こんなことを思ったり。ぼちぼちかんげき。

保護猫と同居人と暮らすアラフィフがビンボーと戦いながら、観劇したものなんかを感激しながら記録。

歩こ、歩こ。

昨日会社が早めに終わって、雨も大丈夫そうだったので、外苑前から新宿まで歩いてみた。のんびり歩いて約40分。多分、どっかで遠回りしているが、思ったよりも早く着いた。自然の中のハイキングとかは、こと苦手なのに、街を歩くのは好き。色んな店や会社や、ふと現れる鳥居や、高架下の落書きやポップアートを眺めながら進む。こそっとある蕎麦屋の玄関に置かれている小さなたぬきの置物がやけに可愛らしく、雰囲気があった。

例えば、リフレッシュする場所、というのがある。大概は自然の中だったり、水辺だったり、いわゆるマイナスイオンが発生するところが上げられる。でも、私の場合、水辺はともかく、緑の中や土の道なんかはあんまりリラックス出来ないのだ。それどころか、鳩がいると、必要以上に緊張を強いられ、心臓がちぢむような思いをすることさえ、多々ある。それよりも、私は、例えば大阪だとミナミとか、ネオンがあって、本当に色んな種類の人間が歩いている場所に行くとほっとする。何故か分からないけれど、生きかえったような気分になるのだ。色んな人がいることに、そして、色んな人が生み出している様々なものを見るとなんとなく元気が出たりする。

そういえば、旅行会社時代に、それはもう、様々な景勝地を巡った。仕事だから、というのは多いにあるし、添乗は最も私の苦手分野の仕事だったので、常に気分は重かったせいもあるけれど、美しいその景色に、心から感動した、というようなことはあんまりなかった。そんな時、クリスマス前のハウステンボスに行くツアーの添乗の仕事があって、ハウステンボス内タクシーの運転手さんに勧められて、たまたま、クリスマスショーを見たことがあった。11月の長崎の夕暮れ時。まだまだ、ほんのり暖かさが残っている頃だった。ハウステンボスの中央あたりにある広場にスケートリンクがあって、そこから、ショーが始まった。そして、クライマックスにセント・ニコラスが白い衣装で登場。杖を振ると、クリスマスツリーが点灯。あっという間に園内が次々とライトアップされ、それは仕事で疲れきっていた私にとっては、一瞬のファンタジーだった。その時に思い知らされた。ただそこにある美しい自然よりも、人間の手でアイデアで生み出されたものが、私はやっぱり好きなんだな、ということ。誰かが生み出した、石のたぬきの形の小さな置物。そして、蕎麦屋のモダンな数奇屋風の店構え。生み出された空間。昨日見つけた、小さなアートがなんとなく、元気をくれた。


ボーイ・ジョージの本をのんびり読んでいて、「Good poeple do some really bad things」という引用が出てきて、深く頷く。「Bat boy the musical」のモチーフの一つもまさしく、このことだった。前回の本もそうだったけれど、彼の本にはところどころ、心から頷いてしまえる部分が出てくる。だからこそ、彼のミュージカルに多いに共感出来たのかもしれない。