こんなことを思ったり。ぼちぼちかんげき。

保護猫と同居人と暮らすアラフィフがビンボーと戦いながら、観劇したものなんかを感激しながら記録。

一人で歩くということ。

松井るみさんのお顔が見てみたかった、と言ってたら、今朝の番組で亜門さんのトニーノミネートの簡単なドキュメンタリーが紹介されていて、松井るみさんのお顔も拝見することができた。だから、別に特別な感想はないのだけれど。

亜門さんがノミネートされていた「リバイバル部門」の受賞作品は「ラ・カージュ・オ・フォール」。日本版しか見ていないけれど、日本で見た作品の中では、最も記憶に残っているステキな舞台だった。作品は良くも悪くもエンターテインメントで、完璧、と言えるものではなかったけれど、愛すべき内容のものだったし、何より、ステージとオーケストラと客席の一体感が凄くて、舞台、の楽しさを最も感じられたのだ。
最近テレビで活躍している人がたくさんミュージカルに進出していることもあって、それは本当に素晴らしいことなのだけれど、観客がミュージカルを見ることに慣れていないな、と感じる舞台が最近特に多い。こちらの反応次第でミュージカルの舞台の印象は結構変わるのだけど、映画と同じように思うのだろうか。
そこへ行くと、作品はどうであれ、拍手のタイミングとか、観客として参加して気持ちいいと思う日本の舞台は、大地真央さんのものが多い。多分、真央さんファンの方が「観客」に長けておられるのだと思う。歌舞伎なんかも見に行くと、やっぱり観客が気持ちいい。玄人の観客が、上手に舞台と呼応して、ライブ感を作り上げてくれるから。
だから、そういう意味で、「ラ・カージュ・オ・フォール」は日本でみて、一番気持ちよかった作品で、だからこそ、ずっと心に残っているのだと思う。
なんだかんだ言いつつ、私はあんまり良い観客じゃないのだけれど、これからはじめてミュージカルを見に来る人たちには、もっと普通にライブやコンサートと一緒と思ってきてほしいな、と思う。芝居の途中だって、歌やダンスが良ければ、声を出したって、拍手をしたっていい。ミュージカルには「ショーストッパー」という言葉があるのだから。

それとは別件で、亜門さんのインタービューの様子が眩しくて、去年の夏の思い出と一緒に目がくらんだ。やっぱり、「舞台」に関って生きるという夢は、私のココロのどこかに絡んでいるのだと思う。もう今の生活の全てを捨て去る勇気はないのだけれど。ただ、せめて、APIの舞台を今年もエジンバラに見に行くだけでも見に行けたら、どんなにいいだろう、とは思う。疎外感を感じても、彼らの舞台が好きだし、好きだった自分がそこにいるような気がするから。

と何やら感傷的になってしまうのは、去年の今頃、エジンバラに行くことを決めて、最後の夢に向かって走り出していたから、かもしれない。