こんなことを思ったり。ぼちぼちかんげき。

保護猫と同居人と暮らすアラフィフがビンボーと戦いながら、観劇したものなんかを感激しながら記録。

憧れの職業かもしれない。

昨日、日曜日から遊びに来てくれていた幼馴染を途中まで送って、ジムに行った帰りに、化粧品の買出しやらなんやらで、原宿を経由して帰った(←原宿の使い方を誤っている気がしないでもない)。原宿と言えば、私の最もお気に入りの場所は「BOOK-OFF」原宿店。広々とした店内と豊富な品揃えは、私が今まで行った「BOOK-OFF」でもナンバーワン。例え、手持ち金が少なくても、入らずにはいられない魔性の場所なんである。
だいたいは二階の文庫本売り場に直行するのだけど、なんとなく昨日は漫画が読みたくなったので、漫画文庫の棚を覗いていて、買ってしまったのが風の城砦(カスバ) (第1巻) (白泉社文庫)と二巻。
河惣益巳さんの作品はたいがい網羅しているのだけど、これはなぜか持っていなかったので、これ幸いと購入して、午後は読書に費やす。
漫画文庫の楽しみと言えば、解説もその一つ。この作品はめずらしく一巻も二巻も荷宮和子さんが解説をされていた。宝塚関係の著書を大学時代の卒業論文参考文献として読んだことがあった。その時は知らなかったのだけど、今回の解説のところには「女子供文化評論家」と記されていて、そのあまりの肩書きの格好よさに痺れた。
私が当時既に自分自身は足が遠のいていた「宝塚歌劇」を、卒業論文の題材に選んだのは色々いきさつがあったのだけど、一番の理由は、「音楽社会学」という一般教養の授業がすごく面白くて、こういう研究をやりたいな、と一瞬憧れたからだった。この授業はCMソングの成り立ちやその変化を見ながら、社会を紐解いていくというような講義から、音楽や社会に見る西洋的思考回路、東洋的思考回路やジェンダーを学び、最終的には「光GENJI論」までやってしまう、という本当に面白い授業だった。この講義の最終試験のいくつかあった題材から、私は確かジェンダーに関わるものを選び、その時に始めて、「宝塚」を例として取り上げてみたら、これがなかなか面白くて、卒論もこれでやろうかな、と思ってそのまま突っ走ってしまった。(まあ、そんな卒論が許される大学で、担当教授だった)
まあ、そんな成り行きはどうでも良いのだけど、その卒論で私は「宝塚が女子供の見世物という誇りを失わなければ、女の子はいつまでも宝塚に夢を見るだろう」というような結びをした。ファンだった時分より不思議だったのは、「宝塚は女子供の見世物のレベルではもうない。一流のエンターテインメントだ」と主張する人が多くいたこと。実際宝塚から離れて、他の舞台の方を多く見てきている今だからこそ、宝塚の未熟さも素晴らしさも分かる。だから、あれが一流のエンターテインメントではない、とは言わない。でもその前に「女子供の見世物」の何が悪いのだろう。今や舞台を見る人の多くは、女性だ。となると「女子供の見世物」こそ、エンターテインメントである。今はすっかり宝塚をご無沙汰してしまっているので、宝塚がどんな方向に進んでいるのか、人気があるのかないのか、さっぱり分からなくなってしまったけれど、私には、おばあちゃんになった時、宝塚に戻りたい、という夢がある。平日1時公演をふらっと見に行って、3時間夢の世界に浸り、夢中だった青春時代を思い出しながら、余生を送りたい。だから、やっぱり、宝塚には「女子供の見世物」の誇りを失わず、独特のエンターテインメントを継続してもらいたいな、とふと、思った祝日の午後。