こんなことを思ったり。ぼちぼちかんげき。

保護猫と同居人と暮らすアラフィフがビンボーと戦いながら、観劇したものなんかを感激しながら記録。

Valentain's Day


12月20日 18:00~ Lion&Unicorn Theatre
Valentain Day:CORIN RHYS JONES

2月14日にDAY家に誕生したためにバレンタインという名前をつけられた一人の男性の話。
彼のコンプレックスは女性経験がないこと。夢見がちで気が弱い彼は、一人暮らしでブラインアンというくまのぬいぐるみだけが唯一の友達なのである。

そんな彼の語る日常は、不条理にコミカルで、その中でどうして彼がセックスにコンプレックスを抱くようになったかが段々と明らかになっていくのだ。
敬虔なカソリックの母親、はじめて関係を持とうとした女性との恐るべき体験。なんとか普通に日常を送っていこうと必死な彼の姿は時々おかしく、また哀しい。最終的に彼はお金を支払い、マリアという女性を斡旋してもらうことにするのである。
最後の場面でマリアが登場したとき、彼は彼自身のコンプレックスを受け入れ、それでも外向的には普通の顔をしながら、なんとかこの世の中を生きていくための最善の選択をしたことが分かり、幸せそうに響く彼の感激の声と相俟って本当に切なく、心を揺り動かす芝居だった。

コリンの演技はちょっとしたマイムや手の動きさえ、実によく訓練されており、45分の一人芝居を飽きさせることなく魅せる。とりわけ声が良く、低く語るシーンさえすんなり届くところはさすがだった。