こんなことを思ったり。ぼちぼちかんげき。

保護猫と同居人と暮らすアラフィフがビンボーと戦いながら、観劇したものなんかを感激しながら記録。

劇団四季「WICKED」

8月5日(日)13時~ 電通四季劇場「海」
グリンダ:沼尾みゆき
エルファバ:濱田めぐみ
ネッサローズ:小粥真由美
マダム・モリブル:森似鶴美
フィエロ:李 涛
ボック:金田暢彦
ディラモント教授:武見龍麿
オズの魔法使い:松下武史

始めて某所でこのミュージカルを見たときに、とにかく、そのストーリーに感動した。誰もが知っている「オズの魔法使い」、その物語の裏側にこれだけの世界観を生み出したことがとにかく素晴らしく思えたのだ。だから、そういう意味で、一回目の衝撃も感動もなかったのが、個人的に見続けるミュージカルとしての魅力が少なく残念だった。

けれども、始めて完全輸入版を見て、そのセットと照明の素晴らしさを痛感。ショーケース的な大掛かりなセットと、カラフルでファンタジックな照明は一級のエンターテインメントに仕上がっている。とりわけ、一幕幕切れのエルファバが空に飛び立つシーンの照明の色合いと、ところどころに登場する街の風景の移り行く空の色合いは、個人的に完璧で舞台作品の楽しさと美しさを存分に伝えてきた。

エルファバとグリンダという二人の全く違う女の子のお互いへの気持ちや葛藤が描かれ、曲もミュージカル曲としてメロディアスでキャッチーでとても良いのに、四季の演じ方が私的に心がない風に感じ取られ、堪能できなかったのが残念(USJのエルファバが歌う「Wizard and I」が本当に切々と心に訴えかけてきただけに、歌唱の上手さや声量なんかは聞かせてくれるものの、中味を聞くことができなかったのが本当に残念で仕方なかった)。歌もダンスも、技術は完璧なのに、完全に訓練され、プログラムされたロボット人形が歌っているようで、如何に私が技術主義だからといって、四季が好きになれない理由を痛感した次第。とりわけ、セリフまわしが、この劇団独特の方法で、どうにも好みに合わない。歌舞伎や宝塚を納得して見に行くように見に行けばいいのだろうけれども、それには歌舞伎の伝統芸能、宝塚の女性だけ、という特殊感がないので、なかなか私には厳しいなと感じた。