こんなことを思ったり。ぼちぼちかんげき。

保護猫と同居人と暮らすアラフィフがビンボーと戦いながら、観劇したものなんかを感激しながら記録。

ついに、この日。

本日、とうとう29歳になった。でも実感するのは、きっと、次に定期を買う際の年齢を入力するときなんだろう。30歳までもう一年を切ったのかと思うと、なんとなく空恐ろしい気もしないでもない。

23日、前倒しで、友達の家で誕生日パーティーをやってもらった。料理上手な友達なので、美味しい料理をたらふく食べたあげく、プレゼントに埋もれ、こんな誕生日パーティーは一体いつぶりだろうという感じ。多摩川の花火も見に行って、ハッピーな一日をくれたみんなに、心から感謝。

24日は「モーツァルト!」を観劇。初演を見逃しているので、初めてこの作品を見たわけだが、アッキー&祐一郎さんの美声や市村さんの演技よりも、小池演出を最も堪能してしまった。小池先生の演出作品を見るのが、そう言えば久しぶりだったことに気付く。というのも、最も私が好きな小池先生らしい演出だったのだ。墓堀の導入部分からプロローグへ行く自然な流れ、スピーディーな転換、お耽美なライティング。舞台がオーストリアだったこともあって、小池先生のデビュー作「天使の微笑み・悪魔の涙」を思い出す。(あの作品が印象的で、オーストリアに行った時、プラター公園へ行って、観覧車に乗ったりもした)そして、小池先生の2作目「華麗なるギャツビー」が、多分、最も私に影響を与えたのだ。宝塚を見始めて、単純に演じる人に憧れていた中学生だった私に、初めて、演出という言葉とその魅力を教えてくれた作品だったのだ。ニックの引越しの導入から、ギャツビー邸での派手なパーティーに自然に流れるプロローグ。ジョーダンとニックの電話から、アイスキャッスルに流れる転換。あれを見た時のゾクゾク感はやっぱり今でも私の中に残っている。だから、そういう意味で、今回の「モーツァルト!」は、迷い始めた私の29歳への幕開けにふさわしい舞台だったのだと思う。

モーツァルトの妻コンスタンツェが「あの人のインスピレーションにならなくては」と歌う。小池先生のバウ一作目「ヴァレンチノ」の中で、ナターシャがヴァレンチノに「あなたが私のインスピレーション」だと歌う。完全な自己満足の世界だから、それは何も生み出しはしないだろうけれど、私は私のインスピレーションのカケラを小池作品に感じ取る。