なほちゃんからmixiをとおして、コミック編のバトンが回ってきたので、仕事の谷間に回答。
Ｑ１：あなたのコミック所持数は？
現在の住まいには10冊以下。実家も今は30〜40冊だと思います。適当に整理して売っぱらうようになったので。
Ｑ２：今読んでるコミックは？
神谷悠『砂迷宮・蝶迷宮』基本的にミステリコミックも好きなので。
Ｑ３：思い入れのあるコミックは？
一部を除いて（浦沢直樹など）少女漫画しか読まないので、偏ってしまいますが・・・。
いがらしゆみこ「キャンディ・キャンディ」
このアニメに多大なる影響を受けて育った世代なので、アメリカ・イギリスへの憧れから男性の好みまでこの作品が私のベースを形成していると言っても過言ではない。コミックを読んだのは10歳か11歳の頃。シェイクスピアを早い段階で手に取った原因もこのマンガだと思う。お気に入りのシーンはアーチがステアが死んだときに一人でバクパイプを吹くシーン。一緒に子供時代を過ごした仲間二人に若くして先立たれてしまった悲しさが今でも胸にせまる。
池田理代子「ベルサイユのばら」
ヨーロッパの歴史に興味を持つきっかけとなった一冊。結局のところ、フランスよりもバイエルン・オーストリアに夢中になってしまったが、フランス革命の歴史に関する本を読むとき、今でもマリー・アントワネットやフェルゼンはじめロベスピエール、サン・ジュストなどの顔がこの絵柄で頭に浮かぶ。7月14日は未だにオスカルさまの命日と認識している。
成田美名子「CIPHER」
たぶん、はじめて、泣いた漫画。とにかく、双子の片割れのSIVAに感情移入しすぎて、揺さぶられた。因みに妹は（双子ではないけど）CIPHERに感情移入したというから、私たち姉妹の互いに対するコンプレックスを的確に表現していた漫画だったのだと思う。SIVAがはじめてディーナに会い、彼女の家に連れて行かれて、ビッグ・ママの前で涙をこぼした時に、ビッグ・ママが「本当にハングリーだったんだね」というシーンで泣いてしまった記憶がある。SIVAの愛情に対する飢えや怯えに本当に共感した。
因みに同作者の「エイリアンストリート」のこのシーンとセリフも心に残っている。
フランス人で記者志望のジェルくんがこう言う。
「人間てなぁ 生来自由であるべきものなんだ。なのにその権利を奪うものがあまりにも多すぎる！内乱、弾圧、飢え！おれは人間が人間らしくないってのはでーっきらいなんだ！！」
これにアラブ人とイギリス人のハーフのシャールくんはこう答えるのである。「そりゃ結局本人の気の持ちようだろ。たとえば祖国の独立解放を真実願ってそれに一生費やした人ってさ、おれ自由だなァと思うわけよ」
木原敏江「夢幻花伝」
私が現在、この世で最も美しいと思っている漫画。能楽者世阿弥の物語なのだけど、これほどまでにしたたかで、残酷な人間の本性を、芸術へ高めることによって、「美」が生まれてくる様がなんとも言えない。激動の時代の主人公の周りを取り巻く人物も面白く（私は割合、貴族の悲しいまでの不幸なプライドが描かれている話が好きなようだ）、波乱万丈で、いつか宝塚で舞台化したいなあ、と思っていたこともある。
萩尾望都「半神」
これぞ、芸術文学、という漫画。たった16P。でも16Pに愛憎の全てが、人間の葛藤が描かれている。そして、これは漫画以外ではこれほどまでに完結に表現できないし、漫画以上の表現方法はないだろう、という点でも個人的に漫画作品の最高峰と思っている。
川原泉「フロイト1/2」
川原泉の作品は全て好きで、一本を選べないのだけど、とりあえずこの作品にしたのは、私生児で、母亡き後、伯母夫婦に引き取られて育った主人公が高校入学が何かの際に戸籍謄本を取り寄せてみたら、謄本には私生児ではなくて、子供として記されていて、父親の名前が記載されていたことを発見し、「お父さんだ。認めてくれたんだ。なんていい人だろう」とつぶやくセリフが一番好きだったため。彼女のように生きていきたいと思わず、思ってしまった。
こうやって書いてみると古い作品ばかりになったなあ、という印象。しかも私の世代よりも、少し前の作品ばかり選んでしまった気が…。せめて河惣益美の「ツーリングEXP」19巻も入れておこうかな。これは一応リアルタイムでコミックを買ったので。なぜ19巻かというと、これが主人公ではなく、主人公の継母フランソワーズが主役の物語で、すっごくフランソワーズがステキだから。彼女のような能力とプライドを持ちたいと思っている。あと現在進行形の「玄椿」も面白い。芸妓・舞妓の生活をはじめてちゃんと知って、なかなか勉強になる。
Ｑ４：バトンを渡す５人
５人は無理なので、ここはやっぱり、尊敬する漫画読みのゆみちゃんに、お願いします。私のように読む本が偏ってなくて、その幅広さには感心してしまうので、mixi初日記に、いかが？読むのを楽しみにしてます、とプレッシャーをかけておこう。
