こんなことを思ったり。ぼちぼちかんげき。

保護猫と同居人と暮らすアラフィフがビンボーと戦いながら、観劇したものなんかを感激しながら記録。

ミー&マイガール

4/28(月)13:00~ 宝塚大劇場

イリアム・スナイブスン(ビル) 瀬奈 じゅん
リー・スミス 彩乃 かなみ
パーチェスター 未沙 のえる
マリア公爵夫人 出雲 綾
ヘザーセット 越乃 リュウ
ジョン卿 霧矢 大夢
ジェラルド 遼河 はるひ (第一幕)
ジャッキー 明日海 りお

一昨年の東宝版「ミー&マイガール」(再演)の出来が非常に良くて、だから、もうこの作品は東宝にあげてもいいと思っていたけれども、宝塚版を見てみると、やっぱり宝塚版には宝塚版の良さがあって、どちらにしろ、この作品がいかに名曲そろいの名作がしみじみ感じ入る出来上がりだった。

今回の宝塚版の最大の良さは、間違いなくパーチェスター未沙のえるさんの存在である。出すぎず、締める、素晴らしい脇役ぶり。セリフの間や、笑いの部分も完璧。愛さずにはいられない見事なパーチェスターだった。
更に、他の外部のミュージカルと宝塚が違う大きな点の一つは、主役カップルが定番というか、決まっているところだと思う。これが、宝塚の良し悪しではあるものの、このミー&マイガールという作品の中では実に良い方に発揮されている。ビルとサリーがずっと一緒にいて二人で一つ、というお互いに対する信頼感が現れていて、ビルの側にはサリーがいて、サリーの横にはビルがいる、という空気がとても自然で、二人の場面はただただ微笑えましく、幸せな気分にしてくれるのが何より良かった。
キャストで言えばジャッキー&ジェラルドがいまいち演技も存在も弱かったところが残念と言えば残念。特にジャッキーは東宝版の純名りさが素晴らしく良かったので、宝塚版では伝統的に男役の役どころになっているけれど、こういう役を出来る娘役が育つといいなあと思う。

誰一人悪い人が出てこないかわりに、完璧な人間も出て来ないからこそ、どのキャラクターもとてもチャーミングだし、何より、思わず一緒に口ずさんでしまう名曲の数々、ランベスウォークの完璧な一幕の幕切れ。やっぱり、これは最高のハッピーミュージカルであることは確か。