こんなことを思ったり。ぼちぼちかんげき。

保護猫と同居人と暮らすアラフィフがビンボーと戦いながら、観劇したものなんかを感激しながら記録。

そんな季節

「BAT BOY THE MUSICAL」を見に行った。全体の感想は近いうちに本ページにUPするとして、私にとって、このミュージカルの最大の意味は杜けあきさんの出演だった。


ミュージカルや舞台を見た数は、決して多くはないけれど、多分もう少なくもないと思う。数が増えるにつれ、やっぱり最初の頃の緊張感や興奮感は薄れていくもので、趣味でこういうような感想をつけているので、なんとなく批評めいた目で見てしまうことも多くなってしまった。でも杜さんの出演は、本当に純粋に最初見た気持ちに戻って、ときめかせてくれるのだ。ロンドンでもNYでもこんな気持ちをもてることはない。
お気に入りの服を選んで、待ちきれないくらいのドキドキ感で席につく。杜さんのファンになって15年。15年の思いが一気に巡る。


「BAT BOY」をロンドンで見て、興味をもって、日本版の製作を知り、杜さんの出演を知ったときから、楽しみだったのは、杜さんが歌う「A HOME FOR YOU」を聞くことだった。母親が子供に対する無償の愛を歌う歌。なんて杜さんにピッタリの歌だろうと思った。私にとって杜さんの最大の魅力は、包容力である。宝塚時代のあの客席をやさしく包み込むような力。でも残念ながら、外のミュージカルの女性役では、なかなかこの魅力を発揮できるものがない。それでも、「風と共に去りぬ」のメラニーを見た時、こういうような女性役なら、杜さんに勝る人はいない、と思った。だからこそ、今回のメレディスのこの歌を楽しみにしていた。感想は、思った以上だった。昔から、本当に歌の上手い方だった。歌詞が明瞭で、心に響く。分かっていたけれど、私が覚えていたよりも、杜さんの歌はずっとずっとすばらしくなっていて。正直、泣きそうになってしまった。包まれるBAT BOY、森山未來くんが本当に羨ましかった。そして、この歌を聞くために、もう一回見に行きたいとさえ思ってしまった。


本当は、本当に熱心に見ていたあの頃の気持ちではもう見れない気もした。森山未來くんにも大いなる興味があって、もしかしたら杜さんから目がはなれるかも、という気もした。でも、どうしても、習性のように目は杜さんを追いかけていた。


森山未來くんも、素晴らしかった。あの身体能力、演技力。テレビで見てるとあんまり分からなかったけれど、体つきも当たり前だけど、すごく成長していて、それが結構びっくりした。私が彼を始めてみた時は15歳だったから、当たり前といえば当たり前なんだけれど、大きくなったという近所のおばちゃんのような感想をまず抱いてしまった(笑)残るところは、多いに成長を感じられた「歌」だけだろうか。あとは中川晃教くんの歌唱力があれば、彼ににミュージカルで出来ないものはない、と思ったけれど、歌も天性なので、難しいかもしれない。

全体的には思うところは色々あれど(特に衣装とセット)、本当に幸せな時間であったことは間違いない。杜さんに、改めて感謝をした日。こんな幸福感は、今のところ、私には杜さんしか与えられない。