こんなことを思ったり。ぼちぼちかんげき。

保護猫と同居人と暮らすアラフィフがビンボーと戦いながら、観劇したものなんかを感激しながら記録。

干渉しないという共存@シンガポール2日目

地下鉄に乗っていると、駅名が英国調、中華調、そして分からないけれど、恐らくマレー調とアラブ調も混ざっていることに気づきます。
それぞれのコミュニティのエリアによって、ストリート名や駅名が名付けられた結果でしょう。

2日目は長い一日になることが分かっていたので、12:00のチェックアウト時間ギリギリまでホテルに滞在しました。
ホテルのエレベーターの中でインドから旅行に来ていた妙齢のご夫婦と一緒になったのですが、日本人はお金持ちでしょう、と言われました。
そんなことないですよ、と言ったのですが、なぜそんな印象があるのか不思議でした。
その答えは夜、分かりますが、まずは昨日と同じくお腹が空いたので、リトル・インディアへ向かいました。

リトルインディア駅あがってすぐのテッカセンターに向かうと、お昼時だったため、すごい人。
この辺、計画性のなさが裏目に出ています
とはいえ、人の波をくぐり抜け、カレーセットを購入。
これも5シンガポールドル。安いです。

周りは本当にインドのマーケットのよう←行ったことないので、イメージ
しかも売ってくる手段がかなり強引です。
とはいえ、カレーは特に辛すぎることもなく、付け合わせが美味しくて満足。
そして、食べていたら、違う店から飲み物を買わないかと激しく勧誘されました
昨日の中華街よりもこちらの方がかなり勢いあって、熱いです。

その後、ぶらぶらしながらムスタファセンターへ向かったのですが、リトルインディアも中秋節の飾りつけが残っていました。

中華系の強さを実感。
そして、街はキレイに感じた中華街とは一転、少し汚れた雰囲気がありました。
とは言え、インドの民族衣装やアクセサリーのお店たちにテンションアップ。
本当に豪華でキレイでした。
さらに、辿りついたムスタファセンターがすごい!
ショッピングセンターの巣窟みたいな巨大さ。
何でも売っています。けれど、迷い込んだら二度と同じ場所には戻れないような気すらしてくる複雑さ。
ここの食料品売り場がまさに国際色豊か!
主食もあらゆる種類のパン、麺、米が置いてあり、調味料やお菓子もすごい種類が並べられています。ここだけで時間が潰せます!
残念ながら、私はパッキング済みの身分だったため、最低限欲しいものを買うにとどまったのですが、もう一度行きたいところナンバーワンがこのムスタファセンターです。
次回行くことがあったら、ムスタファセンターだけで1日取りたいくらいの勢いです。
楽しすぎる。

と、見るだけでパッションしてしまったせいか、ムスタファセンターを出たときにはぐったりと疲れ果て、ファーラーパーク駅に着いたところで、そこにあったキレイなショッピングモールにお手洗いに寄ったら、ふと足つぼマッサージが目に入って、ついつい高いのにやってもらってしまいました。

そうなんです、シンガポールはスパ、マッサージはほぼ日本と同価格。
なので、アジア圏に行った際は趣味もかねて、絶対何かしらスパやマッサージを受けていたのですが、今回ばかりはやめておこうと決心していたにも関わらず、誘惑に負けてしまいました。
セラピストさんの腕は良かったです。
施設もキレイで、合理的に出来ていて、興味深く見ながらも、一瞬寝てました、すみません。

さて、すっきりしたところで、浅田次郎シェエラザード」の影響でマリーナ・ベイを見たい、というのと、一枚くらいシンガポールらしい写真がほしい、と思い始め、あれに向かうことにしました。
さて、リトルインディアの写真を見ていただきたいのですが、きれいに晴れています。

ここから、地下鉄で移動すること約10分。
辿りついた駅でポツポツ雨が降り出し、アレを目指して歩いているうちに本降り。
そして、辿りついたアレの前。

土砂降りです。
あまりの土砂降り加減にマーライオン様の前まで行って写真を撮影しているのは私の他に1組のみという
唯一の写真スポットでこうなる自分の雨女力に我ながら感心しました。
世界三大ガッカリスポットと名高いマーライオン様ですが(他の2つはなんなんでしょうね)、さすがに対面すると「わあ、シンガポールだ」という気分になりました。
そして、土砂降りの中マリーナ・ベイをしばし眺めて、
ああ、あの海の向こうから「弥勒丸」がやってきたのかな、
とか一頻り「シェエラザード」の世界に浸りました。

そして、次はアラブ・ストリートに行こうと地下鉄駅まで歩いていると雨がやんでくるという、なんともタイミングの悪さ。
とりあえず、夕方は雨が降るので、写真スポットには夕方以外に行くことをオススメしますです。

辿りついたアラブ・ストリート。
先ほどの足つぼのかいもなく、私の足も気力もクタクタ。
残念ながら、モスクを撮影するだけにとどまりました。

本当は浅田次郎が「シェエラザード」の中で「本当の国際人」と称した、シンガポールに住む人とシンガポールにやってきた人たちの間に出来た子どもたちが多く住んだというカトン地区にも行きたかったのですが、現金が底をつきかけていたことと、疲れとで、諦めることを決意。これも心残りなので、次回はぜひ訪れたいです。

そして、もちろん、お腹も空いてます。
ブギス駅にあったフードコート内をぐるぐるして、ようやくラクサのお店を見つけました。
これもジュース付きで5シンガポールドル

麺はふにゃふにゃした感じですが、ココナツベースのスープは美味しかったです。
この辺りでお気づきかと思いますが、昨日の夕食以外はすべて5シンガポールドルですませている私
5シンガポールドルで外食できる素晴らしい国です。

さて、シンガポールで働く元同僚との待ち合わせはなんと21:30。
この食事が終わったのが18:00頃でした。
疲れは取れません。手持ちの現金も残り少なくなっています。
ということで、TWGに行くため、オーチャードロードに戻ることに決めました。
アイオン・オーチャードロード店まで地下鉄で約5分。
辿りついたところで、ラクサを食べたばっかりです、お腹すいていません。

すると体よく、TWGのアイオン・オーチャードロード店の外には椅子があって、さらにフリーWi-Fiも入ったので、しばしそこで休憩。
そして、1時間程していざTWGに入りました。
ショッピングモールの中なので、周囲の騒がしさはあるものの、リトルインディア、アラブストリートとはうってかわった、高級な雰囲気。
ティーサロンですが、ディナーも置いていました。
ただ、それほどお腹は空いていなかったので、ケーキとお茶を選択。
このお茶がすごいです。
お茶の種類が8ページくらいに渡っていて、もはや読む気力を失います。
私は夜だし、ということで、EVENING TEAと書かれた中から適当に名前で選びました。
隣の席にはいかにもセレブな雰囲気漂う中華系の家族が座っていました。
会話は英語でした。
そして、サーブされたケーキと紅茶がこちら。

紅茶はあっさり、ケーキも甘さ控えめで美味しかったです。
接客も良かったです。
お値段約26シンガポールドル今までの食事の約5倍のお茶とケーキのセットです。
価値判断はみなさまにお任せします。
まあ、話のネタにはいいです。

そしてまた、少しばかり外の椅子で時間を潰して、ホテルで荷物をピックアップして、本当にシンガポール最後の場所に向かいました。
ここです。

このシンガポール旅最大の目的地、ラッフルズホテルのロングバーです。

21時半少し前に着いたのですが、観光客と思われる人の列が出来ていました。
でも、その列もすぐに解消されたので、中で元同僚を待つことにしました。
ロングバーは2階建てで、上の回にはバンドが入っているらしく、結構激しい音楽が聞こえてきます。
2階にする?と聞かれたのですが、元同僚と連絡が取れないため、見つけやすい1階のバーカウンターにしました。
ほどなく元同僚と無事合流。
念願のコレを手にしました。

シンガポール・スリングです。
本物のラッフルズスタイルです。


この1杯が最大の目的だったのです、実は
初めてシンガポールスリングラッフルズスタイルを飲んでから、すっかり気に入った私は、バーでことあるごとにこれを頼むバーテンダー的には迷惑な客になっておりました。
しかし、ここでは、スンガポールスリングはこれだから、と先に案内されます。
嬉しい
堂々シンガポールスリングラッフルズスタイルを頼めるのです。
味は正直、日本のバーで飲んだものの方が美味しかったですが、このグラスで飲んでみたかったので、そんなことはもういいのです。
例え、この1杯がシンガポールで飲み食いした何よりも高くても!
これが旅の贅沢ってもんです。

で、元同僚(10歳くらい年下・めっちゃ仕事ができる優秀な女子)にシンガポールの話から、前の会社の話まで色々話を聞いたのですが、改めてとても頭の良い人だなあとしみじみ思いました。
その中で、印象的だったのが、シンガポールの日本人コミュニティのこと。
日本人コミュティはとても狭く、やはりコミュニティで行くお店などが決まっているとのことで、そのルートでお店を回ると誰かしら知り合いに出逢ったりつながったりするそうです。
狭い、広いの差はあれど、コミュニティでの住み分けはたしかにシンガポールにはありそうでした。各コミュニティには干渉せず、共存している国なのかもしれません。そして、それは国際都市の一つの在り方であるとは思いました。
ブルカを被って歩いていようと、サリーを着て歩いていようと、どの宗教を信じていようと、どんな生活スタイルだろうと、干渉しない。
ディスグレイスドで「ブルカは女性の尊厳と人格を奪っているから賛成できない」というようなセリフがあったのですが、好きで身に着けている限り、それはいいんじゃないのかな、と私は思っていました。
日本では、社会人女性は程よく化粧をしているのが身だしなみとされる会社が多いけれど、それも女性差別だと言えなくはないわけです。
でも私は好きでメイクをしている。それを他人におしつける気はないし、逆に「女性差別撤廃」のためにやめろ、と言われても納得できないです。
ブルカとメイクを一緒にするのは筋違いでしょうが、なんとなくそんなことを考えてしまいました。

ところで、日本人駐在員が住んでいるのが大抵一等地なのだそうです。
彼女が会社から斡旋された家は一等地ではないのですが、それでも一人で暮らしていることは贅沢なことらしいです。インド系の人々などは、一つのアパートに本当に大人数で暮らしていたりするそうです。
ここで、ホテルで、日本人はお金持ちなんでしょう、と聞かれた理由が分かりました。
確かに駐在員としてシンガポールで働く日本人は、少なくとも衣食住の「住」に置いてお金持ちに違いありません。
でもそれはシンガポールに限ったことではなくて、ロンドンでも駐在員の方々はお金持ちでした。
シンガポールの家賃も聞いたのですが、私が今の給料でシンガポールに行ったら、とてもじゃないけれど払えない高価格でした。ロンドンに勝るとも劣らないくらいです。
とは言え、シンガポール、本当にキレイで安全で、気温も過ごしやすく、食事も美味しくて、国際色豊かでああ、こんなところで生活できたらいいだろうな、とは思いました。

個人的な難点の一つはお酒が高いところです。
もう一つ難点があるのですが、これは実際のところは今回の旅では分からなかったので、確認できる機会があればしてみたいと思います。
その他は私の移住重要度の中のナンバーワン、ミュージカル観劇に置いても、USツアーカンパニーが2つの劇場で何かしらやっているので、日本より本格的なものが楽しめそうです。
私が行った日にちが悪くて、ちょうど何もやっていない時だったのですが、週末からWICKEDが、10月からはRENTがはじまる頃でした、羨ましい

だから、シンンガポールの表面は普通に「楽園」に見えました。

シンガポールスリング1杯を飲みほして、元同僚と生暖かい夜の空気を抜けて、地下鉄駅に向かい、別れて、チャンギ空港を目指しました。
すると、なんと終電。
いやあ、知らないって恐ろしい
これ逃してたらお金下してタクシーで向かうしかなかったってことですよね。
今思い出してもひやひやします

深夜12時前についた空港はさすがにガラガラ。
チェックインもあっという間に終わって、TWGへ最後のお土産を買いに向かいました。
閉店ギリギリで飛び込んだのですが、空港の方がティーバッグ、多少安かったです。
なので、TWGのティーバッグを買いたい方は空港で時間があるなら、空港で買うのをおすすめします←唯一有意義な情報かも

駆け足すぎて、疲れが激しかったけれど、色々と考えた旅でした。
そうして、再度「シェエラザード」読むと、あの風景が蘇ってきます。
のんびり旅でもう一度シンガポールに行きたいなと思いながら。