こんなことを思ったり。ぼちぼちかんげき。

保護猫と同居人と暮らすアラフィフがビンボーと戦いながら、観劇したものなんかを感激しながら記録。

パイレート・クイーン

12/1(火)18:15~ 帝国劇場
脚本:アラン・ブーブリル/クロード=ミッシェル・シェーンベルク/リチャード・モルトビー,Jr.
音楽:クロード=ミッシェル・シェーンベルク
演出:山田和也

グレイス・オマリー:保坂知寿
ティアナン:山口祐一郎
エリザベス一世: 涼風真世
族長ドゥブダラ:今井清隆
ビンガム卿:石川 禅
ドーナル:宮川 浩

本場から呼び寄せたアイリッシュ・ダンサーたちは凄かった。
セットもこれぞ帝劇、というしっかりお金のかかった豪華なもので、盆を利用した船の作り方なども面白く、ステンドガラスは美しかった。
照明も、サスライトでの切り取り方など、シンプルだけど効果的で良かったと思う。

けれども全体的に退屈なショーだったと思わずはいられない。
新しいミュージカルのはずなのに、全体的にものすごく「年老いた」印象だったのだ。
まったりとしていて、緩急がなく、ただ「グレイス・オマリー」の一生を紙芝居でストーリーだけ見せた感じである。
モチーフは悪くない。音楽も良くはないけど、悪くもない。
山田和也の演出は、いつも可もなく不可もない。この演出イヤだなーと思うこともないかわりに、凄かった、目新しかったと思ったこともない。それは保守的な帝劇にはいいことだとは思うものの、今回ばかりは、G2あたりにもっと映像的でスピーディーな演出をしてもらい、海賊と英国の戦いのシーンなんかもダンスで迫力たっぷりに表現して、もう少し若いキャストで勢いよく演じてもらえれば、女海賊の激動の人生の魅力が伝わったのではないか、と思うと「惜しい」のである。
若しくは、このケルトの音楽に乗せて、荻田浩一に海のヴィジュアルアートを魅せてもらう、というのも面白かったのではないだろうか。

キャストも悪くはないのだけど、これをやるには全体はやはり年齢層が高かったと言わざるを得ないだろう。コーラスは悪くないのに、歌のリズムが微妙に遅れていたのが残念。その中で涼風真世は、演出が良かったのか、彼女のアイコン的キャラクターが活かされていて健闘していた。