのエリックに対する今までの対応は、このセリフがあることで納得はするんですけど、キャリエールの残酷さというかそういうのが強調されすぎる気がするんですよ。
なのでこのシーンは花詩歌タカラヅカ版の方が個人的に好みでした。
はやしや香穂さんのエリック少年はかわいいし。
残念ながらエリックがとっておきの場所をクリスティーヌに紹介するシーンはまるっとカット。
まあ時間とセット上、しかたないと思います。
カルロッタとファントムのシーンで、ファントムがまちがって「クリスティーヌ」というと「カルロッタやで」とミスは絶対逃がさないあやめカルロッタ。
そこからアドリブ合戦の爆笑殺害シーン。楽しかった!(笑)
そして雪組版でまあやクリスティーヌに感動したMy True Love (まことの愛)へ。
生寿さんはがんばっていました。はい。
しかしすでに一幕で仮面なしの素顔を見てるはずなので、歌の意味がない(笑)
染雀ファントムも台無しやないか、と自虐アドリブ。
そして逃げたあとのシーンが最高!このセット!
あやめカルロッタが発見され、追い詰められたファントムとキャリエールのYou Are My Own (君は私のすべて)がまた良かったんですよ。
やっぱりキャリエールがファントムより年上感が自然にでるのは落ち着きます。
生喬師匠キャリエールの愛に泣きます。
この辺のやりとりはさすが二人ともプロフェッショナルです。
そして怒涛のエンディング…。
なんか知らないけど、感動してしまいました。
けれどその感動を一瞬にして吹き飛ばすエトワール(笑)
そしてパレード&客席降り。
2階席にも生喬師匠とショレ役の月亭天使さんがいらしてくださいました!
そういえばショレとカルロッタの軽妙なやりとりはほぼカットだったのが残念です。あの辺も噺家さんたちの方がうまくできそうですよねえ。あ、だからカットなのか(;^ω^)
そして時間は21時25分。
なんと繁昌亭は21時半を過ぎると15分毎に5,000円追加料金が発生するしくみだそうです。
でもオリジナルソングで締めて、21時半きっかりに終わりました。すごい!
本当、役替わり公演の千秋楽が見られないのが残念でたまらないくらい、満足の3時間半でした。
次の喜楽館、勝手にベルばら45周年を祝う「ベルばら名場面集」も楽しみです!
あ、観客は大多数が宝塚ファンのようでしたが、万が一宝塚の「ファントム」見てないぞという方がいらしたら、こちらの映像をどうぞ。
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ストーリーはともかく、まあやクリスティーヌの「My True Love (まことの愛)」は聞く価値ありです!ぜひ!