こんなことを思ったり。ぼちぼちかんげき。

アラフィフ負け犬がビンボーと戦いながら、観劇したものなんかを感激しながら記録。

魅力的な音楽とヒロイン、それだけで充分@宝塚宙組「アナスタシア」

11/21(土)15:30~ 宝塚大劇場

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制作
脚本:テレンス・マクナリー
音楽:ステファン・フラハティ
潤色・演出:稲葉太地

キャスト
ディミトリ 真風 涼帆 
アーニャ 星風 まどか 
グレブ・ヴァガノフ 芹香 斗亜 
マリア皇太后 寿 つかさ 
アレクサンドラ皇后 美風 舞良 
ヴラド・ポポフ 桜木 みなと 
リリー 和希 そら 
ニコライII世 瑠風 輝 
ロットバルト 優希 しおん 
オデット 潤 花 
ジークフリート 亜音 有星 

原作はこちらのアニメ映画になります。

 

アナスタシア (字幕版)

アナスタシア (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

 

ディズニーアニメと思われがちなのですが、監督はドン・ブルースとゲイリー・ゴールドマン。でも元ディズニースタジオで働いていたので、タッチも展開もディズニーっぽいです。
このアニメの主題歌「Once Upon a December」が1997年公開当時から大好きだったこと、消えた皇女アナスタシアの伝説に興味があったことで見に行きました。
ラスプーチンがディズニーヴィランズみたいな描き方をされていることに驚いた記憶があっただけに、今回はじめてミュージカル版を見てラスプーチンがいないことに驚愕。
残念ながら東宝版は見られていないので、ブロードウェイ版と宝塚版がどう違っていたのかはわからないのですが、アニメ映画よりももう少し時代背景や人物描写に踏み込んだ内容になっています。


1906年ロシア。革命にのみこまれたロマノフ王朝ボリシェビキによって王家は一家惨殺されたが、末の皇女アナスタシアだけが生死不明のままとなっていた。
それから10数年後、ボリシェビキが政権を握るサンクトぺテルブルク。世の中は不安定なまま、市民は貧しい暮らしを強いられていた。
記憶を失ったまま下働きをしていたアーニャと偶然出会ったボリシェビキのグレブ。
彼の誇りは父親がロマノフ王家惨殺に携わり、新しい世の中を作ろうとしていたこと。
そして自分もその意志を引き継いで、革命を進行させていくことを決意していた。
一方で、孤児だったディミトリとかつて貴族だったヴラドは、詐欺を働きながらその日暮らしをしていた。二人は、パリに住むロマノフ帝国のマリア皇太后が孫娘アナスタシアを見つけた者には莫大な報奨金を与えることを知り、大公女アナスタシアを仕立てあげ、パリへ行き、報奨金をもらおうという計画を立てる。
アーニャは「何かが自分をパリへ呼び寄せている」と感じていて、パリへ行くために出国許可証を取りたいと考えていた。ディミトリなら出国許可書を取るのに協力してくれるというウワサを聞きつけ、ディミトリとヴラドの元にやってくるアーニャ。
アーニャを「大公女アナスタシア」に仕立て上げることにしたディミトリとヴラド。計画は順調に進んでいるように見えたが、本物のアナスタシアならば殺さねばならないとアーニャに告げるグレブ。
さらに出国許可証の値段は高騰し、なかなかロシアを出ることができない三人。あきらめかけるディミトリにアーニャは信頼の証を見せ、三人は一路パリ行きの列車に乗る。それを追いかけるグレブ。三人は無事にパリでマリア皇太后に会うことができるのか・・・。

 

アニメ映画が大好きだったくせに、2017年度のトニー賞の映像とその受賞結果を見て、舞台には全く期待していなかったのですが、なかなかどうして、大変面白い作品でした。
何よりやっぱり音楽がいい!
主題歌がキャッチーで美しいし、その他のミュージカル化によって付け加わった曲も豪華でいい曲揃いです。
そして音楽が良ければミュージカルはほぼほぼ成功しているのです。
哀しいけれど、日本はやはりまだまだ「ミュージカル曲」の作曲には長けていないのだなあと思わざるを得ませんでした。
エンターテインメントミュージカルとしては、見ごたえも、聞きごたえも楽しみも多いにある良作だと思います。

そしてこれを見ごたえのあるものにした最大の理由は、タイトルロールを演じた星風まどかさんでしょう。
この作品で初めて拝見したのですが、芝居のときの声がいい!男役音域に合わせて歌の音域が高くなってしまうのが残念なくらい、ステキな声でした。もちろん高い音域の歌も歌いこなし、かつ強く可愛く気高いアーニャにすっかり魅せられてしまいました。

まどかさんに比べると他のメインキャストの歌が劣ってしまうところが残念なのですが、コーラスは絶品。オケなしの状況がつくづく残念だったので、またこのタイトルロールを演じられるようなトップ娘役さんが登場されたら、ぜひ再演してほしいです。

 

歌や芝居はともかく、アーニャが物語の中心にいるのに、真風さんの余裕のスターっぷりがさすがです。町娘の「あんたがハンサムじゃなかったらこなかったわよ」みたいなセリフがあるんですけど、思わず「そうそう、納得」と思わせる、これこそトップスターなのです。
さらにとあるシーンの歌で「孤児である淋しさ」を感じさせたのがいい。こういうちょっと母性本能をくすぐるような役をやらせると真風さんは本当に抜群ですね。

 

ヴラドの桜木みなとさんは、本来もっと年上の役をがんばって演じていたと思います。真風さんとの芝居の呼吸の合い方もよかったし、役柄的にも場を明るくしてくれていました。
そして本来であればヴラドと同じく、もっと年配の女性だったはずのリリーを演じていた和希そらくん。男役なのですが、見事な女役っぷりで歌もダンスも素晴らしかったです。
寿さんのマリア皇太后も自然で威厳もあってステキでした。

パリ・オペラ座で「白鳥の湖」を見るシーンがあるのですが、ここでロットバルトを踊った優希しおんくんがうまい!

コーラス、歌、ダンスとそれぞれ得意な人が得意分野を披露できるので、役は少ないとはいえども、割とこの演目は宝塚歌劇にあっていると思います。

 

ところでセットも衣装も色合いはさすが稲葉先生でキレイだったのですが、 

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これ↓↓↓を見るとやはりセットや衣装の予算の違いを感じてしまいました(涙)

アニメ映画を見直すと、アーニャは「パリで会いましょう」と書かれたネックレスを子どもの頃から身につけていたのでパリを目指した、となっていて、この方が「なんとなく記憶のどこかでパリに行きなさいと言われている気がする」より納得でした。

さらに子どものディミトリが、皇女アナスタシアを救おうとした際に、マリア皇太后からアナスタシアに贈られたオルゴールを拾ったというアニメ版の設定の方が、蚤の市で買ったものが何故か本物だったより自然な気がしました。
この辺はきっと元々のブロードウェイ版はそうなっているだろうから変えられないとは思うのが残念。


でも分かりやすいアニメ映画よりも、ラスプーチンを排しグレブにその部分を変換したことで、1つ踏み込んで「人間」を描いているのには好感を持ちました。
 
もう一つ個人的に残念だったことはフィナーレでしょうか。
主題歌「Once Upon a December」はいわゆるウィンナワルツのリズムなので、普通のデュエットダンスよりも、がっつりペアダンスを見せられるとよかったのになあと思います。

それにしてもロシアを出るときの「We'll Go From There」は曲調は切なげなのですが、今回聞いた歌詞ではとても宝塚卒業のときに歌うとまた違う意味で似合うと思ったので、著作権の関係で難しいだろうけれど、これからも歌い継がれていくといいなあと思いました。

 

ところで本来、初夏頃に上演されるはずだったこのミュージカルなのですが、季節感的には今の時期の方がよいのです。

主題歌も「Once Upon a December」、12月の観劇はピッタリ!

12月公演のチケットは11/28(土)から発売されますので、ぜひご覧になってみてください。

こちら↓↓↓から簡単に買えますので、本当にぜひ!

https://www.takarazuka-ticket.com/sp/index_general.html

見て損はない作品です!