こんなことを思ったり。ぼちぼちかんげき。

保護猫と同居人と暮らすアラフィフがビンボーと戦いながら、観劇したものなんかを感激しながら記録。

お嬢様になりきれるかが勝負@執事喫茶

密かーにジャンルを増やしていたのですが、
万が一、なんだこれ、とか思ってくださっていた方がいらっしゃったら、お待たせいたしました。
とは言え、観劇とは何も関係ありません。
なんか、すみません。

東京に住んでいた、いわゆるアラサーの頃、
好奇心のままに色んなところへ赴いていたら、
友人に「順調に大人の非常階段を登ってるね」と言われ、愕然としたものでした。
アラサー、本来ならば、大人の階段を登ってしかるべし、な時期に、違う階段ばかり登って、今、

fat, unsuccessful&poor, getting older

な人生を送っております。

でも、せっかくなので、あの頃、行った面白い場所を紹介してみようと、こんなジャンルを設けてみました。

ということで、1回目はまだ緩やかな非常階段、
執事喫茶
です!
お帰りなさいませ、お嬢様!と迎えてくださる、アレです。
けれど、他に行ったどの場所よりも、私にとってハードルの高い空間でした。
なぜならば、私はド庶民だからです。
まず、お嬢様、と呼ばれることが恥ずかしいです。
そして、違う自分を演じることを楽しめるタイプじゃないからなのです。

訪れた執事喫茶はこちら。
スワローテイル
http://www.butlers-cafe.jp

そこへ足を踏み入れたら、
玄関前の待合室らしき場所さえも、アンティーク風のソファと調度品が置かれており、上質に整えられた空間が広がっています。

また内部は、空間にゆとりがあって、
揃えられた食器類なんかも華やかに展示されていて、でもけして華美ではなく、落ち着いた瀟洒な印象。
普通の喫茶店ティールームからは一線を画した空間であることは確かです。
壁を背にした半個室の二人席の後ろには、洋書の絵本が置かれていて、英国マナーハウスのよう(←行ったことないけど)。
空間まるごとおもてなし、の心意気がびんびんに伝わってきます。

そして、有名なブランドティーカップを選んでもらえるのは、私の中の少ないオトメゴコロがトキメキます。
さらに、紅茶もサンドイッチもケーキもそこそこレベルで、スコーンは私の中ではかなりの高位置に付く味だったし、それであの値段なら、納得という感じでした。

ただ、問題は、そのシステム。
というか、私が
「何もかもをやってもらわねばならない」こと
を不自由に感じる、根っからの庶民気質なのが問題だったのです。

アフタヌーンティーの三段重ねの皿が、持ってこられると
「どのお皿からお召し上がりますか?」
と聞かれるます。
そして、次のお皿に行く場合は、執事が取りかえるので呼び鈴を鳴らして呼べ、と伝えられます。
紅茶の継ぎ足しも、常に執事の仕事。

あのう、私、サンドイッチ食べながら時々スコーンとかしたいんですけど…。
紅茶も自分で良い分量を自分で入れて構わないんですけど…。


とか、ここでは一切思っちゃダメ!
とりあえず、心底「お嬢様」に成りきる、精神的演技力を要求されます。

さらに、個人的に最も羞恥プレイだと思ったのが、お手洗いです。
お手洗い行くのも執事が案内するから呼べといわれます。

えっと、お手洗いとか、一応乙女としてあんまり個人的に男性に告げたい種類の行動じゃないんですけど…。

さらに終わったら、出入口付近の赤い絨毯で待つように指示されます。お嬢様なのに、待たされます。席に着くのも案内するから、勝手に帰っちゃダメなのです。
執事の手があくまで、所在なげに赤い絨毯に立っているあの時間は羞恥プレイ以外のなにものでもないと思うのです。

自分のお嬢様としての適性のなさを痛感いたきました。
私には観光客がいっぱいのフォトナム&メイソンのティールームで十分です。
空間は本物だけど、大柄なおばちゃんたちが、愛想もなく、ボンボンとティーセットを置いてってくれるあれでいいのです。
重くてでっかいティーポットを自分で注ぐくらいがちょうど良いのです。

でも、根っからのお嬢様や、お嬢様を演じてみせるわ!という方は楽しいはずです。
ぜひお試しくださいませ。